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Vol.140 パリ市が政府にパリ市の地位等に係る法律改正を要請

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□■□    CLAIRメールマガジン vol.140(2016年4月15日)
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□   ~ パリ市が政府にパリ市の地位等に係る法律改正を要請 ~

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 T O P I C S               
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【記事】「パリ市が政府にパリ市の地位等に係る法律改正を要請」

【記事】インドネシアの村落行政強化

【記事】アメリカの地方分権と住民自治

【INFO】日本型シティ・マネジャー制度導入の可能性を考える

【INFO】日本秋祭 in 香港(10/1~11/30)参加者募集!

【REPO】スタッフだより 「目黒川の桜」

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【記事】「パリ市が政府にパリ市の地位等に係る法律改正を要請」
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2月15日、パリ市議会において、地方自治体としてのパリ市の地位の特殊性に
関連して、下記(1)から(3)について、政府による法律改正が必要な改革
を進めていくことが可決されました。
これら(1)から(3)について、パリ市は2016年中の法律改正を政府に要請
していくとのことです。

(1)パリ市を基礎自治体(commune)と県(departement)が融合した新たな自治
   体と位置づけること
(2)パリ警視庁が有する交通分野等の権限の移譲を受けること
(3)市内全20区のうち中心部の4つの区議会を1つに統合すること

<(1)の要請の背景>
現在、パリ市の法律上の位置付けは、1964年の法律(*1)以降、基礎自治体で
あると同時に、県としての役割を担う唯一の自治体となっています。
しかしながら、基礎自治体及び県の事務配分により区別された2つの予算がある
など、縦割りや業務の効率性の問題が指摘されていました。

<(2)の要請の背景>
パリ市には、国家警察であるパリ警視庁が置かれています。
このような歴史的背景から、他の基礎自治体とは異なり、パリ市は交通分野に係
る警察権限を有していません。
近年、パリ市では、バス専用レーンの設置、自動車専用道路の歩行者専用道路化、
自動車の速度規制の強化などの交通政策を展開しています。
その際、パリ警視庁との協議に時間がかかる事例も見受けられました。

<(3)の要請の背景>
パリ市では、区議会議員選挙において、パリ市議会議員と兼任する区議会議員を
選出しています(*2)。
2020年に実施される次回選挙に合わせ、面積が小さく人口も少ない中心部の1区
から4区までの各区議会を1つに統合することで、各区が一定の規模を持つこと、
また、パリ市議会議員選挙における1票の較差を是正することを目的とするもの
とされています。

(*1)la loi du 10 juillet 1964 portant reorganisation de la region 
    parisienne
    パリ市を管轄に含むセーヌ県を廃止することとした法律です。
(*2)各区長は区議会議員から、パリ市長は市議会議員から、それぞれ間接選
    挙により選出されます。

                        (パリ事務所)

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【記事】インドネシアの村落行政強化
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インドネシアは村落行政に関する法律を制定(2014年)し、村落行政強化に向
けて大きな一歩を踏み出しました。

村に強い自治権と多くの予算を配分することで、村行政体を強化し、コミュニ
ティ開発と住民へのサービスの向上を実現することがこの法律に明示されてい
ます。これを受けて、村は従来の自治コミュニティとして存続するか、新たに
行政単位となるかを選択することが可能となりました。

あわせて、中央政府にも変化がありました。

それまで内務省が村落開発に関する全ての分野を所管していましたが、村落コ
ミュニティ・エンパワーメントや村落地域開発などは、新設(2015年)された
村落・後進地域開発・移住省に移管されました。
村落行政(ガバナンス)については現在も内務省が所管しています。

また、開発資金として中央政府から村に配賦される「村落ファンド」が新設さ
れました。
これによって、行政体になる選択をした村は、強い自治権と財源を手に入れる
こととなりますが、それらを有効に活用する行政能力の不足が懸念されていま
す。

村の開発については、村のニーズを取りまとめ、村中期開発計画と年次計画を
作成することが求められています。
計画策定の担い手となる人材育成が急務であるため、現在、中央政府や県など
の地方政府は村職員対象の研修実施などに注力しています。

インドネシアの地方分権という観点から、村がどのように発展していくか、今
後の動向が期待されます。

                  (シンガポール事務所 小暮所長補佐)

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【記事】アメリカの地方分権と住民自治
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地方分権型の国家として言及されることの多いアメリカですが、日本国憲法が
地方自治を明文をもって保障しているのとは対照的に、アメリカ合衆国憲法に
は地方自治体について触れた条項は一切ありません。

