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vol.233「フランスとラグビー~RWC2019日本大会開催に向けて~」

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□■□      CLAIRメールマガジン vol.233(2019年8月9日)
■□   「フランスとラグビー~RWC2019日本大会開催に向けて~」
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               T O P I C S               
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【パリ事務所】フランスとラグビー~RWC2019日本大会開催に向けて~

【ニューヨーク事務所】ニューヨークにおける"そば"のトレンドを追う

【シドニー事務所】先住民族・アボリジニの知恵を活かした環境管理

【ロンドン事務所】ロンドンの大気汚染対策

【シンガポール事務所】シンガポールの地域の拠点「コミュニティクラブ」

【INFO】ラグビーW杯観戦客をターゲットに"祭り"を国内外に発信『祭りアイランド九州』

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【パリ事務所】フランスとラグビー~RWC2019日本大会開催に向けて~
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いよいよ9月20日からラグビーワールドカップ(RWC)2019日本大会が全国12都
市で開催、訪日客は40万人にも達する可能性があるそうです。中でもパリ事務
所があるフランスは、ラグビーファン人口が2,170万人と世界で最も多く、うち
570万人は熱狂的なファンと言われています。また、2011年NZ大会では、外国人
入国者の約9%がフランス人だったそうです。
 
パリ事務所では、6月から7月にかけ、パリ、オルレアン、トゥールーズなど
フランス各地でRWC開催を契機とした日本の地方自治体のPRを行いましたが、
日本に観戦に行くという声は実に多く、次回RWC2023がフランス開催ということ
もあり、RWCへの関心の高まりを実感しました。
 
では、観戦に来たフランス人に日本を十分に堪能してもらうには、何が必要で
しょうか。観戦目的の訪日客は、日本に関心があるというより、RWCがあるから
日本に行くという方が非常に多く、日本の文化や習慣にはさほど明るくないこ
とが予想されます。
 
そこで、受入れにあたっては、訪日客が普段どのようにラグビーを楽しんでい
るかにも留意する必要があります。例えばフランスでは、ビールをたくさん飲
みながら観戦し、試合後も街で夜遅くまで飲んで楽しむ方が多く、バーなどは
深夜まで営業することも普通です。パリ事務所が出展した、ラグビーの聖地ト
ゥールーズ近郊に1,000人超のアマチュアラグビーファンが集結したイベント
「Rugby No Limit」で、参加者は、気温40度の中、大量のビールを飲みながら
タッチラグビーやプールなどを一日中楽しみ、深夜までコンサートや仮装パー
ティーで盛り上がっていました。
 
このようなラグビーファンがビールだけでなく地酒や地元の食等で心置きなく
観戦できる環境を街中でも整えることで、訪日目的である「観戦」を存分に楽
しめます。それに伴い観戦以外の「観光」もより楽しんでもらえれば、旅行全
体の満足度も高まります。結果として、RWCの思い出とともに日本のファンの
1人となり、さらなる訪日につながるのではないでしょうか。

★詳細はこちら↓
https://www.clairparis.org/ja/clair-paris-blog-jp/blog-2019-jp/1307-2019

★SNS等でもぜひ#RWC2019を検索してみてください。

                       パリ事務所所長補佐 土山


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【ニューヨーク事務所】ニューヨークにおける"そば"のトレンドを追う
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"そば"というと、日本では伝統的な日本食としての蕎麦(以下、Soba Noodle)
をイメージしますが、米国では野菜と一緒にサラダにしたり、ガレットやクレー
プにしたりといった幅広い食べ方で楽しまれています。そこで、ニューヨークで
のSoba Noodle進出の可能性がどの程度あるのか、外食・小売り・イベントの3
つの視点から現場を覗いてみました。

ミシュランガイドニューヨーク版(2018年)の特集記事"今知るべき4種の
Asian Noodles"の中では、トップに日本のSoba Noodleが取り上げられています。
掲載されている542件のレストランのうち74件が日本食、4件がSoba Noodleを提
供しており 、店舗数はまだ少ないもののSoba Noodleが注目されつつあることが
うかがえます。また、乾麺であれば日本食品専門店に行かずとも、米国系高級ス
ーパーマーケットにおいて約250gを$4程度で手に入れることができます。

