CLAIRメールマガジンバックナンバー
vol.329「シンガポールにおける糖尿病予防対策「Nutri-Grade Mark」」
______________________________ ■□■□ □■□ CLAIRメールマガジン vol.329(2023年10月13日) ■□ シンガポールにおける糖尿病予防対策「Nutri-Grade Mark」 □  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ T O P I C S ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ≪CLAIRからのお知らせ≫ 【INFO】(国連UNHCR協会)「第18回難民映画祭2023」11月開催 【INFO】(経済交流課)クレアプロモーションアドバイザー活動紹介 10月26日開催 ももシネマ『ザ・トゥルー・コスト』 【INFO】(経済交流課)自治体の取り組み紹介 千年後へつなぐ 阿蘇市のハイエンドな観光地づくりへの挑戦 【INFO】(交流支援部)申込受付は10月31日まで 令和6年度助成事業(交流支援部所管3事業) ≪海外事務所コラム≫ 【シンガポール事務所】シンガポールにおける糖尿病予防対策「Nutri-Grade Mark」 【ソウル事務所】景福宮のライトアップ 【北京事務所】寧夏回族自治区を紹介します! 【ニューヨーク事務所】エリス島で感じるアメリカの歴史 【シドニー事務所】シドニー市の街路樹マスタープランについて 【ロンドン事務所】イングランドの市議会が事実上の財政破綻を宣言 【パリ事務所】パリ市におけるモビリティサービスの動向 □■━━━━━━━...‥...━...‥...━...‥...━━━━━━━■□ CLAIRからのお知らせ □■━━━━━━━...‥...━...‥...━...‥...━━━━━━━■□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【INFO】(国連UNHCR協会) 「第18回難民映画祭2023」11月開催 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 映画を通じて、日本社会で難民への理解と共感を広めることを目的に毎年開催している映画祭です。困難を生き抜く難民の力強さに光をあてた 珠玉のドキュメンタリー、日本初公開の5作品を含む6作品を、オンライン配信と劇場開催(東京)のハイブリッドでお届けします。 【オンライン配信】11月6日(月)~11月30日(木) 【劇場開催(東京)】11月6日(月)、23日(木・祝)、25日(土) 【参加方法】 ・公式ウェブサイトから要申込み ・参加は、1作品につき[A]寄付つき鑑賞(1,000円)、または[B]無料鑑賞から選択 ・1作品から参加可能 詳細・お申込み https://www.japanforunhcr.org/how-to-help/rff ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【INFO】(経済交流課)クレアプロモーションアドバイザー活動紹介 10月26日開催 ももシネマ『ザ・トゥルー・コスト』 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ クレアでは、自治体の海外プロモーションを支援するため、専門的知見、ノウハウ、経験をもつ専門家(プロモーションアドバイザー)を派遣する 制度を実施しています。 今回は、株式会社INCOM/日本SDGs協会東京局 局長 筒井潤氏の実施事業を紹介します。 ■事業名 ももシネマ ■内容 SDGs促進のヒントを詰め込んだ映画を上映し、映画に関係した講演及びダイアログ(対談)を行う。 ■実施日 10月26日(木) 第一部:映画上映「ザ・トゥルー・コスト~ファストファッション真の代償~」 第二部:「エシカル消費」に関する講演及びダイアログ(対談) ■会場 秋葉原UDX4階 ■定員・費用 170席・自治体職員は参加無料 ■参加方法 当日会場までお越しください(事前申込不要) 事業の詳細はホームページをご覧ください。 https://incominc.co.jp/ <お問い合わせ先> インコム・もも シネマ事務局 担当:上倉/筒井 専用モバイル:070-4446-4041 事務局:03-5577-4265 メールアドレス:info@comcinema.com クレアプロモーションアドバイザーについてはこちらをご覧ください。 https://economy.clair.or.jp/activity/dispatch/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【INFO】(経済交流課)自治体の取り組み紹介 千年後へつなぐ 阿蘇市のハイエンドな観光地づくりへの挑戦 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ここ数年で、存在感を強めている「サステナブルツーリズム」。 日本一の草原面積を誇る熊本県阿蘇市では、草原存続の危機に直面しながらも、「草原」を軸としたまちづくりに取り組んでいます。