CLAIR(クレア)一般財団法人自治体国際化協会

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vol.194 世界のマナー

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□■□      CLAIRメールマガジン vol.194(2017年11月17日)
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□             ~ 世界のマナー ~

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                            T O P I C S               
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【記事】お土産選びって難しい!?

【記事】ニュージーランドの挨拶

【記事】フランスにおける「医療砂漠」対策

【記事】シンガポールの里親制度の取り組み

【REPO】クレアレポート『シンガポールにおける地域づくりについて
       ~地域における行政サービスとコミュニティの形成~』のご紹介

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【記事】お土産選びって難しい!?
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経済発展著しい東南アジアへは、訪日プロモーションなどで多くの自治体関係
者の方が来られています。その際、文化・宗教の違いからどのようなお土産を
もっていけばよいのか迷われることもあるのではないでしょうか。今回は、東
南アジアに出張される際のお土産で避けたほうがよいものを紹介したいと思い
ます。

まずは、「イスラム教」の方へのお土産についてです。東南アジアではインド
ネシアでは人口の約9割、マレーシアで約6割と、中東よりも多くのムスリムの
方々がいらっしゃいます。お土産としては豚肉を加工した製品や、日本酒など
のお酒はもちろん、原材料に豚由来のものやお酒が使われているものにも気を
付けなくてはいけません。
例えば、クッキーなどにも豚の脂・ラードが使われている製品が多いですし、
醤油やみりんにもアルコールが含まれていますので、それらを使用した煎餅や
おかきにも注意が必要です。
食べ物がダメなら、モノにしよう!と考えるかもしれませんが、イスラム教で
は偶像崇拝がタブーですので、人形や人物・動物の顔が描かれた物も避ける必
要があります。

次に中華系の方へのお土産ですが、時計や傘、扇子は、中国語での発音が別れ
る、離れるといった言葉の発音と似ているため、贈り物にはふさわしくないと
されています。
その他にも、中国では白、藍色、黒が不吉な色とされており、これらの色の包
み紙は避けた方がよいなど、色に関する注意も必要です。

お土産の基本は、相手に喜んでもらうものを選び、渡すことであり、それは世
界共通だと思います。自信をもって素敵なお土産を渡し、地元を売り込むため
にも、相手の文化や宗教を学ぶことが大切です。 


                                   (シンガポール事務所所長補佐 藤田)

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【記事】ニュージーランドの挨拶
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挨拶する際に握手を交わす光景は日本でもよく目にしますが、軽いキスを交わ
す文化を持つ国もあります。
先日ニュージーランドのある会議に出席した時のことですが、開会式のステー
ジ上で、主催者と来賓者がお互いの鼻と額を合わせて挨拶を交わしていました。
これは「Hongi」(ホンギ)という、ニュージーランドの先住民族であるマオリ
の伝統的な挨拶で、性別に関係なく、マオリ以外の人とも交わすものです。私
は体験する機会はなかったのですが、日本人には馴染みのない挨拶なので、求
められたら緊張しそうです。

また、ニュージーランドには、英語、マオリ語そしてニュージーランド手話の
3つの公用語があり、会議での挨拶は主にマオリ語で行われていました。
来賓が登壇し挨拶を始めた時に全く意味を理解できず焦っていましたが、3人目
の登壇者が「*****. Ladies and gentlemen・・・」と英語で挨拶をされ、よう
やく理解することができました。

会議の出席者によると、こうした式典では、挨拶の冒頭に「Tena Koutou Tena 
Koutou Tena Koutou Katoa」(皆さん、こんにちは)とマオリ語で挨拶するの
が一般的であるとのことでした。「Kia ora」(こんにちは)という挨拶もあり
ますが、こちらはややカジュアルな言い回しなので、公の場では前者が使用さ
れています。「Tena Koutou」は、対象が一人の場合「Tena Koe」、二人の場合
「Tena Korua」、三人以上の場合に「Tena Koutou」となります。ニュージーラ
ンドには、これらを覚えるための歌があり、子供の時に口ずさむことで自然と
覚えたとのことでした。
日本にも、「あいうえお」や「ドレミの歌」などの童謡があり、幼い頃に口ず
さむことによって、無意識に言葉を覚えたことを思い出しました。

海外の方とコミュニケーションをとる際、親しみを込めて、相手の文化や言語
で挨拶することにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
(参考URL) https://www.youtube.com/watch?v=4Yyoztp-zWc 

                                      (シドニー事務所所長補佐 藤島)

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【記事】フランスにおける「医療砂漠」対策
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フランスにおいても、日本同様、医師不足が深刻な状況にあり、政府は2009年
から、医師や医療施設が不足している「医療砂漠」の地域に対し、若手医師の
派遣制度を導入しました。これは、学生が在学中に奨学金を受給する代わりに
国家試験合格後に過疎地域で2年以上医療に従事するというものです。また、
2010年に複数分野の開業医等で構成される共同診療所「医療の家」を過疎地域
へ導入し、医療砂漠対策の中心に据えました。加えて2011年には遠隔医療の試
験運用の開始等の対策を講じています。

