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Vol.155 ドローンに民泊。どう思う?

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□■□      CLAIRメールマガジン vol.155(2016年9月30日)
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□                ~ ドローンに民泊。どう思う? ~

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                            T O P I C S               
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【記事】ドローン先進国フランス

【記事】シンガポールのドローン規制

【記事】旅行者の4人に1人が民泊を利用? ~アメリカの民泊事情~

【記事】シンガポールにおけるホテル事情

【INFO】クレアレポート公開!!

【INFO】全国の観光インバウンドの取組事例を紹介!
       「クレアインバウンドライブラリー」を更新しました。

【REPO】スタッフだより はじめまして、ジャッキーです。

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【記事】ドローン先進国フランス
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フランスは、欧州の中でもドローン先進国の1つと言われています。 
2010年ごろには、農業分野におけるデータ収集・観測のためにドローンが商業
利用され始め、2012年4月には運用に当たっての規則も整備されました(2015
年12月に改正)。
5月下旬から6月上旬にかけてパリ等にも被害をもたらしたセーヌ川等の氾濫
状況把握のため、ドローンが活用された様子は、日本でも報道されており、ご
覧になった方も多いかと思います。
現在、フランス国内の商業用ドローンは4,200機を数え、ドローンの商業利用が
一般化しています。
商業利用の場合、民間航空総局の許可が必要で(2,300人の操縦者が届出)、ド
ローンの重量や、飛行する地帯が無人か有人かによって飛行可能高度などが定
められます。
一方、レジャーを想定した個人利用の場合、免許等の必要はありませんが、「
エコロジー・持続開発・エネルギー省」が使用に当たっての10の規則を定め動
画による周知を行っているほか、軍、飛行場、原子力発電所等の飛行禁止区域
に立ち入った場合には、禁固刑や罰金を科せられています。

採掘場にドローンを配置することで、上空からの作業状況把握が可能になった
結果、無駄の多かった搬入搬出トラックの移動が効率化され、待機時間の短縮
や燃料コストが削減されるなど、さまざまな分野でドローンが効果を発揮して
います。
今後、日本でも幅広い利用が期待されるドローン。その活用法を考える際には、
多くの議論・検討を踏まえて規則等を整備してきた、ドローン先進国・フラン
スの事例を学ぶことが重要であると考えます。

参考:個人向けドローンの利用方法の解説動画
     (エコロジー・持続開発・エネルギー省)
< https://www.youtube.com/watch?v=t2F1rNtfk08&feature=youtu.be >

人の上を飛ばない、高度150メートル以下で飛行する、人口密集地域上空・飛
行場・立入禁止区域付近では使用しない、夜間飛行はしない、プライバシーを
尊重する等の10の規則が分かりやすく解説されています。

                     (パリ事務所所長補佐 加藤)

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【記事】シンガポールのドローン規制
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シンガポールでは2014年度に20件以上のドローンに関連した事故が発生した教
訓から、早急にその規制に関する法整備が進められました。なかには電車の軌
道にドローンが落下するなど、一歩間違えば重大な事故になりかねない事案も
含まれていました。

シンガポールのドローン規制はCAAS(Civil Aviation Authority of Singapore
:シンガポール民間航空庁)が所管しており、利用者を対象とした手引きが配
布されていますので、そのポイントを紹介します。

(1)人混みの中で飛ばしてはいけない。

(2)重さ7キロ以上のドローンを飛ばしてはいけない。

(3)荷物を固定する装備がないドローンで荷物を吊るしたり運んだりしては
   いけない。

(4)危険な物質を運んではいけない。

(5)荷物やその他物質等を空から落としてはいけない。

(6)救急車など緊急車両の周囲で飛ばしてはいけない。

(7)制限区域や危険区域などの警備区域で飛ばしてはいけない。

(8)空港や軍事施設の周囲5キロ以内あるいは200フィート以上の高度で飛ば
   してはいけない。

シンガポールではドローンで飲食物を運搬するレストランが登場するなど、そ
の利便性や効率性ひいては人件費削減効果を期待されています。単に規制で縛
るのではなく、正しく運用することでドローンの先進性を社会経済の革新に活
用していく意図が強いようです。

