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Vol.176 あなたも参加してみませんか!? 海外の寄付文化

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□■□      CLAIRメールマガジン vol.176(2017年4月14日)
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□        ~ あなたも参加してみませんか!? 海外の寄付文化 ~

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                            T O P I C S               
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【記事】年末の風物詩―韓国の「慈善鍋(チャソンネンビ)」

【記事】オーストラリアに根付く寄付文化

【記事】フランスにおける「もったいない」
    スーパーマーケットの売れ残りを寄付

【記事】シンガポールのいじめ対策

【記事】ASEAN2026!10年後のASEANはこう変わる!

【INFO】ウェルカムパーティー2017開催! ~杉並区交流協会~

【REPO】スタッフだより 「花よりだんご」  

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【記事】年末の風物詩―韓国の「慈善鍋(チャソンネンビ)」
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毎年12月に入ると、韓国内の繁華街や地下鉄など、いたるところで「チリンチ
リン」という小さな鐘の音が聞こえてきます。決してクリスマスを祝っている
わけではなく、年末年始に行われている「慈善鍋(チャソンネンビ)」という
募金活動を呼びかけるための鐘です。

音が鳴る方向を見ると、「救世軍(クセグン)」と書かれた赤い看板の下に、
これまた真っ赤な鍋の形をした募金箱が置かれています。

1928年に韓国で始まったこの募金活動は、2016年で88年目を迎えました。「救
世軍」は韓国のみならず、世界128の国と地域で活躍しているキリスト教プロテ
スタントの団体で、日本にも支部があります。日本でも同様の募金活動(日本
では「社会鍋」)が行われていますが、その規模は韓国の方が大きいと言えま
す。2016年の韓国における「慈善鍋」での寄付金額合計は約77億4千万ウォン
(日本円で約7億7千万円)でした。日本の「社会鍋」での寄付金総額が約2千万
円(2015年)であることを考えると、その差は歴然です。

日本よりも韓国で「慈善鍋」活動が盛んな要因の一つに、宗教人口が考えられ
ます。日本のプロテスタント信者数は58万人程ですが、韓国は943万人と16倍以
上の差があります。韓国の総人口は日本の約半分なので、韓国のプロテスタン
ト信者数の多さが分かります。韓国の街中を歩くと教会の多さに驚かされます
が、こうした宗教的背景も韓国で「慈善鍋」が広く浸透している要因ではない
かと思います。

カード決済や電子決済が普及している韓国の世相を反映して、最近はクレジッ
トカードやスマートフォンで寄付できる「慈善鍋」も登場し、より手軽に寄付
を行えるようになっています。寄付されたお金は、女性の自立支援や青少年の
教育支援、老人や障害者の生活支援といった慈善活動に使われます。

真冬の韓国にお越しの際は、一度体験されては如何でしょうか?

                                 (ソウル事務所所長補佐 河合)

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【記事】オーストラリアに根付く寄付文化
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オーストラリアには、欧米と同様に寄付文化が根付いています。イギリスに本
部を置くCharities Aid Foundation の2016年の調査によると、オーストラリ
アでは総人口のうち、73%が金銭的な寄付を行っており、この割合はミャンマ
ー、インドネシアに次いで世界で3番目に多いとの結果が出ています。
また、別の調査によると、2016年に個人が寄付した総額は、125億ドルであり、
10年前(101億ドル)と比較して大幅な増額となっています。

オーストラリアの金曜日は、カジュアルフライデーと呼ばれ、ジーンズにポロ
シャツで出勤する会社員が沢山いますが、様々な団体や学生が駅や路上で寄付
を集める日でもあります。この寄付の多くは、その団体等のロゴが入ったボー
ルペンやキーホルダー、ピンバッジ等を購入する形でなされます。また、小中
学校では、年に数回、私服での登校が認められる日が設けられており、その日
は子供たちが学校に、少額の寄付金を持参するという慣習もあります。

マラソンや自転車等のスポーツイベントは、そのほとんどが寄付を募ることを
目的に開催されています。参加登録の際には寄付金額を入力する欄が必ずあり、
参加料の大部分がそのまま寄付に充てられるイベントもあります。

