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vol.247「ニューヨークタイムズトラベルショーでインバウンド促進」

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□■□      CLAIRメールマガジン vol.247(2020年3月13日)
■□   「ニューヨークタイムズトラベルショーでインバウンド促進」
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                            T O P I C S               
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【ニューヨーク事務所】ニューヨークタイムズトラベルショーでインバウンド促進

【ロンドン事務所】英国のワークスタイル

【ソウル事務所】韓国における共有電動キックボードサービスの普及と課題

【シドニー事務所】オーストラリアの食育事情~クランチ&シップ~

【シンガポール事務所】インドネシアの首都移転計画

【北京事務所】新型コロナウイルス感染防止対策に伴う北京市での生活の変化

【INFO】雪をコンテンツに地域ブランディングを進める雪国観光圏の取り組み

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【ニューヨーク事務所】ニューヨークタイムズトラベルショーでインバウンド促進
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 2020年1月24日から26日まで、北米最大規模の旅行博であるニューヨークタ
イムズトラベルショーがニューヨークで開催され、世界各地から700を超える団
体が出展し、3万5,000人以上が来場しました。ジャパンブースにはクレアニュ
ーヨーク事務所のほか、日本の地方自治体、ニューヨーク市内の日系旅行事業
者やホテル事業者、観光協会等も参加し、日本のインバウンド促進に貢献しま
した。

 クレアニューヨーク事務所では「日本の花」をコンセプトにプロモーション
を行い、各地域に咲く花を取り上げたリーフレットを製作し配布することで、
春の桜だけでなく、1年を通じて全国各地でさまざまな花を楽しめるというこ
とを案内しつつ、その他の観光名所も一緒に紹介しました。また、コンセプト
に合わせて、生け花のイベントも開催しました。1月ということもあり、お正
月のイメージで松や菊といった日本らしい花材を使用して小原流のデモンスト
レーションを行ったところ、多くの方が足を止めて、その魅力に見入っていま
した。その後、ワークショップを実施し、来場者の方に生け花体験をしていた
だきました。日本の花と伝統文化で日本の魅力を紹介しつつ、観光名所も紹介
し、効果的なプロモーションができたと思います。

 今年は東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催も予定され、ます
ます日本への関心が高まる中、多くの方が日本に来ていただけることを期待し
ます。

                               ニューヨーク事務所 所長補佐 舘


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【ロンドン事務所】英国のワークスタイル
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 近年、日本においても政府や企業の取り組みとして、「働き方(ワークスタ
イル)改革」という言葉をよく耳にするようになりました。働き方改革の一環
として、始業と終業の時刻を選択できるフレックスタイム制、コワーキングス
ペースや自宅など場所を選ばず働けるリモートワーク(テレワーク)を導入す
る企業が増えており、まだ導入率は低いものの自治体レベルでも少しずつ増え
てきています。

 一方、英国ではすでにフレックスタイム制やリモートワークといったワーク
スタイルが広く浸透しており、企業はもちろん自治体でも取り組まれています。
英国の今のワークスタイルを創り出した1つの要因として、「2014年子供と家
族法(Children and Family Act 2014)」が施行されたことがあります。
この法律により全ての雇用者が、家庭生活におけるワークライフバランスの維
持を理由にリモートワークを求める権利を得ました。イングランド東部にある
ピーターバラ市の外郭団体Opportunity Peterboroughの担当者は、リモー
トワークについて自宅で子供の面倒を見ながら働くことができ、ミーティング
等もテレビ電話で対応できるため、オフィスに捉われる必要がない画期的なシ
ステムと語っています。

 しかし、英国でリモートワークが浸透した背景には、必ずしもワークライフ
バランスの維持というポジティブな側面だけではありません。ロンドン市内に
ある33の全ての特別区(Borough)がリモートワークを推進していますが、その
背景には自治体の厳しい財政状況があります。国の財政緊縮により自治体への
交付金が大幅に削減され、自治体は限られた予算の中でサービスの質の確保が
求められており、その打開策の1つとしてリモートワークを導入することで業
務の効率化やコスト削減を図っています。

 イングランド南西部にあるエクセター市では、市の財源確保のため2棟ある
庁舎のうち1棟を民間に貸し出すこととなり、その結果、職員全員が働くスペ
ースを確保できないため、交替で週2~3回リモートワークを実施しています。
担当者は、通勤にかかる時間やコストの削減だけでなく、車通勤が主流の地方
では、二酸化炭素の排出削減にもつながっていると語っています。

 今年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機に、日本において
も導入率が向上することが期待されている一方で、同じ空間で働き、社内コミ
ュニケ―ションを重視するワークスタイルが根強く残る日本において、今後ど
こまでリモートワークが普及するのか注目です。

                               	ロンドン事務所 所長補佐 高橋
  

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【ソウル事務所】韓国における共有電動キックボードサービスの普及と課題
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 近年、欧米を中心に普及が進む電動キックボード。日本でも経済産業省「多
様なモビリティ普及推進会議」において、ラストワンマイル問題(※1)を解
決する可能性があるとされ、各地で実証実験が行われるなど、実用化に向けた
取り組みがなされております。

