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vol.206 『シンガポールのICT教育事情』他

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□■□      CLAIRメールマガジン vol.206(2018年6月8日)
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□            ~ 『シンガポールのICT教育事情』他 ~

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                            T O P I C S               
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【シンガポール事務所】シンガポールのICT教育事情

【ニューヨーク事務所】米国最大のサイクルイベント、
                              世界60カ国超から自転車愛好家が参加

【ロンドン事務所】1£ハウス ~リバプール市のパイロット事業~

【パリ事務所】世界で初めて「オフラインになる権利」を導入

【シンガポール事務所】世界的問題の解決に取り組む日本の中小企業 
                                     ~インドネシアの森林火災~

【ソウル事務所】韓国喫緊の課題「雇用問題」に挑む注目施策の今

【INFO】日韓交流おまつり2018 in Seoul自治体ブース募集中!

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【シンガポール事務所】シンガポールのICT教育事情
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現代社会において情報活用能力を身につけることは大変重要なことです。
これらの能力を身に付けるため、子どもの教育分野においてもICT(情報通信技術)
を活用した取り組みが世界各国で行われています。

世界有数の教育先進国であるシンガポールにおいても同様で、1997年に「ICT教
育マスタープラン」が作成されたのち、2003年、2009年、2015年に計画の見直し
が行われ段階的にICT教育の推進が図られています。
 
シンガポールの特徴ある取り組みのひとつとして、「フューチャースクール」
制度が挙げられます。この制度は、各学校が「ICTを活用した教育方法」につい
て提案を行い、提案が採用された学校を「フューチャースクール」として認定
してシンガポール教育省がICTの環境整備に係る経費を支援するプログラムです。
認定された学校では、1人1台のタブレット型パソコンが支給されるなど、最先
端の環境の中で授業を受けることができ、パソコン等への適用性の向上や学習
に対して意欲的に取り組む姿勢が多くみられるといった効果も認められています。

一方、パソコン等を自由に使えるということで、不正アクセスや有害サイトを通
じたトラブルに巻き込まれるケースや急速に発展したICT教育に教師が対応でき
ないといったケースも発生しています。これらの課題についても、インターネット
へのアクセス制限やセキュリティソフトの導入、教師を対象とした講習会の実施
など様々な対応策が実施されています。

日本においても、パソコン等の環境整備の充実とともに、小学校においてプログ
ラミング教育が必修化されるなど新たな取り組みが進められており、その成果が
期待されます。

                   シンガポール事務所 所長補佐 古谷


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【ニューヨーク事務所】米国最大のサイクルイベント、
                              世界60カ国超から自転車愛好家が参加
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日本では近年、インバウンド・サイクルツーリズムが注目を集めていますが、
米国には国内外から約3万2千人もの参加者が集まるサイクリングイベント
「TD Five Boro Bike Tour」があります。米国最大規模を誇る同イベントは、
ニューヨーク市内の5つの区(Five Boroughs(※))全てを通る40マイルの
コースを走行するもので、今年は41回目の開催となりました。イベント中は、
コースとなる道路や橋は完全通行止めとなり、参加者は自動車を気にすること
なくサイクリングを楽しむことができます。一般参加料は105ドルで、そのう
ちの23.40ドルは課税控除対象の慈善寄付となっています。主催者の非営利団体
BIKE NEW YORKは、イベントで得た収益を自らが無料で実施している自転車の教
育プログラムの資金に充てています。

イベント前の2日間は、米国東海岸最大の自転車博覧会「BIKE EXPO NEW YORK」
も付随して開催されます。こちらは誰でも無料で入場することができ、来場者数
は6万人にも上ります。会場では100を超える出展者が自転車の展示や自転車用
品サンプルの無料配布などを行います。今年の博覧会では、愛媛県が単独でブー
スを出展し、10月開催の「瀬戸内しまなみ海道・国際サイクリング大会『サイク
リングしまなみ2018』」をPRしました。愛媛県の職員は来場者へパンフレットを
手渡して大会の見所やコースを説明したり、紹介動画を放映したりして、大会へ
のエントリーを積極的に勧めていました。

瀬戸内しまなみ海道・国際サイクリング大会『サイクリングしまなみ2018』
http://cycling-shimanami.jp/

(※)マンハッタン、ブロンクス、ブルックリン、クイーンズ、スタテン・アイランド


                                     ニューヨーク事務所 所長補佐 望月 


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【ロンドン事務所】1£ハウス ~リバプール市のパイロット事業~
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多くの日本の地方自治体が直面する空き家問題は、英国においてもしばしば問
題となっています。2012年にリバプール市長に就任したJoe Anderson氏も、就
任当初から市の空き家問題への取り組みを優先課題としていました。当初、リ
バプール市は市内の空き家を買い取り、それらを取り壊した後に新しい住宅を
建設する予定でしたが、それに充てるはずの国からの補助金が減額されたため、
計画を進められなくなりました。
 