地域資源を 高付加価値化することで「サステナブルツーリズム」の体制を構築した阿蘇市は現在、訪日外国人観光客からも注目を集めているそうですが、その 背景にはどのようなストーリーがあるのでしょうか? 千年以上受け継がれてきた「草原」を守るべく立ち上がった地域の人々を密着しました。 URL:https://economy.clair.or.jp/casestudy/inbound/9711/ <お問い合わせ先> 一般財団法人自治体国際化協会 経済交流課 TEL: 03-5213-1726 FAX:03-5213-1742 Email: keishin@clair.or.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【INFO】(交流支援部)申込受付は10月31日まで 令和6年度助成事業(交流支援部所管3事業) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ クレア交流支援部が所管する3事業の助成金について、令和6年度事業の募集を行っております。 様々な分野にて活用が可能ですので、多くのご応募をお待ちしております! 申請期限:令和5年10月31日(火)必着 募集事業: ①自治体国際協力促進事業(モデル事業) 対象:趣旨・内容等が他の自治体のモデルケースとなりえる国際協力事業及びその事前調査事業 WEB: https://www.clair.or.jp/j/cooperation/model/index.html E-mail:kokukyou@clair.or.jp 担当:経済交流課 加納、山田 ② 経済活動助成事業(海外販路開拓支援・インバウンド支援) 対象:将来的に経済効果が見込まれ、他の地方公共団体の取組の参考となることが見込まれる事業 WEB: https://economy.clair.or.jp/activity/grant/ E-mail:keishin@clair.or.jp 担当:経済交流課 山田、加納 ③ 国際交流支援事業 対象:国際交流事業のうち、交流の拡大や発展が見込まれ、地域住民等の幅広い参画が見込まれる事業 WEB: https://www.clair.or.jp/j/exchange/shien/page-5.html E-mail:koushin@clair.or.jp 担当:交流親善課 上田、小藏崎 □■━━━━━━━...‥...━...‥...━...‥...━━━━━━━■□ 海外事務所コラム □■━━━━━━━...‥...━...‥...━...‥...━━━━━━━■□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【シンガポール事務所】シンガポールにおける糖尿病予防対策「Nutri-Grade Mark」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ シンガポールでは糖尿病が深刻な社会問題となっています。シンガポール保健省によると、シンガポールの糖尿病患者数は、対策を講じなければ 2050年までに100万人に達すると見積もられています。 シンガポール人の1日の砂糖摂取量の半分以上は飲料から摂取しており、そのうち64%が包装済み飲料、残り36%が作りたて飲料(例:飲食店など でその場で作られる飲料)といわれています。 そこで、2022年12月30日からシンガポール保健省が行っている取組が「Nutri-Grade Mark」です。これは、飲料に含まれる糖分と飽和脂肪の分量に 応じて飲料包装にマーク表示を義務付けるもので、次の4つに分類されます。 A:飲料100gあたり砂糖が1g以下かつ飽和脂肪が0.7g以下かつ甘味料が含まれていないもの。マークの色は濃い緑色で、表示の義務はなく、 水などが分類される。 B:飲料100gあたり砂糖が1gから5g以下または飽和脂肪が0.7gから1.2g以下のもの。マークの色は薄い緑色で、表示の義務はなく、 低脂肪牛乳などが分類される。 C:飲料100gあたり砂糖が5gから10g以下または飽和脂肪が1.2gから2.8g以下のもの。マークの色はオレンジ色で、表示の義務があり、 スポーツドリンクなどが分類される。 D:飲料100gあたり砂糖が10g以上または飽和脂肪が2.8g以上のもの。マークの色は赤色で、表示の義務があり、ジュースの多くがDに分類される。 また、広告宣伝も禁止。 そのほか、いずれのグレードも飲料中のエネルギー値、タンパク質、炭水化物、総糖分、脂肪、飽和脂肪の量を示す栄養成分表示が義務付けられています。 さらに、作りたて飲料についても、2023年12月30日から店頭またはオンラインのメニュー上において「Nutri-Grade Mark」の表示が義務付けられます。 消費者が飲料を選択する際にマークを参照し、糖分等が少ない飲料を識別できるようなっており、砂糖摂取量の削減に向けた消費者行動を促す ねらいが見て取れます。 シンガポールにお越しの際は飲料の包装に表示されているマークにも是非注目してください。 