 韓国では、2018年9月、オルロ社が共有電動キックボードサービス「キック
ゴーイング」の提供を開始して以降、ソウルを中心に広がりを見せ、オルロ社
では1年で累積会員数31万人を突破。国内外20以上の企業が共有電動キックボ
ード市場に参入しているとの報道もあるほか、韓国交通研究院が電動自転車、
電動キックボードなど個人型移動手段の市場が2022年までに2016年の3倍以上
の20万台規模まで成長すると発表するなど、今後も継続して市場が拡大するこ
とが予想されています。

 電動キックボードの普及が進む背景には、バスやタクシーなどの既存交通手
段ではなく歩行を代替しており、既得権益との摩擦が小さいこと(※2)、コ
ミュニティサイクル(※3)で一般的な共通サイクルポートがなく、どこでも
利用開始、終了できることなどがあります。

 一方、同サービスによる安全性の問題も生じています。道路交通法では原動
機付自転車に該当し、車道のみ走行可能ですが、実際には歩道を走行する利用
者もおり、歩道からいきなり車道に飛びだす姿を鹿に形容し、キックボード+
コラニ(鹿)⇒キックラニという造語まで登場しました。また、ある保険会社
によれば、電動キックボードと車両間の事故が2年前より5倍以上に増えたと
も言われており、実際に事故のリスクが高まっています。こういった現状を受
け関連制度整備が急がれており、2020年2月には警笛着用義務化、重量制限の
導入など安全基準が強化されました。

 利用者の利便性と安全性の確保が両立できれば、地域住民ひいては観光客の
ラストワンマイルの効果的な移動手段として期待できるため、今後の動向に注
目してまいります。

(※1)バス停や最寄り駅から最終目的地までの区間をラストワンマイルと表
し、ラストワンマイルの歩行を代替する移動手段の確保を課題としている。
(※2)一般の運転手と乗客をマッチングさせる相乗りサービスを開始した会
社がタクシー業界から猛反発を受け、サービスの提供開始を断念する等の事例
が発生している。
(※3)自治体等が運営する自転車のシェアリングサービス。

                                    ソウル事務所 所長補佐 今村


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【シドニー事務所】オーストラリアの食育事情~クランチ&シップ~
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 オーストラリアの小学校では、昼休みとは別に、午前10時頃と午後2時頃に、
リセス(recess)と呼ばれる少し長めの休憩時間があり、その時間に軽食やおや
つを取る習慣があります。現在、多くの小学校では、リセスのどちらかの時間
を、持参した野菜や果物を食べる時間としています。これは「クランチ&シッ
プ」と呼ばれる食育の取り組みの1つで、2000年に西オーストラリア州のある
地域で「フルーツ&ウォーター」という名前で始まり、2005年には西オースト
ラリア州の全ての小学校に「クランチ&シップ」として広がり、その後、名称
が異なる地域もあるものの、オーストラリア全土の小学校に広がったものです。

 「クランチ(crunch)」は「バリバリと噛み砕く」という意味で、歯ごたえの
あるものを食べるイメージです。そして「シップ(sip)」は「飲む」という意味
です。「クランチ&シップ」の公式ホームページによると、飲料は基本的に水
とされていますが、野菜や果物は何でも構いません。生の人参や茹でトウモロ
コシを持参する子供もいますし、中にはきゅうりに丸ごと豪快にかじりつく子
どももいます。

 「クランチ&シップ」が導入される以前は、リセスの時間にお弁当の一部を
つまみ食いしたり、ポテトチップスなどの菓子類を食べたりと基本的に自由で、
教師も子どもが食べるものに干渉しませんでした。

 しかし近年、子どもの肥満が深刻な問題となっていることや、子どもの時の
食習慣が成人してからの健康に深く関わっているという事実から、肥満の一因
でもある野菜・果物の摂取不足を解消すべく、各州政府も「クランチ&シップ」
を推奨するようになりました。

 オーストラリアには給食制度がないため、お弁当を持参することになります
が、野菜や果物をお弁当に入れるかどうかは親の意識次第です。しかし、「ク
ランチ&シップ」導入により野菜や果物の持参が必須となり、お弁当を準備す
る大人の食育に対する認識も高まっていると思われます。現に私も、何を持っ
ていくかを娘と話し合ったり、休日の朝のおやつも野菜や果物にしたりするよ
うになりました。また、ニューサウスウェールズ州政府のホームページによる
と、「空腹を満たし、水分も十分に取ることで、ストレスも軽減され集中力も
高まる上、学力面や身体能力においてより高いパフォーマンスを発揮できる」
とのことです。日本の小学校でも取り入れてみると、集中力を高められて良い
効果があるかもしれません。
 
                                 シドニー事務所 総務担当 市原


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【シンガポール事務所】インドネシアの首都移転計画
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 インドネシアの首都であるジャカルタは、ジャワ島北西部に位置し、その都
市圏人口は約3,200万人を擁し、東京都市圏に次ぐ世界第2位を誇っています。
近年の発達は目覚ましく、人口構成が若く、高層ビルの建設が相次ぐ市内は活
気に溢れ、ASEANの事務局が置かれるなど東南アジア有数の世界都市になってい
ます。