また、中には、「モーベンバー(Movember)」のようなユニークなイベントも
あります(※)。このイベントは、毎年11月に、男性特有の病気の認知度・健
康意識を高めることを目的に開催されており、このイベント期間中、男性は口
ひげを伸ばし続け、その形や伸び具合を競い合います。その様子をSNSなどで共
有することを通して寄付を呼び掛け、多くの寄付を集めており、集まった寄付
は、前立腺がん基金等に充てられています。

その他にも、個人が寄付する場合、寄付の相手方が控除対象寄付金受領者
(Deductible gift recipient。以下では、略してDGR)である場合、寄付者は
寄付した額のうち2ドルを超える部分に相当する額を、所得税控除の申告の際に
経費として申告できます。このDGRには、NPOやNGO等の組織(17,868団体)と、
使途が限定された基金(10,826基金)の2種類があります。DGRに登録されてい
る団体・基金は非常に多く、これも個人の寄付率が高い理由の一つかもしれま
せん。

                               (シドニー事務所所長補佐 鈴木)

(※)口ひげ(Moustache)と11月(November)をかけ合わせた造語

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【記事】フランスにおける「もったいない」
    スーパーマーケットの売れ残りを寄付
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フランスにはスーパーマーケットなどの小売店が売れ残った食品を寄付する制
度があります。フランス政府は2025年までに食品廃棄量を半分にすることを目
標としており、その一環としても実施されています。

フランスでは2016年2月に食品廃棄禁止法が制定されました。この法律により規
制の対象となったのはスーパーマーケットなど、400m2以上の面積の小売店です。
規制の対象となったスーパーマーケットなどでは、まだ食べられるにも関わら
ず賞味期限切れの食品を廃棄することや、廃棄した食品が持ち去られることを
防ぐために、薬品などを使用して食べることができない状態にすることなどが
禁止されるようになりました。加えて、廃棄する食品を貧困者に配給する慈善
団体と契約を結び、小売店側が食べられる食品を選別したうえで、慈善団体に
寄付し、配給することが義務付けられました。この法律には罰則規定も設けら
れており、違反した場合、3,750ユーロ(約46万円)の罰金が科されます。

法律の制定から1年間が経過し、その成果として、廃棄する食品を貧困者に配給
する5,000の慈善団体が新たに創設され、貧困者に1,000万食以上の食事が配給
されました(※)。 

しかしながら、フランスでは規制の対象とならない400m2未満の小売店も多く存
在しています。これらの小売店にもこの制度を適用するには、人件費等の負担
が大きくなるなどの課題が想定されますが、今後この制度がどのように展開さ
れ、どのような成果をあげるのか注目です。

                                  (パリ事務所所長補佐 杉浦)

(※) http://www.lefigaro.fr/vox/societe/2017/03/10/31003-20170310ARTFIG00130-pour-une-refondation-du-systeme-agroalimentaire-francais.php

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【記事】シンガポールのいじめ対策
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文部科学省が実施した、「平成26年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の
諸問題に関する調査」における「いじめ」に関する調査結果」によると、小・
中・高等学校及び特別支援学校におけるいじめの認知件数は188,057件と前年
度より2,254件も増加しています。日本では、いじめは大きな社会問題のひと
つですが、ASEANでも同様です。そのため、今回はシンガポールのいじめ対策
についてご紹介します。

シンガポールではネットいじめが増えており、2012年のMicrosoft社による調
査によると、シンガポールでは、被害者になった経験のある人が中国に次い
で2番目に高い割合となっています。また、Touch Cyber Wellnessが3,000人の
中学生と1,900人の小学生を対象に調査を行ったところ、中学生の4人に1人は
ネットいじめをし、中学生の3人に1人、小学生の5人に1人はネットいじめに遭
ったことがあるとの結果が出ました。

このような状況を受けて、シンガポール政府では、ネットいじめへの対策を講
じています。教育省(Ministry of Education)では、10~14歳の子どもを持
つ親向けに、ゲーム形式で選択式の質問に答えるアプリを提供しています。こ
のアプリを使って親子で一緒にゲーム感覚で質問に答えていくことで、ネット
上のルールについて会話する機会を増やし、親が子どもの考えを知ったり、子
どもに対しネット上のルールについて教えたりする機会になっています。

また、シンガポールでは「いじめは犯罪とみなす」という強い姿勢も見せてい
ます。2014年には現実生活のみでなくネット上でのいじめや嫌がらせも取り締
まるハラスメント防止法(Protection from Harassment Act)が施行され、違
反者には5,000シンガポールドル(約40万円)以下の罰金か禁固刑または両方
が科せられることとなりました。