2019年4月にはニューヨークマンハッタンにて「Making Soba」というそば打ち
のデモンストレーションや食べ比べをするイベントが開催され、定員260名が満
席に!カジュアルな服装の若者からスーツの男性、年配の方まで来場者層は幅広
く、ニューヨーカーの関心の高さを実感しました。

米国での穀物としてのそばの認知度と比較するとSoba Noodleの存在感はまだ弱
いように見える一方で、有名レストランガイド、イベントでの集客の様子を見る
とSoba Noodle の"伸び"が期待できます。

健康への意識が高いニューヨーカーに受け入れられるために、新たな食べ方の紹
介とともに、"グルテンフリー"や"オーガニック"というキーワードを使った
ブランディングをすることで、ラーメンとは異なる市場を狙える可能性を秘めて
いるのではないかと考えられます。


                  ニューヨーク事務所 所長補佐 藤原


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【シドニー事務所】先住民族・アボリジニの知恵を活かした環境管理
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世界の他の国々と同様、オーストラリアも今後さらに気候変動の影響を受けて
いくと考えられる中で、新たな環境管理方法を真剣に考えるべきだという認識
が社会に広がっています。今回は、そのような状況下で、オーストラリアで実
施されている興味深い環境管理の取り組みについてご紹介します。

オーストラリアでは、農業が主要産業の一つであり、国土の61%は農畜産業に
利用されています。同時に、国土の70%が乾燥地帯であるため、農家や環境管
理者にとって干ばつは大問題となっています。
長期的な干ばつによる深刻な水不足により、水の使用が制限され、違反者には
高い罰金が課されます。水はあらゆる人にとって命を支える重要な資源ですが、
先住民族・アボリジニのコミュニティにとっては伝統文化との関係においても
大切な要素となっています。なぜなら、アボリジニは6万年以上も昔から、環
境負荷の小さい持続可能な生活を送り、野焼き、治水のための貯水池やかんが
い設備の設置、種苗の保存や植物の栽培など、環境再生に適した戦略的管理方
法を展開してきたからです。そして、乾燥地の多いこの土地の環境に適応した
伝統文化を構築し、その知恵を、神話を通じて継承してきたのです。

しかし、欧州人の入植とともに、乾燥地に適さない動植物や耕作の手段が持ち
込まれ、土壌浸食、塩害、森林の生物多様性の喪失が進みました。欧州人によ
って持ち込まれた動植物の育成には大量の水を要し、それが干ばつ悪化を招き、
干ばつに弱い在来種が滅びる恐れもあるのです。 

現在、多くの州政府や地方自治体でアボリジニの環境管理専門家を雇用し、そ
の伝統的英知と技術を環境管理に活かしています。たとえば南オーストラリア
州では、州政府の補助及び現地のアボリジニコミュニティの協力で実施された
Coorong, Lower Lakes and Murray Mouth Vegetation Program(※1)を通じ、
5千万以上にも及ぶ土着の植物が植えられ、干ばつから回復しました。気候変
動は地球規模の問題です。オーストラリアだけでなく、様々な国で先住民族の
知恵を活かしたプロジェクトが実施されれば、今後の環境管理への大きな貢献
となると思われます。

                  シドニー事務所 調査員 ラバティー

(※1)プログラムは2016年6月に終了しましたが、その後も州政府とコミュ
ニティの協働による環境管理の取り組みが続けられています。プログラムの詳
細は下記をご参照ください。
https://www.environment.sa.gov.au/managing-natural-resources/river-murray/improving-river-health/coorong-lower-lakes-and-murray-mouth/restoring-the-coorong-and-lower-lakes-region


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【ロンドン事務所】ロンドンの大気汚染対策
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赴任して間もない2019年4月8日、「前代未聞の最も急進的な計画」とも評さ
れるロンドンの新たな大気汚染対策が始まりました。今回はロンドンの大気汚
染の状況とその対策についてご紹介します。

今回導入された、「Ultra Low Emission Zone (ULEZ)」(超低排出規制ゾーン)
によって、新たな排ガス基準を満たさない車やバイクが市中心部に乗り入れる
場合、すでに導入されている混雑税に上乗せして、1日につき£12.5(約1,750円)、
トラックやバスなどの大型車は£100(約14,000円)の支払いが義務づけられました。
導入当初、ロンドン交通局は一日当たり4万台の乗用車、2万台のバン、2千
台のトラックに影響を及ぼすと試算しており、5月16日発行の英国ガーディア
ン紙では、2019年3月と比べ、4月に市内中心部に乗り入れた排ガス基準を満
たさない車の数が一日当たり約9,400台も減少し、約26,200台になったという
統計を発表、サディク・カーン市長も「大胆なアクションが成果に繋がった」
と述べています。ULEZは2021年10月から、その対象エリアを大きく拡大し
( https://www.clair.or.jp/j/forum/c_mailmagazine/20190809/1.png )、
より多くのロンドン市民に影響を及ぼすことが見込まれます。