 その発展とは裏腹に、都市の発展に伴う問題が深刻化しています。私も複数
回出張した経験がありますが、交通渋滞はかなり深刻で、帰りの飛行機の便に
乗り遅れないか毎回ハラハラさせられます。交通渋滞による経済損失は、年間
100兆ルピア(約1兆円)にも達すると言われており、住民の生活や企業の経済
活動にとって大きな問題となっています。また、大気汚染や水質汚濁も深刻で、
住民の健康への影響が懸念されています。さらにジャカルタでは、海抜ゼロメ
ートル地帯が広がっていることや、地盤沈下が進んでいることから洪水被害も
多く、今後のさらなる発展に向けた大きな課題となっています。

 そうした中で、2期目を迎えたインドネシアのジョコ大統領は、2019年8月
に首都をジャカルタから東カリマンタン州に移転することを正式に決定し、20
24年までの移転開始を目指して準備が進められています。首都移転に必要な資
金は466兆ルピア(約4兆6,600億円)と見積もられており、うち19%を国費負
担、残りは民間資金等で賄うこととしています。また、ソフトバンクグループ
の孫正義会長が首都移転計画を検討する審議会の委員に任命されるともに、ス
マートシティづくりなどの観点から新首都への投資を表明するなど、日系企業
にとっても大きなビジネスチャンスとなっています。

 ジョコ大統領は、2019年10月に行われた就任演説の中において、独立100周年
にあたる2045年までに1人当たりGDPで3億2,000万ルピア(約320万円)を達
成し、先進国入りすることを表明しています。新首都移転が今後どのような形で
行われ、インドネシアのさらなる発展に結びつくのか、また、現在の首都ジャカ
ルタは今後どのような役割を担っていくのか、今後の動向から目が離せません。

                              シンガポール事務所 所長補佐 打木


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【北京事務所】新型コロナウイルス感染防止対策に伴う北京市での生活の変化
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 中国・湖北省武漢市を中心に発生した新型コロナウイルスについては、世界
各国で感染防止対策が行われています。北京市でも公共交通機関での検温実施
やグループでの会食禁止、市外から戻った者に対する14日間の自宅待機措置な
ど、さまざまな対策が行われています。今回は、こうした感染防止対策に伴う
北京市での生活の変化をご紹介します。

 まず、市内にある駐在員向けマンションでは、敷地内に入る都度、非接触式
体温計による検温が実施されており、入居者も、毎日朝晩に体温を測定の上、
異常がある場合はフロントへ連絡する必要があります。

 また、中国では外売(出前サービス)が広く普及していますが、配達員はマ
ンションの住居区画内に入ることができなくなっています。北京市政府より、
配達員は注文者と接触しない方法で受渡しをするよう指導されているため、配
達員はマンション指定の場所に品物を置き、注文者が後で取りに行く方法に変
わりました。さらに多くの場合、配達された料理には、料理人、従業員、配達
員の体温を記載したラベルが添付されているなど、徹底した安全管理が行われ
ています。

 一方、市内の状況は、春節(中国の旧正月)で帰郷した多くの出稼ぎ労働者
が、中国各地で行われている移動制限や自宅での経過観察措置などにより職場
に復帰できないため、人手不足が深刻化し、飲食店などの営業再開が遅れてい
ます。また、外出時はマスクの着用が必要不可欠で、公共の施設(飲食店、ス
ーパーなど)には、マスクを着用していないと入店できない旨の張り紙が掲示
されているほか、タクシーの乗車も拒否されます(逆にタクシー運転手もマス
クを着用していないと通報され、処罰の対象になります)。

 なお、日本でも中国の都市封鎖などについて報道されているため、皆さんは
北京市をはじめ中国各地では物資が不足していると思われているかもしれませ
んが、私の周りでは物流は問題なく機能しています。スーパーやコンビニには
食材や日用品が平常どおり並んでおり、日常生活で買い物に困ることはありま
せん(もちろんマスクやアルコール消毒剤は依然として品切れの状態ですが...)。

 以上のように、北京市では政府や企業、市民が一丸となって感染防止に努め
ている状況です。この活動が実を結び、一刻も早く感染が終息することを願う
ばかりです。

                  北京事務所 所長補佐 斎藤
                   (2020年2月21日 執筆)


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【INFO】雪をコンテンツに地域ブランディングを進める雪国観光圏の取り組み
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 『真白き世界に隠された知恵に出会う』をコンセプトに、新潟県の湯沢町、
魚沼市、南魚沼市、十日町市、津南町、群馬県みなかみ町、長野県栄村の3県
7市町村の広域観光圏で雪を軸としたブランディングを進めている雪国観光圏。
地域ブランドをしっかり作ることでエリアをまとめ、インバウンド客も呼び込
んでいるその取り組みを紹介します。 

URL: http://economy.clair.or.jp/casestudy/inbound/5826/ 

<お問い合わせ先>
 経済交流課
Tel:03-5213-1726
Mail:keishin@clair.or.jp


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【編集・発行】一般財団法人自治体国際化協会(企画調査課)
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