CLAIRメールマガジンバックナンバー
vol.339「なぜロンドンの街並みに電柱はないのか」
______________________________ ■□■□ □■□ CLAIRメールマガジン vol.339(2024年3月8日) ■□ なぜロンドンの街並みに電柱はないのか □  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ T O P I C S ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ≪CLAIRからのお知らせ≫ 【INFO】(ロンドン事務所)オンラインセミナー「フィンランドのワークライフバランス」開催のお知らせ 【INFO】(長野県)長野県・韓国江原道交流フェアIN銀座NAGANOを開催します! 【INFO】(JFM・GRIPS連携プロジェクト事務局) 3/28(木)現役市長登壇 教育・地方財政テーマに国際比較JFM×GRIPS連携フォーラム 第7弾オンライン開催! 【INFO】(国際親善協会)ジャパンウィーク 出展者募集! ≪海外事務所コラム≫ 【ロンドン事務所】なぜロンドンの街並みに電柱はないのか 【パリ事務所】フランスワインの危機と変化 【ニューヨーク事務所】国内最大級アウトドアダイニングプログラム 【シドニー事務所】オーストラリアの学校で進むスマホ禁止政策 【シンガポール事務所】シンガポールとマレーシアをつなぐ鉄道 【北京事務所】中国の観光物産展での効果的なPR 【ソウル事務所】韓国自治体職員へクレアの活動を紹介しました! □■━━━━━━━...‥...━...‥...━...‥...━━━━━━━■□ CLAIRからのお知らせ □■━━━━━━━...‥...━...‥...━...‥...━━━━━━━■□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【INFO】(ロンドン事務所)オンラインセミナー「フィンランドのワークライフバランス」開催のお知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ クレアロンドン事務所では、幅広い分野で活躍されている方々を講師に招き、欧州における「状況」「ニーズ」「考え方」などの情報をお届けしております。 今回は、フィンランド大使館広報部プロジェクトコーディネーターの堀内都喜子氏をお迎えし、フィンランドにおけるワークライフバランスをテーマに ご講演いただきます。 幸福度ランキング6年連続1位、SDGs達成度3年連続世界1位のフィンランドは、実は少子高齢化という日本と共通の課題を抱えています。国の一番の資源は 「人材」と位置づけ、性別や年齢に関係なく能力を発揮できる柔軟な働き方や社会をつくってきました。残業はほぼなく、夏休みは4週間。最近では父親の方が 母親よりも子どもと過ごす時間が長くなっています。さらに学び直しやリスキリングも盛んです。組織づくり、DXなど、いかに効率とウェルビーイングを高めて いるのか、フィンランドの働き方や暮らしから学べるヒントを紹介します。 なお、セミナー終了後も見逃し配信動画を閲覧可能ですので、当日ご都合のつかない方も、ぜひお申込み・ご視聴ください。 この機会をお見逃しなく!皆様のご参加をお待ちしております。 日時:2024年3月13日(水)18:00~19:00(日本時間)(9:00~10:00(英国時間)) 配信:ZOOM 講師:フィンランド大使館広報部プロジェクトコーディネーター 堀内都喜子氏 申込方法:下記登録フォームよりお申込ください https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_v2y70QpHRXqYMFZgidkVug <お問い合わせ先> (一財)自治体国際化協会ロンドン事務所 細井・福田 Mail:mailbox@jlgc.org.uk ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【INFO】(長野県)長野県・韓国江原道交流フェアIN銀座NAGANOを開催します! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 長野県と韓国・江原(カンウォン)特別自治道は2016年に友好協力協約書を締結し、交流を続けています。 この度、両地域の交流関係と魅力を発信する試みとして、江原道の食文化等を体験できるイベントを初めて開催します。 イベントでは、県内大学生がスタッフとなり、江原道食品の特別販売や韓国料理の調理実演を行うほか、試食や韓服体験も楽しめます! 韓国の文化体験を楽しんでいただくとともに、海外自治体との共催のイベント(そして大学生による運営)ということで参考になる部分もあるかと思います。 