ULEZのような大胆な規制が必要なほどロンドンの大気汚染は深刻なのでしょう
か?2017年発行のガーディアン紙では、ロンドンにある97の大気汚染観測地点
の60%以上において、法で定められた汚染許容量を大幅に超過しており、許容
範囲を超えたNO2(二酸化窒素)ガスは年間約23,500人の死に影響を与え、ロン
ドン市民にとって最大の健康問題であると報じています。

スウェーデン人の環境保護活動家のグレタ・トゥーンベリさん(16)が4月に
ロンドン入りした際は、連日ホワイトホール(ロンドン事務所と英国中央省庁
が面する通り)で大規模なデモが開催されるなど、環境問題はロンドン市民の
関心が高いトピックの一つです。子を持つ親や医師団体、環境活動家などは
ULEZ以上の取り組みを進めるよう政府に要請しています。

                    ロンドン事務所 所長補佐 阿部


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【シンガポール事務所】シンガポールの地域の拠点「コミュニティクラブ」
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様々な人種が共生するシンガポールには、民族融和の促進と国民の社会的な結
束を育む場として、各地区にコミュニティクラブ(Community Club)が設置さ
れています。コミュニティクラブは、シンガポール文化社会青年省(Ministry 
of Culture, Community and Youth)傘下の人民協会(People's Association)
によって設置され、コミュニティクラブ運営委員会
(Community Club Management Committee)が実際の管理・運営に当たっています。
運営委員会の実行委員は、地区の住民の中からボランティアで選ばれます。

2019年現在で108箇所に設置されているコミュニティクラブには、各施設によって
異なりますが、地域のニーズに応えた様々な設備(図書室、調理室、バスケット
ボールコート、ダンススタジオなど)が備えられています。加えてコミュニティ
クラブでは、若者からお年寄りまで幅広い年齢層を対象にしたスポーツ、料理、
編み物などの様々な教室や、バドミントン大会やバザーなどのイベントが開催さ
れており、生涯学習や地域の交流の場として、日本でいうところの公民館に近い
役割を果たしています。
これらの教室やイベントへの参加は、人民協会の運営する「OnePA」というサイト
から、簡単に行うことができ、地区外の住民や我々のような外国人も参加できる
ため、英会話教室などに参加し、英語を学びつつ現地のシンガポーリアンとの交
流を楽しむ日本人もいます。教室等への参加には、参加費が必要な場合が多く、
徴収した参加費は、政府からの補助金と合わせて、施設の修繕や改修等に充てら
れます。

コミュニティクラブにおけるこうした取り組みには、地域の課題に地域住民も主
体性を持って取り組んでいくためのベース作りを行う狙いもあります。国民の多
くが移民により構成され、建国からもまだ日が浅いシンガポールにおいて、地域
(国)への帰属意識を醸成する1つの媒体として、コミュニティセンターは重要
な役割を果たしています。

日本同様、急速な少子高齢化が進むシンガポールでは、交通弱者に向けたオンデ
マンドバスの活用や、AIによる医療診断など、最新テクノロジーを活用した対策
も進められていますが、国を構成するのが人である以上、人と人との支えあいが
重要であるという認識は、シンガポールも日本も変わらないようです。

                  シンガポール事務所 所長補佐 中間


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【INFO】ラグビーW杯観戦客をターゲットに"祭り"を国内外に発信『祭りアイランド九州』
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9月20日に開幕するラグビーワールドカップ2019の期間中、九州全体が"祭り"
一色となるプロジェクト『祭りアイランド九州』が開催されます。スポーツの
ビックイベントを地域PRと周遊促進のチャンスとみて仕掛ける、インバウンド
客誘致の取り組みをご紹介します。

★詳細はこちら↓ 
http://economy.clair.or.jp/casestudy/inbound/5299/

<お問い合わせ先>
経済交流課
Tel:03-5213-1726
E-mail: keishin@clair.or.jp


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