シンガポール事務所 所長補佐 辻 (参考資料) ※1MOH:「PUBLIC CONSULTATION ON MEASURES TO REDUCE SUGAR INTAKE FROM PRE-PACKAGED SUGAR-SWEETENED BEVERAGES」 https://www.moh.gov.sg/news-highlights/details/public-consultation-on-measures-to-reduce-sugar-intake-from-pre-packaged-sugar-sweetened-beverages ※2:HPB「MEASURES FOR NUTRI-GRADE BEVERAGES」 https://hpb.gov.sg/healthy-living/food-beverage/nutri-grade ※3:MOH「EXTENSION OF NUTRI-GRADE REQUIREMENTS TO FRESHLY PREPARED BEVERAGES FROM 30 DECEMBER 2023」 https://www.moh.gov.sg/news-highlights/details/extension-of-nutri-grade-requirements-to-freshly-prepared-beverages-from-30-december-2023 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【ソウル事務所】景福宮のライトアップ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 韓国のソウル特別市にある王宮・景福宮(キョンボックン)では、9月1日~10月29日までの約2ヶ月間、夜間特別観覧を行っています。例年この 時期は夜間まで開場しており、日中とは一味違う幻想的な古宮の姿を楽しむことができます。 景福宮は、朝鮮王朝の太祖・李成桂が、1395年に高麗の首都を開京(現・開城)から漢陽(現・ソウル)に移した際に建造した王宮で、名前には 「新しい王朝が大きな幸運を享受して繁栄する」という意味が込められています。 朝鮮時代に建造された王宮は、景福宮、慶熙宮(キョンヒグン)、徳寿宮(トクスグン)、昌慶宮(チャンギョングン)、昌徳宮(チャンドックン) の5つで、これらは五大宮と呼ばれています。その中でも景福宮は最初に建造され、最大の規模を誇る人気の観光スポットです。 景福宮夜間特別観覧は1日あたり2,900人限定となっており、事前にオンライン予約が必要ですが、外国人を対象に1日200人を上限として当日券 (先着順)の販売も行われています。また、韓国の民族衣装である韓服(ハンボク)を着用して行くと入場料が無料になります。 ぜひ韓服をレンタルして、由緒ある韓国の文化遺産・景福宮を巡ってみてください。 ソウル事務所 所長補佐 中村 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【北京事務所】寧夏回族自治区を紹介します! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 西夏(せいか)という名前を聞いたことがありますでしょうか。11世紀初頭に現在の中国北西部で誕生し、チンギス・ハーンに滅ぼされるまでの 約200年にわたり、シルクロード貿易で繁栄した王国の名前です。この西夏王国の中心地があった場所には、現在寧夏(ねいか)回族自治区があります。 寧夏回族自治区は中国の省級行政区(省・自治区等)の一つです。北は内モンゴル自治区、東は西安の兵馬俑で有名な陝西省、南西はオアシス都市・ 敦煌がある甘粛省に囲まれています。面積は約6.6万㎢、人口は約725万人です。小さい自治区ではありますが、北には約1万年前の遊牧民族が残した 賀蘭山の壁画、区都・銀川市の近くには冒頭の西夏王国の王陵があるなど、見所が多い場所です。産業面では石炭等エネルギー資源が豊富なほか、 標高1,100メートル程度で日照時間が長いということもあり、風力・太陽光発電など新エネルギーも活発です。加えて、広大な平原があることから、 牛肉や羊肉、乳製品等第一次産業も盛んです。実際、寧夏で食べたヨーグルトは絶品でした! そんな寧夏が近年力を入れているのが、ぶどう栽培とワイン産業です。砂漠に囲まれ昼夜の寒暖差が大きい点がぶどう栽培に適しており、この20年 で寧夏のワイナリー数は200近くにまで増えました。かつて荒地だった土地が改良されぶどう畑に変貌を遂げただけでなく、地元の雇用創出にも貢献 しています。寧夏回族自治区はワインと観光産業の融合にも注力しており、ワインツーリズムを推進しています。 寧夏の空港に着陸する直前、飛行機の窓から見える風景は、一面が黄金に輝く砂漠です。砂漠や草原、湿地等多様な自然があり、古い歴史を持ち、 そしてワインという新たな産業に力を入れる寧夏。機会があればぜひ一度お訪ねください。 北京事務所 調査役 桜井 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【ニューヨーク事務所】エリス島で感じるアメリカの歴史 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 移民の国ともいわれるアメリカ。日本人にはあまりなじみがない移民という話題ですが、アメリカ人にとっては大きなキーワードとなっています。 現在、ニューヨーク市でも移民が急増しており問題となっています。昨年春から南部の州が政権批判の意味を込めて、移民希望者を別の州や都市へ 移送するといった出来事が起こっており、ニューヨーク市が昨春から受け入れた移民数は10万人を超えているともいわれています。