入場無料・申込不要ですので、ぜひお越しください! ■開催日時:2023年3月17日(日) 13:00~17:00 ■開催場所:銀座NAGANO ■内容 ・江原道の食品の試食/販売(1F) ・韓服(チマチョゴリ等)の試着/撮影(2F) ・長野県食材を使った江原道の郷土料理であるそばチヂミの調理実演と試食(2F) ・長野県と江原道の交流パネル展 ■銀座NAGANOホームページ 「長野県・韓国江原道(カンウォンド) 交流フェアIN銀座NAGANO」 https://www.ginza-nagano.jp/event/67552.html *県内大学生との準備の様子が地元テレビで放映されました!* https://www.youtube.com/watch?v=MWdYonqG7n4 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【INFO】(JFM・GRIPS連携プロジェクト事務局) 3/28(木)現役市長登壇 教育・地方財政テーマに国際比較JFM×GRIPS連携フォーラム 第7弾オンライン開催! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 地方公共団体金融機構(JFM)と政策研究大学院大学(GRIPS)は人口減少等社会構造変革下における地方財政に関する調査研究・教育プロジェクトを立ち上げ、 欧米との国際比較研究から今後の地方のあり方を考えていきます。 今回、第7回フォーラム「現場の首長が考える、欧米諸国との比較から考える社会構造変革下における教育と地方財政― 十「国」十色、現場に立つ地方自治 ―」 では、教育、地方財政の最前線に立つ、森中高史守山市長が琵琶湖の畔から登壇します。首長が考える教育と地方財政についての講演に続き、本プロジェクト 調査研究会委員とのパネルディスカッションで国際比較も交えて議論します。 ■日時:令和6(2024)年3月28日(木)14:00-16:00 ■会場:オンライン開催(Zoom) ■スピーカー・パネリスト:森中 高史 守山市長 ■パネリスト(五十音順): 伊集 守直 横浜国立大学大学院国際社会科学研究院教授 小西 杏奈 帝京大学経済学部講師 佐藤 一光 東京経済大学経済学部准教授 ■モデレーター:羽白 淳 政策研究大学院大学教授 ■詳細は下記HPをご覧ください。 https://gripslocalgovernance.institute/ ■参加登録(無料):下記にてご登録ください。 https://grips-ac-jp.zoom.us/webinar/register/WN_qfYQ-wWBTpCK0XrmJKTtLw <問合せ先>JFM・GRIPS連携プロジェクト事務局 local-governance@grips.ac.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【INFO】(国際親善協会)ジャパンウィーク 出展者募集! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ (公財)国際親善協会はパリで観光・物産をテーマにした「観光物産商談会」を2024年11月12日(火)、その後コルマールで消費者向けイベント 「ジャパンウィーク」を2024年11月13日(水)~17日(日)に開催します。 そこで、出展をご検討頂ける団体を募集します! 下記3つのプログラムにて各地域の観光や物産品を発信していただけます。 1.パリにて自治体とフランス企業による商談会-BtoBプロモーション 物産や訪日旅行に興味を持ったフランスの自治体や企業に対してプロモーションの機会を提供します。 2.コルマールでの自治体ブース出展 -BtoCプロモーション ジャパンウィークの展示会場にて訪日プロモーションや物産品サンプリングを実施し、一般消費者向けプロモーションを実施して頂けます。 3.コルマール市内での市民向け街頭広告-BtoCプロモーション ■開催日時:2024年11月12日(火)~17日(日) ■開催地: パリ(商談会) 11月12日(火) コルマール(ジャパンウィーク)11月13日(水)~17日(日) ■対象:地方自治体及び類する団体 (観光協会・DMO等を含む) ■詳細:ホームページにてご確認ください。 https://www.iffjapan.or.jp/news/49-2024-2 ■申込方法:出展をご希望の団体は下記までお問い合わせください。 <お問い合わせ先> 株式会社プランドゥ・ジャパン ジャパンウイーク・パリ商談会担当 東京都港区芝大門2丁目3番6号大門アーバニスト401 TEL:03-5470-4401 E-mail: shoudankai_jw@nta.co.jp □■━━━━━━━...‥...━...‥...━...‥...━━━━━━━■□ 海外事務所コラム □■━━━━━━━...‥...━...‥...━...‥...━━━━━━━■□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【ロンドン事務所】なぜロンドンの街並みに電柱はないのか ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 私はロンドンに赴任した時から、なぜロンドンの街なかには電柱がないのかずっと疑問に思っていました。