                (シンガポール事務所所長補佐 佐々木)

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【記事】旅行者の4人に1人が民泊を利用? ~アメリカの民泊事情~
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アメリカにおいて、レジャー目的の旅行者に占める個人所有の住宅に宿泊した
者の割合は、2010年は8パーセントであったのに対し、2014年には25パーセン
トに急増しました(旅行産業の研究機関「Phocuswright」の調査による)。背
景にあるのは「Airbnb(エアビーアンドビー)」をはじめとする民泊仲介サイ
トの伸張です。2015年には、「Airbnb」にアメリカだけで55万件もの物件が掲
載され、もはや民泊が一大ビジネスとして成立していることがうかがえます。

民泊ビジネスが成長を続ける一方で、既存の法令との抵触も問題となっていま
す。例えばニューヨーク州法は、3戸以上の集合住宅において、居住者以外の
者が、居住者が立ち会わない形で短期滞在(30日未満)することを禁止してお
り、州当局が2014年10月に発表した報告では、州内の「Airbnb」掲載物件の実
に72パーセントが、これらの法令に違反しているおそれがあると指摘されてい
ます。

アメリカでは、ホテル税や営業に要する免許など、民泊に関係し得る法令・制
度やその運用は各州及び自治体によって様々であるだけに、問題は一層複雑で
す。中には、サンフランシスコ市やポートランド市のように、ホストに必要な
手続きや義務を課すなど、民泊を法制度上に位置付ける自治体も現れてきてい
ます。

経済的な影響も無視できません。民泊物件の増加は既存のホテル経営に打撃を
加えるのみならず、地域の住宅価格に影響を与えているとの指摘もあります。
民泊への転用物件が賃貸市場に供給された場合、例えばニューヨーク市ブルッ
クリン区のウィリアムズバーグ周辺では、平均家賃を月額37ドルから69ドル(
約4,000円~7,500円)押し下げるとの推計もあります(不動産情報誌「The 
Real Deal」による)。

筆者もアメリカでこれまでに2度、「Airbnb」を利用した経験があります。い
ずれも、ホストの住む一戸建て住宅の空き部屋に宿泊しましたが、一般の住宅
に宿泊すること自体貴重な経験であり、ホストとの交流も思い出深いものとな
りました。魅力あふれる民泊が、山積する課題を解決しつつ健全に発展してい
くことを望みます。

                 (ニューヨーク事務所所長補佐 早瀬)

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【記事】シンガポールにおけるホテル事情
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1 SMAPのCMでお馴染みの・・・
シンガポールのホテルと聞いてどこを思い浮かべますか?
3棟の巨大なタワーホテルを備え、地上200メートルの高さには船のようなスカ
イパーク。水平線に溶け込んでしまいそうなプールでは、まるで空を泳いでい
るかのような気分になります!年平均稼働率が過去99%以上の超有名ホテルを
想像しましたか?それとも、シンガポールスリングで有名な老舗ホテルでしょ
うか?

2 平均稼働率は85% 平均室料はS$246!(9/29時点 1S$=約75円)
シンガポールのホテル数及び客室数は、2003年にSARSの影響で減少したものの、
増加傾向で推移し、2009 年にはホテル数120棟、客室数33,880部屋でした。そ
の後2013年に373棟、55,018部屋と増加し、2015年は398棟、60,908部屋です。

平均客室稼働率は、2003年の 67.2 %を底に上昇し、2008年は81.0 %。その後、
2009年はリーマンショックの余波で76%と低下しますが、2010年、好転した経
済状況や来訪者数の大幅な増加を背景に、平均客室稼働率は85%に向上しまし
た。

平均室料は、2006年以降対前年比で20%以上上昇し2008年にはS$245となりまし
た。2009年にS$189と大幅に減少したものの、回復傾向にあった経済状況を反
映し、2010年はS$218(対前年比15.3%)でした。その後は、2012年のS$262を
ピークに2013年にはS$258、2015年にはS$246と推移しています。