急速に発達したネット社会の中で、日本もシンガポールも抱える問題は同じで
あり、いじめへの対策は相互に学び合えるところがあるのではないでしょうか。

                (シンガポール事務所所長補佐 弓指)

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【記事】ASEAN2026!10年後のASEANはこう変わる!
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「やはり暑いな。」
2026年×月、マレーシアの首都クアラルンプール在住の日本人駐在員・加藤は
終業後、今年開業したばかりの高速鉄道を利用し、僅か90分でシンガポールに
到着した。ジュロンイースト駅から中心部へは大衆化した自動運転タクシーで
向かう。早速ロングバーに行き、シンガポールスリングを飲みつつ、ベトナム
で働く松田と合流した。

松田によると、ベトナムの小学校で日本語が第一外国語となって10年が経った
影響からか、日本の自治体で働く国際交流員(CIR)などベトナム人高度人材の
採用が増加しているという。バーのVR(バーチャルリアリティー)TVでは、2026
年サッカーW杯にASEAN諸国として初出場となったタイがブラジルと対戦してい
る。今大会から本大会出場国が48ヶ国になったことによるものだ。

日本では10年前から進められる「働き方改革」がすっかり定着、ICTの発達も
あり、リモートワークが一般化した。シェアリングエコノミーで住居を確保し、
ASEAN諸国に滞在、現地から日本の業務に従事するスタイルも珍しくない。日
本からの距離が近く、LCC路線が多いフィリピンは麻薬対策の成果があがり治
安が安定し、世界遺産の教会を擁するビガン歴史都市など観光分野で新たな一
面を見せ始めている。一方、2億8千万の人口を抱えるインドネシアでは中間層
が増加し、訪日旅行客が急増。ハラールメニューなどムスリム対応をいち早く
整備した日本は1番人気の訪問先だ。バリ島で結婚式を挙げた小暮にとって東京
で見かけるインドネシア人には感慨深いものがあるようだ。

翌日2人は今や「ラオス・プラスワン」と呼ばれ、経済成長著しいミャンマー
の旅行フェアへ行き、以前の同僚である梅澤と10年振りに再会した。「今の竪
琴を持った仏僧は佐々木に似ていたね。」などと昔話に花を咲かせながら。

※ 2026年のASEANを予想したフィクションであり、登場者も架空の人物です。
事実の正誤につきましては、10年後に御自身でお確かめください。

               (シンガポール事務所所長補佐 佐々木)

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【INFO】ウェルカムパーティー2017開催! ~杉並区交流協会~
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外国人の皆さんと区内に住む日本人の皆さんで、防災時に知っておくと便利な
消火訓練・体験を行います。さらに防火米(アルファー米)を使った昼食づくり
やレクレーションも行います。
参加者みんなで交流を深め、楽しい時間を過ごしましょう!

【日 時】2017年5月20日(土)10:30~15:00(受付10:00~)
【場 所】杉並区立杉並第一小学校 (杉並区阿佐谷北1-5-27) 
     JR中央・総武線 阿佐ヶ谷駅 下車徒歩5分
【参加費】100円(保険料)

申し込み方法・問い合わせ先等、詳しくはこちら
< http://suginami-kouryu.org/contents/code/ev2?re=1491281236 >

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【REPO】スタッフだより 「花よりだんご」
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こんにちは。企画調査課の大沢です。

新年度になり、メールマガジン担当者も新しいメンバーとなりました。
今年度は、中間・小久保・大沢がお届けします。

さて、春といえばお花見!ということで、先日企画調査課のみんなでお昼休み
に半蔵門近くの桜を見に行きました!

桜も満開で、とても綺麗だったのですが、みんなの話の話題は...お弁当。
着任早々の私たちは、仕事もさることながら、お弁当屋さん選びも毎日試行錯
誤中です。ちなみに企画調査課のいちおしは、ボリューム満点の中華弁当のお
店でした!(4月中旬現在)

こんな食い気の勝るメンバーで1年間、皆さまに楽しい情報をお届けしていきた
いと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

                         (企画調査課 大沢)

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【編集・発行】一般財団法人自治体国際化協会(企画調査課)
〒102-0083 東京都千代田区麹町1-7 相互半蔵門ビル7F
HP < https://www.clair.or.jp/ > TEL:03-5213-1722 FAX:03-5213-1741

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