日本では街なかを歩けばどこにでもある電柱ですが、 ロンドンで見かけることはまずありません。国土交通省の公表データによれば、ロンドンの無電柱化率は100%となっており、ロンドン以外の世界の都市でも パリやシンガポールは同様に100%、アジアの台北、ソウルに関してはそれぞれ96%、50%となっています。その一方で、日本は無電柱化が進んでおらず、 日本の中で一番進んでいる東京23区でも8%にとどまります。 なぜ普及率がここまで異なるのか、ロンドンと日本で比較してみましょう。ロンドンは、電気が普及し始めた当時、電柱を設置するための路上スペースの 確保が困難でした。また、既に普及していたガス灯が地中化されており、電灯の施工には地中化または電柱設置の方法がありましたが、地中化には大きな コストがかかってしまいます。ガス業界と電気業界の条件を公平にするためにガス・電気いずれも地中化に統一されたため、電柱が立つことはありませんでした。 当初の目的とは異なりますが、結果的にロンドンではこの無電柱化により良好な景観が保たれることになります。一方、日本では戦後の復旧時に安価で速やかに、 国土全体に電気を供給することを優先した結果、電柱が普及したのです。 近年では、地震により倒れた電柱が救助の妨げになったり、景観保護の観点などから東京をはじめとした日本国内でも無電柱化の動きがみられます。しかし ながら、既に道路の下が水道管やガス管でいっぱいで配線するスペースがないことや、工事にかかるコスト面の問題から思うように進んでいないのが現状です。 ロンドンに赴任するまで、電柱はごく当たり前にあるもので意識もしていませんでしたが、今では電柱の立っていた街並みを少し懐かしく思います。電柱の ある街並みも日本らしいといえるのかもしれませんが、何より日本は災害の多い国です。課題は少なくありませんが、災害に備えて少しずつでも無電柱化が 進むことを期待しています。 ロンドン事務所 所長補佐 佐々木 【参考サイト】 〇国道交通省 無電化の整備状況(国内、海外) https://www.mlit.go.jp/road/road/traffic/chicyuka/chi_13_01.html 〇地中化工法と整備手法の選定ポイント(案)第1.0版(2019.06) https://scenic.ceri.go.jp/pdf_manual/chichuka/chichuka201906_01.pdf 〇読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/national/20231202-OYT1T50128/ 〇無電柱化の現状 国土交通省 平成29年1月26日 https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/chicyuka/pdf03/09.pdf 〇国内外のまちづくり 海外の無電柱化事情について https://www.georhizome.com/archives/blog/2540 〇NHK NEWSWEB 東京の無電柱化について https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220310/k10013519651000.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【パリ事務所】フランスワインの危機と変化 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ フランスという名前を耳にすると、まずワインを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。そのイメージ通り、実際にフランスではどこのスーパーで もたくさんのワインが並び、日本で買うよりも安価で良質なワインを手に入れることができます。筆者もフランスワインの特徴である、地域に根付いた多様 な味わいに魅了された1人なのですが、近年そのフランスワイン業界に変化の波が押し寄せています。 CNIV(AOC(※1)ワイン業界団体連合)は、フランスにおけるワインの消費は60年間で70%減少しており、このままでは今後10年間でさらに20%減少する と発表した上で、2024年2月末までに政府に対し、補助金の支給を伴うぶどう畑の減反計画などを提言する予定としています。具体的には、ぶどう畑の表面積を 10万ヘクタール(現在の75万ヘクタールの13%に相当)減らす計画のほか、高級ワインと比較すると海外市場における売れ行きが課題となっている中級ワインの 輸出拡大に力を入れていく内容となっています。 前述の消費量の減少については、例えば単身者の増加などによって、ワインボトルを開けるハードルが高く感じられるといった、生活スタイルの多様化など さまざまな理由がありますが、最も大きな要因として若者のワイン離れが挙げられています。