このような施策にも関わらず、未だ医師数には地域間格差があります。2017年
1月1日時点で、人口10万人あたりの医師数の全国平均は330.7人でした。これ
に対しフランス本土で、医師数が最も多かったのは南部のプロヴァンス=アル
プ=コート・ダジュール州で353.2人、最も少なかったのは中央部に位置する
サントル=ヴァル・ド・ロワール州で278.5人であり、その差は1.27倍です。
また、「医療の家」も需要に対して供給が追いついていない状況です。

こうした医療砂漠の解消に向けて、2017年10月13日にフィリップ首相とビュザ
ン保健相が医療砂漠対策に関する新たな計画を発表しました。主な内容は、
以下の4点です。
(1)「医療の家」を5年間で4億ユーロをかけて、現在の910箇所から倍にする。
(2)2018年3月までに遠隔医療の診察料について健保公庫と医師組合の間で合意
成立を目指す。また、2020年までにすべての高齢者施設に遠隔医療用の設備を
配備する。
(3)病院勤務の専門医が期間限定で医療砂漠地区において診察活動を行う制度
を導入する。
(4)病院勤務の研修医が医療砂漠地区で一定の職務をこなすことができる契約
制度を導入する。

踏み込んだ内容に欠けるとの厳しい評価もありますが、長期間かけて取り組ん
できた問題だけに今後の展開に期待したいと思います。

                                          (パリ事務所所長補佐 山本)

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【記事】シンガポールの里親制度の取り組み
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親との死別や虐待、経済的困難といった理由により、自分が生まれた家庭で暮
らすことができない18歳未満の子どもがシンガポールには約1,100人います。
その内、別の家族、いわゆる里親によって育てられている子どもは約430人です
。里親は養子縁組とは違い一時的なものですが、シンガポール政府は、家庭の
中で育てられることが最も大切であると考え、里親家庭を増やす取り組みを行
っています。

シンガポールの里親制度の歴史は、1956年に孤児となった20人の赤ちゃんを政
府の施設で育てたことに始まります。その後試験的に里親事業が始められ、少
しずつ里親と暮らす子どもを増やしてきました。

2014年には、政府が800万シンガポールドル(約7億円)を里親斡旋団体の拡大
に投資し、2020年までに里親と暮らす子どもを600人にまで増やすことを目標
に定めました。また、これまで政府が単独で行ってきた里親事業について、3
つの社会福祉団体を里親斡旋団体として指定し、子どもに適切な里親家族を提
供できるよう協力して取り組んでいます。里親斡旋団体は里親へのアドバイス
をしたり、相談や講習の機会を設けたりして、子どもたちが里親の家庭にスム
ーズに受け入れられるよう支援しています。政府はその他にも、実際に里親の
話を聞くことのできるイベントを開催し、国民の里親制度に対する理解を深め、
子どもの受け入れを促進しています。

2016年には、シンガポールの里親制度60周年を記念した冊子が発刊されました。
ウェブ上でも公開されている「Room at the Table」と題されたこの記念誌は、
シンガポールの60年間の里親政策の歴史、政府機関や関連団体担当者のコラム
や里親家族が紹介されています。里親家族を紹介したページには、それぞれの
家族の物語や談話とともに、家族お気に入りの料理とレシピが掲載されており、
シンガポールを象徴する多種多様な料理はとてもおいしそうで、温かい家族の
食卓を感じることができます。

これらの努力により、2016年には、里親の元で育てられている子どもは2013年
と比べ40%増加しましたが、特別支援を要する子ども、年長の子ども、また兄
弟を受け入れることができる里親が少ないことが、現在の重点課題となってい
ます。
しかし、このように子どもの成長にふさわしい家庭環境づくりを支援する政府
の積極的な取り組みは、家族を大切にするシンガポールならではと言えるでし
ょう。

                                  (シンガポール事務所所長補佐 川俣)

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【REPO】クレアレポート『シンガポールにおける地域づくりについて
       ~地域における行政サービスとコミュニティの形成~』のご紹介
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今回紹介するクレアレポートは、
2017年5月30日に発行した『シンガポールにおける地域づくりについて ~地
域における行政サービスとコミュニティの形成~』です。

シンガポールの国土面積は約719km2と東京23区と同程度の小さな島国であり、
日本のような地方自治制度は存在しません。このため住民に対する行政サービ
スは中央政府である各省庁とその傘下となる法定機関が直接実施しています。

本レポートでは、シンガポールにおいて行政がどのように住民サービスを提供
し、住民の満足度を満たしているか、住民がどのように地域づくりに参画し、
活動しているのか等について考察しています。

日本での住民主体による地域づくりの一つのヒントとして、本レポートをご活
用ください。

本レポートは以下URLよりご覧いただくことができます。
< https://www.clair.or.jp/j/forum/pub/docs/446.pdf >

このほかにも、多くのクレアレポートをクレアホームページに掲載しておりま
すので、ぜひご覧ください。
< https://goo.gl/2557xh >

                            (企画調査課)

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【編集・発行】一般財団法人自治体国際化協会(企画調査課)
〒102-0083 東京都千代田区麹町1-7 相互半蔵門ビル7F
HP < https://www.clair.or.jp/ > TEL:03-5213-1722 FAX:03-5213-1741

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