CLAIRメールマガジンバックナンバー
vol.250「民間企業によるホームレス支援」
___________________________________ ■□■□ □■□ CLAIRメールマガジン vol.250(2020年5月8日) ■□ 「民間企業によるホームレス支援」 □  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ★☆CLAIRメールマガジンに関するアンケートにご協力をお願いします☆★ https://bit.ly/2zgWqgi (上記URLはMicrosoft Officeのフォームを利用した簡易アンケートです。個人情報の入力は一切必要ありません。) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ T O P I C S ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【ロンドン事務所】民間企業によるホームレス支援 【シドニー事務所】オーストラリアの歩行者信号ボタン 【シンガポール事務所】人種のるつぼ、ならぬ、グルメのるつぼ!? 【ソウル事務所】韓国の伝統医療「韓方」 【ニューヨーク事務所】連邦・州・市が出す非常事態宣言 【INFO】~自治体の海外プロモーションを幅広く支援します~プロモーションアドバイザーを拡充 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【ロンドン事務所】民間企業によるホームレス支援 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Buses 4 Homelessプロジェクトは、使用されなくなったバスを利用してホーム レスを支援する、2019年に立ち上げられた民間主導のプロジェクトです。このプ ロジェクトはCommunity interest company(コミュニティ利益会社)として運営 されています。 このプロジェクトの発起人は、改装されたバスを使ってイベントを提供する会 社に勤めていましたが、社員の一人がホームレスになったことから、バスをホー ムレスの生活の場として提供できないかと考えたことをきっかけに、このプロジ ェクトが誕生しました。 CO2排出基準を満たさないなどのため使用できなくなった古いダブルデッカーバ スを4台購入し、16台のベッドが配置された宿泊棟、利用者の食事を作るキッチン 棟、就職をサポートするためノートパソコン等を備えた学習棟、ヨガやセラピーな どもできる健康棟にリノベーションしました。なお、バスの購入費は、このプロジ ェクトを支援するStagecoachというバス会社の寄付で賄われました。 Buses 4 Homelessのバスは、North ActonにあるHS2(ハイスピード鉄道)の建設 現場近くに設置されており、各バスには建設現場から水や電気が無料で提供される ようになっています。また、建設現場に設置されているシャワーやトイレ設備を Buses 4 Homelessの利用者も使うことができます。 Stagecoach 、HS2建設会社のほかにも、このプロジェクトを様々な民間企業が CSRの一環として支援しています。 自治体やその他の団体などホームレス問題に取り組む組織を通じて入居の応募が あり、現在、16のベッドのうち8つが利用されています。Buses 4 Homelessの住民 はおおむね3か月間ここで生活し、その間にオンラインの就職訓練を受け、仕事や 住宅を探すことが想定されており、退去後も継続的にサポートが行われています。 ロンドン事務所 所長補佐 阿部 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【シドニー事務所】オーストラリアの歩行者信号ボタン ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ オーストラリアでは、「歩行者信号ボタンを押さないと、信号が青にならない」 という認識が広く共有されています。そのため、オーストラリア人は、信号待ちす る際に必ず歩行者信号ボタンを押すという国民的習慣があります。 この歩行者信号が設置されたきっかけは、1967年に当時のニューサウスウェール ズ州道路交通省が受けた、一人の目の不自由な男性からの「目の不自由な人でも使 える歩行者信号機を設置してほしい」という要望だと言われています。これを機に、 目と耳が不自由な人でも安全に歩道を渡ることができるようにするための歩行者用 信号機の必要性が認識され、1980年代初めに現在の歩行者信号ボタンがシドニーで 開発されました。 この歩行者信号ボタンボックスは飯ごうを縦にした形状で、上半分には歩行者の 進行方向を示す矢印とその点字が印字されており、下半分には日本の押ボタン信号 機のボタンの数倍の大きさの誰でも簡単に押せるアルミ製のボタンが付いています。 青信号時と赤色点滅・赤信号時とで二種類の誘導音が鳴りますが、ボタン自体がそ の誘導音に合わせて振動するので、目と耳が不自由な人でもボタンの触感だけで安 心して歩道を横断することができます。このオーストラリアの歩行者信号ボタンは 海外にも輸出されています。 オーストラリア人が信号待ちする際に必ず押すこの歩行者信号ボタンですが、2018年 に「1994年から都心部の歩行者信号は日中などの歩行者交通量のピーク時には自動化 されていた」という報道がなされ、実は都心部ではほとんどの時間帯で歩行者信号ボ タンを押さなくても信号は青になっていたという事実が判明しました。しかしながら、 自動化されている時間帯であっても、必要性がないわけではなく、 ボタンを押す行 動で歩行者の焦りが解消されるので、交通安全に資する装置だと言われています。 このような歴史のあるオーストラリアの歩行者信号ボタンですが、何と、今年の3 月下旬から新型コロナウイルス感染症の予防対策としてシドニー市中心部の全ての歩 行者信号が自動化されています。また、オーストラリアの他の都市や地域の歩行者信 号にも、自動化の動きが広がっています。 シドニー事務所 調査員 キャロル・チェン ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【シンガポール事務所】人種のるつぼ、ならぬ、グルメのるつぼ!? ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ シンガポールはよく「人種のるつぼ」と言われますが、そんなシンガポールにはも う一つの「るつぼ」が存在するのです。 シンガポールの文化を象徴するものの一つに「ホーカー」があります。 ホーカー(hawker) とは、露店商を意味する言葉で、元々は個別の屋台だったものが、政府の政策により 衛生面に配慮された屋台街:ホーカーセンターへと発展しました。