若者は、室温に近い温度で飲む赤ワインなどに比べ、氷を入れて すっきり飲めるアルコール度数の低いお酒や、ノンアルコール飲料を好むと言われています。こうした好みの変化に対し、ノンアルコールワインやボトル ワインより手軽なイメージの缶入りワインの製造に力をいれるワイン事業者が出てくるなど、近年新たな動きも生まれてきていますが、業界として厳しい状況に あることは変わりません。 これからの時代に合わせて、フランスワインにどのような変化が生じていくか注視しつつ、筆者もワイン業界に微力ながら貢献すべく、これからもフランス ワインを味わい続けてまいりたいと思います。 パリ事務所 所長補佐 阿部 (※1)Appellation d'Origine Controleeの略称で「原産地統制呼称制度」などと呼ばれる制度。1935年、ワインの産地偽装が横行していたことなどを 背景に原産地呼称を保証するために定められ、基準を満たした場合のみワインボトルへのAOC表記が許可される仕組み。 <参考文献> Les echos関連記事 https://www.lesechos.fr/industrie-services/conso-distribution/crise-du-vin-la-filiere-prete-a-reduire-de-13-la-surface-du-vignoble-francais-2041438 https://www.lesechos.fr/industrie-services/conso-distribution/pourquoi-les-francais-boivent-de-moins-en-moins-de-vin-1912066 https://www.lesechos.fr/industrie-services/conso-distribution/vins-sans-alcool-une-vague-qui-enfle-dans-le-monde-entier-2038801 Vin social club関連記事 https://www.vinsocialclub.fr/magazine-vin/actualite-producteur-vin/la-robe-du-vin-la-marque-qui-democratise-le-vin-en-canette/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【ニューヨーク事務所】国内最大級アウトドアダイニングプログラム ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ニューヨークでは見慣れた光景となっている飲食店のアウトドアダイニング(屋外席)。新型コロナウイルス感染症の拡大により店内飲食が禁止された 飲食店に対する救済措置として、店舗に隣接する車道や歩道を利用したアウトドアダイニングが許可されたことが始まりです。コロナ禍での一時的な措置で あったにもかかわらず、いまやすっかりニューヨークの外食スタイルとして定着しています。店舗によっては、店内以上に装飾にこだわったアウトドア ダイニングを設置し、食事だけでなく新たな魅力を創出しています。 一時的な経済対策として始まったアウトドアダイニングプログラムは、恒常的なプログラム "Dining Out NYC"としてアップデートされ、2024年3月に 申請がスタートします。 前身のプログラムでは、市全体で10万人の雇用を救ったとされていますが、一部では、騒音、交通や歩道の混雑、駐車場の縮小、ゴミの投棄やネズミの発生 など、多数の苦情が発生し、市に対して訴訟を起こす団体が現れたほどでした。しかし、今回発表されたプログラムの最終ガイドラインでは、衛生面や安全面を 重視し、より厳しい基準が設定され、これまでの教訓を生かしたプログラムとなったようです。ニューヨーク市長をはじめ、市の関係者らも並々ならぬ熱意 を持って進めてきたこのプログラムが、飲食業界の支援にとどまらず、公共空間の保全も含め、さらなる魅力を持ったニューヨークの街が創出されることを 願っています。 ニューヨーク事務所 所長補佐 有本 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【シドニー事務所】オーストラリアの学校で進むスマホ禁止政策 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 私たちの生活に欠かせないスマートフォン(スマホ)。電話やメール、地図、財布など多岐にわたる役割を持ち、手離さない時は無い存在です。そんな スマホについて、オーストラリアのこどもたちの間では、近年大きな動きが生じています。 高校も含め、オーストラリアの公立学校では、私用のスマホの使用が禁止される動きが進んでいます。(※1)(※2)2020年1月末のビクトリア州から はじまり、昨年末までに国内8つの州・準州のうち6つにおいて、全ての公立学校でスマホの使用が全面的に禁止されています。