そこでリバプール市が打ち出した「1£ house」というパイロット事業が英国で
今話題となっています。この計画によると、市の所有する空き家を条件付きで
はありますが、1£(約150円)で提供します。応募にあたっては、1.市内在住・
在勤、2.初めての不動産購入であること、3.入居後5年間は賃貸や売買を禁ず
ること、4.空き家を1年間で居住可能な状態に改築(完成までの所有権は市が
保有)といった条件が付与されましたが、20件の空き家に対し、2,500人から
の応募がありました。
 
しかし、条件の1つである改築は一筋縄ではなかったようで、居住希望者の悪
戦苦闘ぶりをChannel4がドキュメンタリー番組として放映し、大きな反響を呼
びました。空き家というより廃墟と呼ぶ方がふさわしい物件を1年以内に改築
することは並大抵ではありません。
 
一度人が住まなくなった住宅街は治安が悪化するため、市はコミュニティの再
生を目指し、このパイロット事業に取り組んでいます。1£ House事業により再
び居住できるようになった家屋は市内にある6,000件の空き家のうちのまだ2%
にすぎませんが、リバプール市は今後1,000件の空き家を再び居住可能にするこ
とを目指しています。

(参考)
 http://www.dailymail.co.uk/news/article-5347623/Families-bought-homes-1-transformation.html


                                      ロンドン事務所 所長補佐 山口


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【パリ事務所】世界で初めて「オフラインになる権利」を導入
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日本では「働き方改革」に国を挙げて取り組んでいますが、フランスでは世界
で初めて2016年7月に「オフラインになる権利(droit a la deconnexion)」を
導入する法改正が行われ、2017年1月1日に施行されました。この改正は、デジ
タルツールの普及で仕事と私生活の境界線があいまいになることによる過労や
ストレスを軽減し、休日や休暇、私生活や家族との時間を確保することで生活
の質を向上することを目的とした画期的な取り組みです。オランド前大統領に
よる「働き方改革」の一環として、労働法に組み込まれました。

この「仕事と私生活の境界線」の問題は健康問題にも直結しており、フランス
の調査会社の調査結果(※)によると賃金労働者の51%がデジタルツールを自
由に使えることがストレス要因となっているという結果も出ています。この改
正には罰則はありませんが、従業員50人以上の企業を対象に取り組みが義務付
けられており、具体的な定義や運用は各社の労使協議を通じた判断に委ねられ
ています。

報道によると2018年4月現在、4分の3に当たる企業が、この「オフラインになる
権利」に対する具体的な対策をまだ実施していないようです。一定時間以降の
ビジネスメールの携帯への転送をやめる、週末のメール受信を排除するなどの
例があります。全ての企業やビジネスシーンにおいて一般化されるまでにはま
だ道のりは遠いようです。一つの例を挙げますと、確かに私もフランスで勤務
をしていると日本との時差や就業日の違いに直面し、どうしても時間外や休日
に対応せざるを得ないことがあります。

まだ途上にはあるとはいえ、労働者にとって恩恵の多いこの改正からは、勤務
時間外に働くことに対して、フランス人が問題意識を抱き、生活の質を重視す
ることの証左であるように感じます。今まさに働き方改革について議論が繰り
広げられている日本にとって、一つの参考事例となるのではないでしょうか。

                 
(※) http://www.ifop.com/media/poll/3825-1-study_file.pdf

                                    
                                            パリ事務所 所長補佐 西川


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【シンガポール事務所】世界的問題の解決に取り組む日本の中小企業
                                           ~インドネシアの森林火災~
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シンガポールを散策していると長い幹に羽のような葉が放射状についているヤ
シの木を目にします。一見するとどれも同じように見えますが、実は様々な種
類があるようです。身近なものとしては、ココナッツミルクやナタ・デ・ココ
で知られるココヤシ、ドライフルーツなどで食べるナツメヤシ、そして、パー
ム油として利用されているアブラヤシがあります。パーム油は、カレールーや
レトルト食品のほか、チョコレートなど多くの食品に含まれていますが、日本
では植物性油脂として表示されることもあり、知らないうちに摂取している食
品のひとつです。また、現在世界で最も多く消費されている植物油脂で、食用
のほか化粧品など多用途に使用できるうえ、収量率が高く効率的であることか
ら急速に需要が拡大しています。特にインドネシアとマレーシアでは農園の拡
大が著しく、これら2か国でパーム油の総生産量の約85%を占めています。

インドネシアではパーム油のプランテーションを開発するために行われる野焼
きが原因で大規模な森林火災が発生しています。この森林火災により発生した
煙が風に乗ってシンガポールにも広まり、辺りに濃い霧がかかったように視界
が悪くなり、時には焦げたような臭いがします。この煙は、人体にも悪影響を
及ばす危険性があり、シンガポール政府は国家環境局のホームページやアプリ
で地域ごとの大気汚染指数やPM2.5の濃度について情報を提供しているほか、
数値に応じた対応の目安を示しています。