同憲法修正第10 条は「この憲法によって合衆国に委任されず、また州に対し
て禁止されなかった権限は、それぞれの州又は人民に留保される」と定め、地
方自治に関しては各州の専権事項とされています。

ただし、アメリカの地方自治体は同国独立以前からの伝統を引き継ぎ、特に住
民自治を重んじる文化には非常に根強いものがあります。
日本の常識からすると理解しがたいことですが、アメリカにおいて地方自治体
とは住民が自発的に形成するものであり、現に地方自治体によってカバーされ
ていない地域も存在しています。

少し変わった例を挙げれば、ミシガン州ノヴァイ市では、同市の一部となるこ
とを望まなかったわずか0.24平方キロメートルの地域が、市域に囲まれた「飛
び地」となって現在に至っています。
この地域では、住民宅での寄合によって意思決定を行う一方、消防や図書館サ
ービスについては契約に基づき市から提供を受け、治安維持については州警察
が担う(危急の際は市警察が事実上初動対応に当たるようですが...)、といっ
た形で住民自治が行われているのです。

アメリカにおける地方自治体の最も基本的な権限とは、土地利用に関する権限
であり、住民が地方自治体を形成する主要な動機であるともいわれています。
日本においても、地方分権改革の一環として都市計画権限の市町村への移譲が
進んでいますが、住民が自発的に地方自治体を形成するアメリカと、国の法律
により中央省庁、都道府県・市町村という階層に沿って事務権限を分与してい
く日本とは、同じ分権といっても、文脈において大きく異なっているといえる
でしょう。

アメリカの地方自治体の行政機構図をみると、最上位に「住民」が位置づけら
れ、その下に公選職、各部局と続く形式で作成されていることが一般的です。
ここにも、権力がまず人民に存する、というアメリカ流の考え方がよく表れて
います。

                  (ニューヨーク事務所 早瀬所長補佐)

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【INFO】日本型シティ・マネジャー制度導入の可能性を考える
    日本学術会議講演会・日本行政学会分科会
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「日本学術会議・行政学/地方自治分科会」と「日本行政学会」の共催により、
「わが国における自治体組織形態のあり方を考える~日本型シティ・マネジャ
ー制度導入の可能性~」が、下記のとおり開催されます。

自治体が、人口減少、高齢化、財源不足等の課題を抱える中、行政能力維持の
有効な方法として、日本型シティ・マネジャー制度導入の可能性を考える場で
す。

参加費は無料ですので、奮ってご参加ください。

日     時:2016年5月22日(日) 9:30~12:30
場     所:明治大学 駿河台校舎 リバティタワー 1階
        1011教室
参  加  費:無料
お問い合わせ先:日本行政学会開催校事務局 明治大学政治経済学部
        牛山 久仁彦 教授 研究室
電 子 メ ー ル:ushiyama@meiji.ac.jp
電 話 番 号:03-3296-2129

詳細はこちら
< https://www.clair.or.jp/j/forum/c_mailmagazine/20160415/140-1.pdf >

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【INFO】「日本秋祭 in 香港」(10/1~11/30)参加者募集!
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在香港日本国総領事館では、2016 年10-11 月の間に香港で開催される「日本
秋祭 in 香港」への参加自治体等を募集しています。

これは、日本の文化やモノ・サービスを積極的に受け入れてくれる香港に感謝の
意を表明し、日本の魅力をもっと知り、楽しむ機会を提供するために、日本の
文化団体、企業及び政府(地方自治体を含む)、並びに香港及び第三国・地域の
組織等が参加して、イベントを集中的に展開するものです。

詳細についてはこちら。
< http://www.hk.emb-japan.go.jp/jp/index.html >
(トップページ最上部 2016年3月24日付けの「新着情報」に、参加要項と応募
フォームが掲載。)

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【REPO】スタッフだより 「目黒川の桜」
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こんにちは。企画調査課の成田です。

新年度になり、メールマガジンの担当者も新しいメンバーになりました。今年
度は、倉田・富田・成田がお届けします。
先日、目黒川に夜桜見物に行ってきました。目黒川は都内でも指折りの桜の名
所だそうで、大変な人出でした。
川の両側に満開の桜並木が続く様は、圧巻としか言いようがありません。
こんなきれいな桜を見られるなんて、幸先がいいなと感じました。

今年度も、どうぞよろしくお願いします。

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【編集・発行】一般財団法人自治体国際化協会(企画調査課) 

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