そして、今年1月末の新学期 から、残る2つの州・準州においても同様の方針が導入されました。 具体的な禁止方法は、例えばニューサウスウェールズ州であれば、州の教育省が提示する4つの解決策から、学校ごとに教師、保護者、そして生徒も交えた 協議により決定されます。(※3)使用禁止が始まる前には、「手元にないと不安」「スマホがないと生きていけない」という批判が生徒からあがりましたが、 実際に実施してみたところ、ある学校の生徒たちからは「6時間スマホに触れないことで中毒性が薄れた」「家に帰ってスマホをチェックしても、クラス メイトも皆制限されているから、見るものがなくなった」という声があがっています。 また、使用禁止の主な目的として、ネットいじめの防止、教室環境の改善、生徒の学業成績向上が挙げられますが、これについても使用禁止を実施した ある学校からは社会的・感情的知性が向上し、いじめの件数が減ったという反応が出ています。 つい頼りたくなってしまうスマホ。今回の取り組みを知って自分の使用頻度について考えさせられました。スマホ禁止の政策が子どもたちにとってだけ ではなく、私達大人にも一石を投じるものであることを感じました。 シドニー事務所 調査員 Emily Yamanishi 参考資料 (※1)日本の小・中学校では私用の携帯電話の持ち込みは原則禁止、高校でも校内での使用が制限されています https://www.mext.go.jp/content/20200803-mxt_jidou02-000007376_2.pdf (※2)オーストラリアの公立学校事務の権限は、小・中学校も含めて全て州・準州政府にあります。また、州・準州政府によってはこの禁止措置を選挙公約 の柱としているところもあります。 (※3)4つの解決策として、「教室内では電源を切り、鞄などにしまう」「ロッカーに保管し、終日持ち歩かない」「磁器ロックされた袋に収納する (学校終わりにロックを解除する)」「職員室に預け、下校時に返却される」が挙げられています。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【シンガポール事務所】シンガポールとマレーシアをつなぐ鉄道 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ シンガポールで生活していると、JBという単語を良く耳にします。JBとはマレーシアのジョホールバルという地名の略称で、シンガポールとの国境に位置 しています。今回は、このJBとシンガポール北部のウッドランズという場所を結ぶ国際鉄道についてお話します。 JBとウッドランズは1923年以来「ジョホール・シンガポール・コーズウェイ」と呼ばれる陸橋でつながっています。(※1)マレーシア運輸相によると、通勤 ・通学等のためにこの陸橋を往来する人々は毎日約35万人いると言われています。移動手段は車、バス、国際鉄道になるのですが、車両交通渋滞や税関での混雑が 問題となっています。(※2)空いている状態であれば数分ほどで往来可能なのですが、混雑のために1~2時間、曜日によっては3時間以上かかるという状態が常です。 この問題を解決すべく、2010年にシンガポール・マレーシアの総意で「RTS Link Project」が立ち上がりました。(※3)RTSは"Rapid Transit System (高速輸送システム)"の略称です。具体的には、2026年12月までにJBとウッドランズ間の鉄道を新たに開通させるプロジェクトで、車両による移動を減少させ、 混雑の緩和をはかる効果が見込まれています。ちなみにこの鉄道が開通した場合、1時間で約1万人の乗客を運ぶことができるとされています。また、この プロジェクトの中には、鉄道のみならず、シンガポール及びマレーシアの出入国に係る審査機関(イミグレーション、関税、ICQ)を新たに、同一建物内に 造設することも含まれており、混雑状況の緩和だけでなく、手続きの利便性の向上も期待されています。 なお、新しい国際鉄道は、シンガポール・マレーシア双方にとって注目のトピックなだけでなく、日本人も注目できるポイントがあります。実はこのプロジェクト の一部を日系の建設会社が受注しており、両国の発展に日本の技術が貢献しているのです。(※4)この点にも着目しつつ、今後の鉄道開通に注目していきたいところです。 