インドネシア政府は森林火災の防止に取り組んでいますが、火災の被害を減少
させるには予防だけではなく火災発生後の消火活動も重要です。日本の北九州
市内の企業では独立行政法人国際協力機構(JICA)と連携して、インドネ
シアで泡消火剤を研究・開発し、既に商品として販売をしています。また、鳥
取県米子市の中小企業もJICAと協力してゲル状消火剤を活用した消火シス
テムの開発、導入に向けて取り組んでいます。日本の地方の中小企業が、イン
ドネシアの環境問題のような世界的な問題の解決に向けて積極的にビジネス展
開をすることが期待されます。

                                  シンガポール事務所 所長補佐 佐々木


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【ソウル事務所】韓国喫緊の課題「雇用問題」に挑む注目施策の今
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若年層の失業率や雇用格差など雇用問題が喫緊の課題である韓国では、雇用の
保障を第一公約に掲げた文在寅政権が2017年5月に誕生しました。同年10月に
は、今後5年で取り組む雇用分野に係る推進課題「雇用5年ロードマップ」を
大統領直属の雇用委員会で議決し、「公共部門を中心とした雇用創出」、「非
正規職ゼロ化」、「労働時間の短縮」、「最低賃金の引上げ」など具体的施策
を続々と実施しています。

中でも2018年に最低賃金(時給)を前年(6,470W)比16.4%増となる7,530W(約750円)
に引上げたことは、大きな注目を集めています。これは、雇用の質の保持や格
差是正を目指し掲げた公約、「2020年までに最低賃金1万ウォンに引上げ」に基
いた目玉施策です。使用者側よりも労働者側に大きく寄り添った施策であるこ
とや、2015年798円、2016年823円、2017年848円と近年約3%で推移する日本の
最低賃金目安と比較して、極めて高い増加率及び速いペースでの引上げである
ことなどが特徴的です。

引上げから日が浅く現在もその動向に注目が寄せられますが、「人件費削減の
ため解雇・雇止めが進んでいる」、「商品価格への転嫁や廃業が増えている」、
「休憩時間に働かせたり賞与金を削減し基本給に転嫁したりするケースが起こ
っている」など批判的な声を聞くことが多いのが現状です。報道によれば卸・小売業、
飲食及び宿泊業に関して、2018年2-3月の就業者数が前年同月比で26万1千
人減、2018年3月の失業率は4.5%(前年同月4.1%)に達し3月基準で17年ぶ
りの最高水準を記録するなど、最低賃金引上げの影響が大きいと懸念されてい
ます。

当事務所の韓国人調査員も「いつでもどこでも無料ペダル(配達)が一般的だ
った業界トップのチキン店が、最低賃金上昇のあおりを受けて配達サービスを
有料化してしまった」、「ファーストフードや映画料金の料金が最近上がった」、
「コンビニやファーストフードの営業時間短縮や無人機械の導入が進んでいる」
など身近に影響を感じるといいます。 

現状では苦境を強いられていますが、スピード感と強いリーダーシップをもっ
て公約を実現している文政権が、雇用政策においても当初思い描いた道筋を描
けるか今後の動向に目が離せません。


                                          ソウル事務所 所長補佐 盛山

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【INFO】日韓交流おまつり2018 in Seoul自治体ブース募集中!
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クレアソウル事務所では、「日韓交流おまつり2018 in Seoul」の自治体ブース
を募集しています。
日韓交流おまつりは、来場者約6万人の日韓最大の草の根交流行事であり、文化
芸術団体による舞台公演や自治体・企業の出展ブースをはじめ、食文化や伝統衣
装の体験ブースを通して両国の活発な交流が行われており、今年は下記日程で開
催されます。

韓国で地域の魅力をPRできる絶好の機会ですので、関心がある自治体は是非ブ
ース出展について応募ください!

■開催日時:平成30年9月9日(日) 午前10時~午後7時30分
■会  場:COEX展示場Dホール(ソウル特別市江南区)
■主  催:日韓交流おまつり in Seoul実行委員会
■出展費用:A型ブース(3m×3m×2.4m) 800,000ウォン/1個
      B型ブース(3m×6m×2.4m) 1,300,000ウォン/1個
      ※VAT別途
■申込方法:ソウル事務所ホームページから申請書をダウンロードいただき、
必要事項を記入の上、クレアソウル事務所宛にメール送付ください。

<ソウル事務所ホームページ>
http://clair.or.kr/omatsuri2018.asp 

■申込期限:平成30年6月22日(金)

<日韓交流おまつり公式ホームページ> 
http://omatsuri.kr/?lang=jp 

<お問い合わせ先>
一般財団法人自治体国際化協会 ソウル事務所(担当:大沢)
TEL:+82-2-733-5681 FAX:+82-2-732-8873
E-mail:info@clair.or.kr

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【編集・発行】一般財団法人自治体国際化協会(企画調査課)
〒102-0083 東京都千代田区麹町1-7 相互半蔵門ビル7F
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