現在も移民は増え 続けており、市内のホームレスシェルターも常に満室状態で、シェルターに入れない人々がシェルター周辺で路上生活を余儀なくされているという 状況です。さらに、移民対策のために市の財源が圧迫されており、財政赤字を減らすために予算を15%カットするというニューヨーク市長の発言が 話題となっています。 そんなニューヨークには、アメリカで最初に建てられた連邦移民局があった「エリス島」という島があります。1892年から1954年まで運用されて おり、約1,200万人がこの島を通過したと言われています。現在は移民局の建物をそのまま利用して移民博物館が建てられており、アメリカの移民の 歴史を知ることができる貴重な建物や資料を見ることができます。アメリカ人の約40%の人の祖先がエリス島を通過したともいわれており、自身の 祖先についてデータベースで調べることもできます。 エリス島は自由の女神像へ行くクルーズ船のチケットに含まれています。自由の女神像を見に行く際には、ぜひエリス島にも寄ってアメリカの歴史 を感じてみてください。 ニューヨーク事務所 所長補佐 高橋 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【シドニー事務所】シドニー市の街路樹マスタープランについて ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ シドニー市の街路樹マスタープランがニュー・サウス・ウェールズ州の「ランドスケープ・アーキテクチャー・アワード2023」を受賞しました。 (※1)このプランは住民や産業界から意見を募集し、樹芸、都市緑化、景観建築、自然環境遺産、植物学、先住民の生態学などの専門家によって 策定されました。マスタープランが反映されたオンライン上のマップで街路を検索すると、そこにどの樹木の種が適しているのかのリストが表示され ます。マップは、どこに樹木を植えるのが良いのか、植え替えが必要となった場合にはどの種が適しているのかの指針となるものです。(※2)(※3) このプランの特徴として、まず多様性を鍵としている点が挙げられます。多様性や種の保存の観点から正しいバランスをとることで、害虫駆除や 自然災害を含む気候変動のインパクトの軽減を図ることができるとされています。加えて、多様性は都市の自然を健全なものにするためにも重要だと プランの中では考えられています。 また、植える樹木について、在来種を植えることに重点を置きつつも、在来種ばかりを植えるわけではないという点が挙げられます。すでに市の 街路樹の半分程度の種が在来種から入れ替わっており、今後も都市の緑地は在来種とそれ以外が混ざった状態が続くだろうとの見通しのもと、それぞれ の強み・弱みを活かし、適切なバランスをとっていくとされています。 先住民が計画策定のプロセスに関わったことも特徴的です。先住民の側からもこのことは評価されており、シンボル的で土着の樹木をハーバーブリッジ などの文化的価値の高いエリアに再導入することとされています。 シドニー事務所 次長 小泉 (※1)https://news.cityofsydney.nsw.gov.au/articles/drying-green-and-street-tree-master-plan-win-nsw-landscape-architecture-award (※2)https://news.cityofsydney.nsw.gov.au/articles/7-things-to-know-about-our-revised-street-tree-master-plan (※3)https://www.cityofsydney.nsw.gov.au/strategies-action-plans/street-tree-master-plan?utm_source=cosnews&utm_medium=referral&utm_content=thingstoknow-feb23&utm_campaign=urban-forest-22-sys ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【ロンドン事務所】イングランドの市議会が事実上の財政破綻を宣言 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 人口約114万人を擁するイングランド第二の都市、バーミンガム市議会が事実上の財政破綻を宣言しました。バーミンガム市議会は、財源不足に 陥った原因として、男性職員より不当に低い賃金で働いていた女性職員に対する、男女同一賃金となるよう過去に遡った賃金の支払いや、事業税収 の減少、インフレーションの影響などを挙げています。 バーミンガム市議会は、困窮者支援やごみ収集などの必要不可欠な公共サービスを除き、すべての支出を直ちに停止すると発表しました。市側は 健全な財政基盤を取り戻すため必要な措置だとしていますが、市民の間では公共サービスへの影響について不安が広がっています。現時点で2023~ 2024会計年度に8,700万ポンド(約160億円)の赤字を見込んでいるバーミンガム市では、市の公園や道路のほか、図書館や文化事業などに影響が出る 可能性があります。 