3 慎重な判断が必要な民泊
日本でも話題の民泊。実は、ここシンガポールでは、一般住居に関して、6ヶ
月未満の賃借が法律で禁止されています。提供者は最高S$20万の罰金、1年以
内の禁固刑です。民泊に関してURA(都市再開発庁)は、「この問題は複雑で
多面的であり、慎重かつバランスのとれた判断が必要。全体のコンセンサスを
得るまでにもう少し時間がかかる。」と考えています。民泊に関して好意的な
意見もある一方で、URAに寄せられた不満の声は2013年に231件、2014年は375件、
2015年は377件と決して少なくありません。

確かに、安価で気軽に泊まることができ、現地の人々と触れ合う機会の多い民
泊は旅行者にとっては魅力があります。しかし、その一方で、さらなる法律の
整備と安全対策、近隣住民の理解が必要となります。お越しの際は、スリリン
グな民泊よりも、ホテルでシンガポールスリングをお楽しみください!

                                  (シンガポール事務所所長補佐 石井)

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【INFO】クレアレポート公開!!
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クレアレポート

439号「シンガポールの華人社会~華人会館と中国新移民社団を中心に~」

を公開しました!

439号 < https://www.clair.or.jp/j/forum/pub/docs/439.pdf >


これらの刊行物は、クレアHPの情報ライブラリーからも検索いただけます!
< https://www.clair.or.jp/j/forum/pub/search_index.html >

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【INFO】全国の観光インバウンドの取組事例を紹介!
       「クレアインバウンドライブラリー」を更新しました。
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1 琵琶湖1周は1日で走破!?
  琵琶湖サイクリングに台湾からも呼び込みたい!
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2 新潟県小千谷市に、錦鯉を目的に外国人がやってくる!?
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3 「禅」をテーマに、永平寺町が江戸時代の街並み復活を目指す!
    < http://clair-inbound.net/eiheiji/ >

他にもたくさんの事例を紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
< http://clair-inbound.net/ >

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【REPO】スタッフだより はじめまして、ジャッキーです。
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はじめまして。8月29日から企画調査課に勤めております、ジャクリン・トン
プソンと申します。出身はオーストラリアのブリスベンで、日本人の心を持っ
ているオーストラリア人とよく言われます。アクティブで趣味も多い方です。
特にランニングとヨガを楽しんでいます。

クレアに来る前は、5年間 ALT/PAとして宮崎で勤務しました。宮崎のことが好
きで離れがたかったです。九州の人でも宮崎に行ったことがない人は少なくな
いと思うので、宮崎の良いところをいくつか紹介させていただきます。宮崎の
海は綺麗で、サーファーにも大人気です。最近サーフィンはオリンピック競技
になりましたが、宮崎の日向市はサーフィン競技開催招致も出しました。残念
ながら、選ばれなかったのですが、サーフィンに興味がある方、是非行くべき
です!高千穂、青島、日南海岸、チキン南蛮、地鶏、そして日向夏もお勧めで
す。

宮崎から上京してやっぱり別世界に引っ越したと感じています。東京に来てびっ
くりしたことは電車のラッシュ時がなかなか終わらないことです。18時に電車
に乗っても21時に電車に乗っても、常に人が多いです。朝も2分ごとに電車が
走っているのに、どれに乗ってもギューギューです。世界にはこんなに人がい
るんだなぁと思いながら、毎日電車に体を詰め込みます。慣れるのにはどれぐ
らいかかるでしょう。

これから外国人目線で諸テーマについて書きたいと思っています。最初のテー
マは東京にある各自治体のアンテナショップですので、お楽しみに。

         (企画調査課プログラムコーディネーター ジャッキー)

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【編集・発行】一般財団法人自治体国際化協会(企画調査課)
〒102-0083 東京都千代田区麹町1-7 相互半蔵門ビル7F
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