日本でいう"フー ドコート"のようなもので、人々の生活においてとてもよく利用される場所となって います。一般的に自炊をする習慣があまりないと言われているシンガポール人の胃袋 を支えているのがこのホーカーなのです。 ホーカーで提供される料理は、多民族国家のシンガポールらしく、中華料理やマレー 料理、インド料理、欧米料理などバラエティに富んだものとなっており、 もちろん日 本食も食べることが出来ます。各店舗では目の前で調理をする様子を見ることができ、 賑やかな雰囲気の中で食事を楽しめます。 今では、ホーカー巡りをするホーカーグルメファンの観光客も多く、観光スポット の一つにもなっています。 また、ホーカーはコミュニティとしての役割も果たしており、さまざまな人々が朝 食、昼食、夕食を通して同じ空間で食事をしています。宗教や食文化の違いに関係な く、見知らぬ人同士が一緒に食事をしたり、交流したりすることもあります。 今日、シンガポールには100以上のホーカーセンターがあり、2027年までにさらに13 のホーカーセンターが開発される予定となっています。また、昨年3月、政府はホー カーセンターの世界文化遺産への登録申請を行ったところです。 「人種のるつぼ、ならぬ、グルメのるつぼ!?」であるホーカーは、今後もますます シンガポールの象徴となりそうです。 シンガポール事務所 所長補佐 井上 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【ソウル事務所】韓国の伝統医療「韓方」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 韓国においては、2009年から国家戦略として医療観光が推進されており、医療サービ スを受けることを目的とした外国人観光客の誘致に取り組んでいます。外国人医療観光 客数は2018年に37万8,967人となり、2008年の2万7,480人と比較すると、10年間で13倍 以上にもなる伸びを見せています。 そのような人気の理由として、先進的な美容医療が受けられることのほか、韓国医療 の特徴として今回注目する「韓方」があります。 韓国においては、西洋医学と韓方医学という二元的な医療体系が整備されています。 韓方医学とは、そのルーツを中国に持ちながらも独自に発展してきた韓国伝統の東洋医 学のことを指し、鍼灸や漢方、カッピング(吸い玉)などを用いて治療を行います。 日本と制度的に大きく異なるのが、西洋医学を専門とする医師と、韓方医学を専門と する韓方医が、医療法により別個に設けられていることです。いずれの免許取得におい ても6年間の大学研究期間と4年間の研修医期間を必要としますが、教育課程も国家試 験も異なります。韓方医学は西洋医学と同等の法的地位を有し、保険診療の対象にもな っており、韓国の人々はこれら2種類の医療機関を症状によって使い分けています。 韓方医による治療を受けた外国人数は、2014年は1万1,743人でしたが、2018年には 2万2,063人になり、4年間で1万人以上増加しています。今後も韓国医療のブランデ ィングにおいて、韓方が重要な位置を占めることとなりそうです。 ソウル事務所 所長補佐 岡 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【ニューヨーク事務所】連邦・州・市が出す非常事態宣言 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ アメリカでコロナウイルスの初の感染者が確認されたのは2月21日(シアトル)、 当事務所があるニューヨーク州及び市においては3月1日でした。その後、特にカリ フォルニア州とニューヨーク州で感染者数が急増したことを背景に、トランプ大統領 が国家非常事態宣言を発出したのが3月13日でした。連邦政府の資金最大500億ドル を感染拡大防止に活用できることが最初に発表されました。 それに先立って、ニューヨーク州と市では、それぞれ7日と12日に非常事態宣言が 発出されています。クオモ州知事が最初に発表した内容には、清掃用品や消毒剤を迅 速に調達すること、医師・看護師以外でも資格を持つ専門家であれば検査を実施でき ること等が含まれていました。デブラシオ 市長が最初に発表した内容には、州の方 針に従い500人以上の集会を禁止すること等が含まれ、例えばブロードウェイの全て の公演はその日の夜の上演から即刻中止となりました。 ニューヨーク州と市は非常事態宣言によって既存の法律や条例で定められた範囲 を越える行政命令を出すことができますが、州知事と市長の間で見解にズレが生じる こともあります。3月17日には、デブラシオ市長が示唆した外出禁止令を、「州全体 でやるべき(州知事が判断すべき)こと」として、クオモ州知事がその可能性を否定 する一幕もありました。(その後、州知事は3月20日に州全体での在宅勤務・自宅待 機令を発表、22日午後8時より発効されています。) ニューヨーク事務所 所長補佐 黒木 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【INFO】~自治体の海外プロモーションを幅広く支援します~プロモーションアドバイザーを拡充 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ クレアでは、自治体の海外プロモーションを支援するため、インバウンド観光や海 外販路開拓に関する知見、ノウハウをもつ専門家(プロモーションアドバイザー)を 自治体へ派遣する事業を実施しています。本年度、新たに7名(社)にアドバイザー としてご登録をいただき、アドバイザー数総勢29名(社)へと更なる充実を図りました。 派遣に係る費用はクレアが負担いたします。 新型コロナウイルス感染拡大の影響で海外プロモーション事業は大きな打撃を受け ている状況ですが、感染収束後の回復への取り組みに、ぜひ当事業をご活用ください。 URL: http://economy.clair.or.jp/activity/dispatch/ <お問い合わせ先> 経済交流課 Tel:03-5213-1726 / Mail:keishin@clair.or.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【編集・発行】一般財団法人自治体国際化協会(企画調査課) 〒102-0083 東京都千代田区麹町1-7 相互半蔵門ビル7F HP < https://www.clair.or.jp/ > TEL:03-5213-1722 FAX:03-5213-1741 Copyright(C) 2020 Council of Local Authorities for International Relations. 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