シンガポール事務所 所長補佐 黒岩 (参考資料) ※1:National Library Board Singapore https://www.nlb.gov.sg/main/article-detail?cmsuuid=74fd954b-2970-4c10-a74f-5df4c22eee28#:~:text=Background,known%20as%20the%20Tebrau%20Straits ※2:The Business Times https://www.businesstimes.com.sg/international/singapore-and-malaysia-strengthen-ties-mou-special-economic-zone-johor-rts-link-65 ※3: The Strait Times https://www.straitstimes.com/multimedia/graphics/2023/12/rts-link/index.html?shell MRT CORP https://www.mymrt.com.my/projects/rts-link/ ※4:五洋建設 https://www.penta-ocean.co.jp/news/2020/201130.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【北京事務所】中国の観光物産展での効果的なPR ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ コロナ政策の緩和を受け、2023年以降、中国でもリアルイベントの割合が高まりつつあり、北京事務所においても各自治体の魅力をPRする観光物産展へ参加する 機会が増えています。自治体が作成するパンフレット等の広告媒体はそれぞれ趣向が凝らされていますが、中国の方々が特に興味を示すものには一定の傾向が 見受けられますので、これまでの経験に基づき紹介させていただきます。 まず、パンフレットについてですが、デジタル化が進んでいるとはいえ、観光物産展においては、その場で手に取りやすく、見やすい紙媒体のパンフレットが 効果的です。多くの方に持ち帰っていただくためには、表紙が鍵となります。中国の方は華やかなデザインで色鮮やかなものを好む傾向があり、例えば、その 地域の代表的な建築物やオブジェが写る風景、金・銀色の線で書かれたデザインが好まれます。留意すべき点は、自治体名をアルファベット表記のみにしない ことです。日本語と中国語は漢字表記が同じでも、読み方が異なることから(例:大阪、osaka(日)daban(中))、アルファベット表記のみだと、中国の方に とって地名を認識することが難しくなります。 次に、動画でのPRですが、観光物産展では動画を連続再生することが多いため、途中のどこから見ても魅力が伝わりやすい短めの動画(約2分以内)が望ましい です。逆に、ストーリー仕立ての構成になっている複雑なものや長すぎたりするものは向いていないといえるでしょう。 今後、ますます中国国内でのリアルプロモーションの機会が増えることが予想されます。クレア北京事務所は、こうしたノウハウを生かしつつ、自治体の PR活動に積極的に取り組んでまいります。 北京事務所 所長補佐 松本 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【ソウル事務所】韓国自治体職員へクレアの活動を紹介しました! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ クレアソウル事務所は2月2日(金)、ソウル市内で行われた、市道・市郡日本業務担当者会議に出席し、韓国自治体職員へ活動紹介を行いました。 当会議は、大韓民国市道知事協議会が主催しており、韓国の広域自治体や基礎自治体において、主に日本との交流を担当する職員を招き、国際交流に関する 講義を実施する会議です。 講義では、韓国の自治体と日本の自治体との交流を支援する団体としてのクレアソウル事務所の活動内容や、日韓の自治体交流の現況を紹介しました。 韓国では、1月に人事異動が行われる場合が多く、今回の講義を通じて、新たに日本との交流担当となった韓国の自治体職員に、クレアソウルの存在を 知ってもらうことともに、自治体の国際交流に関連した相互の国のプログラムや制度の違いを比較するよい機会となりました。 最近の韓国内の自治体の国際交流の状況としては、航空便の再開等により、姉妹都市提携先の日本自治体との交流が再開、活性化している一方で、新規に 姉妹都市提携を目指し、特産品や地理的共通点などを通して、日本自治体の交流の機会を探るなど、交流に積極的な自治体が増加していると感じられます。 来年度以降も、両国の自治体間交流がより一層増えるよう、ソウル事務所としてもしっかり支援して参ります。 ソウル事務所 所長補佐 杉本 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【編集・発行】一般財団法人自治体国際化協会(企画調査課) 〒102-0083 東京都千代田区麹町1-7 相互半蔵門ビル7F HP: https://www.clair.or.jp/ TEL:03-5213-1722 FAX:03-5213-1741 Copyright(C) 2023 Council of Local Authorities for International Relations. 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