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Vol.135 和牛は「和牛」と一括りにできない

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            CLAIRメールマガジン vol.135(2016年2月12日)
               ~ 和牛は「和牛」と一括りにできない ~
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                            T O P I C S               
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【記事】フランスにおける日本産和牛の状況~販売戦略に沿った業者選定を~
【記事】こだわりの和食が食べられる街、ニューヨーク
【記事】これも日本食ブーム!?イギリスで人気の意外なおつまみ
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【記事】フランスにおける日本産和牛の状況~販売戦略に沿った業者選定を~
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 日本からEU向けの牛肉輸出が2014年6月以降開始され、日本側から、牛肉の消費量が高いフランスへの日本
産和牛の売込みに対する関心が高まっています。
 そこで、現在、既にフランス国内で日本産和牛を取り扱っている現地の卸売業者へ、日本産和牛の取扱い状
況について聞き取り調査をしました。
■卸売業者A社
A社は現在、フランスの一般向けに神戸牛・上州和牛・鹿児島牛を卸しており、日本産和牛を1月で約1トン販
売しています。「フランスで日本産和牛を拡大させるためには、値段の問題を解決する必要がある」とのこと。
なぜこんなに高いのかと逆に質問されました。フランスの一般向けとしては、日本産和牛はまだ高いと認識され
ていることが分かります。
 また、「ユダヤの教義に従ってと畜、血抜き等の処理をされたコーシャ認定食品にも需要がある。日本産和
牛がコーシャ認定を満たせば、確実に市場は広がるだろう」とのお話もいただきました。
 さらに提供方法として、「香港などでは日本産和牛を350g程度のボリュームでステーキとして出すが、フラ
ンスではそれは脂っぽすぎる。提供の仕方や、最高部位だけではなく他の部位も使って販売を拡大していきた
い。」と話していました。
■卸売業者B社
 一方、B社は現在、神戸牛・鹿児島牛等を取り扱っており、フランス国内では、富裕層の訪れるレストラン
に対し、高級部位を販売しているほか、インド等のホテルへも再輸出しています。「以前、オーストラリア産
和牛を取り扱っていたが、日本産和牛と値段が20%ほどしか変わらないのに質が全く異なったため、現在は日
本産和牛のみを取り扱っている」とのこと。
 霜降り肉については、「フランスの大衆向けとしては脂っぽすぎるが、富裕層には人気がある。フランスの
マーケットについては、現在は景気が悪く市場が小さい。一方、インドへの輸出はある程度のロットもあり、
値段も関係ない。」と話していました。
 また、EU圏内での日本産和牛の可能性について、B社はイギリス、オランダ、ドイツには需要があると思っ
ていると語っていました。
 今回は、2社に日本産和牛の状況について聞き取りをすることができましたが、それぞれ販売先が異なり、
取扱い部位や戦略も異なってくるということが分かりました。
 このように卸売業者の考えも様々なので、どのような戦略で和牛を販売していくのか、各自治体の方針に
沿って、業者を選択することが非常に重要と言えるでしょう。
                                   (パリ事務所 夏秋所長補佐)
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【記事】こだわりの和食が食べられる街、ニューヨーク
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 ニューヨークに住み始めてまず驚いたのは、日本で食べるものにも引けをとらない和食を味わうことができ
る飲食店が、数多くあるということでした。筆者のような駐在員にとっては大変ありがたい食環境ですが、ニュ
ーヨーカーの反応はどうでしょうか。ニューヨークタイムズ紙で昨年末に掲載された、飲食店のランキングを
ご紹介します。
 「2015年に開店した飲食店トップ10」には、マンハッタンにある「Shuko」という店がランクインしてい
ました。この「Shuko」の二人のシェフは日本人ではないものの、ミシュランガイドニューヨーク版におい
て、日本料理店では初の3つ星を獲得したことでも知られる高山雅氏氏のもとで修行を積んできました。彼ら
は、高山氏の料理に対する姿勢を受け継ぎ、常に想像力豊かに、その地、その時代に合った美しい寿司や会席
料理を提供しています。
 また、高い値段設定のことが多い和食ですが、同紙の、「2015年安くて美味しい飲食店トップ10」には、
ブルックリンにある「OKONOMI」という店がランクインしていました。寿司店や居酒屋、ラーメン店といった
和食の店は多く見られますが、同店は、朝食やブランチとして、日本の伝統的な「一汁三菜」の献立を提供し
ています。日本の「もったいない」精神を大切にしており、だしを取った鰹節を味付けし、フレーク状にした
ふりかけをご飯にかけたり、だしを取った昆布を漬物にするなど、素材は無駄なく活用されています。
 先日筆者が訪れたマンハッタンの焼き鳥屋「鳥心Torishin」では、筆者の地元である和歌山県の紀州備長
炭が使用されており、とても感動したのを覚えています。
 これらの店もそうですが、単純に和食が食べられるというだけでなく、素材や技術にこだわりのある店がと
ても多く、和食を通じて、もっとニューヨーカーに日本を知ってもらいたい、という熱意を窺い知ることがで
きます。
 彼らの熱意の後押しを受けながら、そして彼らに胃袋を満たしてもらいながら、残りの赴任期間、筆者も職
務にまい進していきます。
                                (ニューヨーク事務所 丸野所長補佐)

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【記事】これも日本食ブーム!?イギリスで人気の意外なおつまみ
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 近年、世界各地で日本食レストランが増加していると言われていますが、ここイギリスも同様です。
 ジェトロの調査によると、イギリス国内の日本食レストランは、ここ5年間で約1.5倍(2010年:329軒2015
年:518軒)に増えたそうです。
 イギリスでは、日本人経営ではない日本食レストランも少なくありませんが、最近の特徴として、日系資本
による専門店の進出も見られるという点が挙げられます。
 たとえば、一昨年8月に「金田家」、10月に「一風堂」という博多の豚骨ラーメン店が相次いでロンドンで
オープンしました。料金は10ポンド以上(1,700円強)と日本に比べると割高ですが、開業から1年以上経った
今でも食事時はいつも満員、客層も現地の方が大半を占めています。
また、昨年11月には、全農が和牛メニュー中心の日本食レストラン「TOKIMEITE」を開業するなど、今後もこ
の傾向は続いていくのではと思われます。
 こういった『日本食ブーム』は、英国に赴任する前からちらほらと聞いていましたが、こちらに来て驚いた
ことの一つに「わさび豆」の人気があります。イギリスでは、「Wasabi pea」という名称で、多くの現地スー
パーで販売されているほか、パブのつまみとして提供されることもあります。味は、日本で食べるものと比べ、
わさび味がマイルドになっており、こちらの方でも食べやすくなっているという印象です。
 私は、このわさび豆人気は、イギリス人の「豆好き」が関係しているのではないかと勝手に解釈しています。
(イギリスでは、伝統的な朝食に豆が添えられるほか、スーパーでも様々な種類の豆が陳列されています。)
 「wasabi pea」がスーパーのレジ前に陳列されている様子を見て、一見意外と思えるものでも、その国の趣
味・嗜好に合致すれば海外で人気を博することもあるのだと感じた次第です。
                                   (ロンドン事務所 湊所長補佐)
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【編集・発行】一般財団法人自治体国際化協会(企画調査課) 
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