イギリス国内では他にも2000年にロンドン東部のハックニー区議会、2018年にイングランド中部のノーサンプトンシャー群議会、2022年にエセックス州 サーロック市議会が事実上の財政破綻に陥るなど事例が相次いでおり、危機的な財政状況に直面する自治体が増えています。また、海外では2009年に ギリシャが経済危機を迎えたり、直近では中国の自治体が事実上財政破綻したりするなどの例があります。 世界的な物価上昇局面が続く中、イギリスの自治体の財政改革に注目が集まります。 ロンドン事務所 所長補佐 藤本 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【パリ事務所】パリ市におけるモビリティサービスの動向 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ パリ市の電動キックボードシェアリングサービスが住民投票の結果を受け、8月末で終了しました。クレアパリ事務所では、メールマガジン vol.314、321でこの件について取り上げました。 パリ市内で同サービスを展開していた事業者3社(米Lime、独Tier、蘭Dott)は、引き揚げた電動キックボードを欧州の他都市でのシェアリング サービスに順次投入する予定です。 パリ市は、今後、電動キックボードに代わって自転車のシェリングサービスを拡大させる方針で、電動キックボード用として路上に確保していた スペースを自転車の駐輪スペースに転用していく予定です。 現在、パリ市内では、パリ市が運営に参画する(※1)自転車シェリングサービス「Vélib」に加え、上記の事業者3社もそれぞれ独自の自転車 シェアリングサービスを展開しています。手頃な料金設定(※2)を武器にユーザー数を拡大してきた「Vélib」ですが、足元では、顧客満足度の 低さや財務状況の悪化、管理者とサービスプロバイダー間の対立など課題も指摘されています。 開催まで1年を切ったパリオリンピック・パラリンピックに向けて、古くて新しい移動手段である自転車のニーズがさらに高まっていくことが予想 される中、パリ市内のモビリティサービスがどのように発展していくのか、引き続き注視していきます。 パリ事務所 次長 谷口 ※1:グランパリ・メトロポールを構成するコミューン(パリ市を含む)等で組織された組合であるSyndicat Autolib'Vélib'Métropoleが管理者と なり、民間企業によるコンソーシアムであるSmovengo社に「Vélib」の運営を委託している。 ※2:「Vélib」は45分間の利用で3€(約472円)なのに対し、3つの事業者が提供する自転車シェアリングサービスはいずれも45分間で10€(約1,574円) 以上となっている。 <参考文献> ・Syndicat Autolib'Vélib'Métropole HP、レポート https://autolibmetropole.fr/ https://autolibmetropole.fr/wp-content/uploads/2023/04/Rapport-2021-SAVM-web-22082022.pdf https://autolibmetropole.fr/services/velib-metropole/ ・Smovengo HP https://www.smovengo.fr/ ・Vélib HP https://www.velib-metropole.fr/offers ・LE MONDE関連記事 https://www.lemonde.fr/economie/article/2023/08/22/a-paris-le-retrait-des-trottinettes-en-libre-service-se-fait-dans-la-douleur_6186140_3234.html https://www.lemonde.fr/economie/article/2023/07/21/le-service-velib-tres-sollicite-demeure-insuffisant-a-un-an-des-jo-de-paris_6182821_3234.html クレアメールマガジンバックナンバーはホームページからご覧いただくことが出来ます。 https://www.clair.or.jp/j/forum/forum/index.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【編集・発行】一般財団法人自治体国際化協会(企画調査課) 〒102-0083 東京都千代田区麹町1-7 相互半蔵門ビル7F HP: https://www.clair.or.jp/ TEL:03-5213-1722 FAX:03-5213-1741 Copyright(C) 2023 Council of Local Authorities for International Relations. All Rights Reserved. 許可なく転載することを禁じます。 配信解除は、下記の登録解除フォームにより手続きをお願いします。 https://www.clair.or.jp/j/mailmagazine/index.html#unsubscribe
このページに関するお問い合せ先
総務部企画調査課
電話:03-5213-1722 Fax:03-5213-1741
Email:kikaku@clair.or.jp