CLAIR(クレア)一般財団法人自治体国際化協会

サイト内検索

文字サイズの
変更

色の変更

CLAIRメールマガジン

CLAIRメールマガジンバックナンバー

vol.346「柔軟な働き方に係るガイドラインについて」

__________________________________ 
■□■□
□■□    CLAIRメールマガジン vol.346(2024年7月12日)
■□     「柔軟な働き方に係るガイドラインについて」
□       
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                            T O P I C S               
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
≪CLAIRからのお知らせ≫
【INFO】令和6年度 国際協力推進セミナー(経済交流課)
「国際協力の架け橋:自治体、地域、NPO・NGOとの協働の未来」を開催します!

【INFO】令和6年度 第2回海外経済セミナー(経済交流課)
「先進地域から学ぶ!サステナブルツーリズム推進の意義」を開催します!

【INFO】(多文化共生課)
令和6年度豪州多文化主義政策交流プログラムの参加者を募集しています!

【INFO】(経済交流課)
ニセコ町と倶知安町の事例に学ぶ:住民のための観光施策

≪海外事務所コラム≫
【シンガポール事務所】柔軟な働き方に係るガイドラインについて

【ロンドン事務所】ロンドンの公共交通機関では当たり前?「オープンループ」とは

【パリ事務所】パリの公園事情

【北京事務所】中国の夜間経済

【シドニー事務所】人も鳥も住みやすい世の中に

【ソウル事務所】ソウル野外図書館でリフレッシュ

【ニューヨーク事務所】公選職へのハラスメント防止について(カナダ)

□■━━━━━━━━━━...‥‥...━...‥‥...━...‥‥...━━━━━━━━■□
             CLAIRからのお知らせ
□■━━━━━━━━━━...‥‥...━...‥‥...━...‥‥...━━━━━━━━■□
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【INFO】令和6年度 国際協力推進セミナー(経済交流課)
「国際協力の架け橋:自治体、地域、NPO・NGOとの協働の未来」を開催します!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 クレアでは、自治体が行う国際協力事業の中でも先駆的な役割を果たし、自治体が国
際協力事業を行う上で参考になり得る事業を「モデル事業」として認定し、経費の助成
を行っています。
 本セミナーでは、話題提供や過去のモデル事業の事例紹介等を通して、地方自治体と
NPO/NGO等との協働による国際協力の意義についての理解を深めていただくと共に、モ
デル事業の概要や申請方法についてオンラインでご紹介します。
 モデル事業は、海外向け事業を取り扱う部署に限らず、どの分野にも活用可能です。
ぜひお気軽に本セミナーにご参加いただき、活用をご検討ください!

■開催日時:令和6年7月30日(火)  13:30~15:30
■主  催:一般財団法人自治体国際化協会 市民国際プラザ
■後  援:(申請中)総務省、JICA東京、北九州市上下水道局、士幌町、神石高原町
■内  容:話題提供「PHD協会の国際協力、国際交流、多文化共生」
            (公財)PHD協会 事務局長 坂西卓郎氏
      事例紹介1「ベトナム国ハイフォン市における浸水被害軽減のための組織強化プロジェクト」
            北九州市上下水道局 広域・海外事業部
      事例紹介2「『士幌町インターンシッププログラム』による士幌町とキルギスの人材育成・地域交流」
            北海道士幌高校
      事例紹介3「神石高原町を拠点にしたアジア地域の農業人材育成事業」
            (特活)ピースウィンズ・ジャパン
■申込方法:事前申込必要
※7月26日(金)までに、下記URLからお申し込みください。
 URL: https://www.plaza-clair.jp/information/contents/00116978.html

<お問い合わせ先>
一般財団法人自治体国際化協会 交流支援部 経済交流課(担当:宮内、サラ)
TEL:03-5213-1726
E-Mail:kokukyo@clair.or.jp

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【INFO】令和6年度 第2回海外経済セミナー(経済交流課)
「先進地域から学ぶ!サステナブルツーリズム推進の意義」を開催します!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 本セミナーでは、持続可能かつ発展性のある観光を目指す「サステナブルツーリズム」の推進
によるメリットや、先進自治体における具体的な取組事例について、パネルディスカッション形
式でご紹介いたします。
 参加費は無料、先着順となります。インバウンド誘致、国際関係、サステナブル/ESG/SDGs等
にご関心のある自治体のご担当者様をはじめ、多くの皆様のご参加をお待ちしております!

■開催日時:令和6年7月31日(水)14:00~16:00
■場  所:オンライン(ZOOMウェビナー)
■内  容:1講演・話題提供
       岡田 美奈子 氏(追手門学院大学 地域創造学部 教授)
      2先進自治体による事例紹介・パネルディスカッション
       京都府美山町 高御堂 和華 氏
       ((一社)南丹市美山観光まちづくり協会 事務局長)
       愛媛県大洲市 井上 陽祐 氏
       ((株)KITA CEO・(一社)キタ・マネジメント CMO)
■申込方法:事前申込必要
※7月26日(金)までに、下記URLからお申し込みください。
 URL: https://economy.clair.or.jp/activity/seminar/ 

<お問い合わせ先>
一般財団法人自治体国際化協会 交流支援部 経済交流課(担当:加納、宮内、長田)
TEL:03-5213-1726
E-Mail:keishin@clair.or.jp

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【INFO】(多文化共生課)
令和6年度豪州多文化主義政策交流プログラムの参加者を募集しています!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 人口の約3割が海外生まれという多民族国家オーストラリアでは、行政、NPO、地域
社会が一体となって多文化主義政策を展開し、多文化主義の思想が社会各層に浸透してい
ます。本研修はオーストラリアで活躍している多文化共生実践者との意見交換などを通じ
て、日本の地域における多文化共生の取組みのヒントを見いだすことを目的としたプログ
ラムです。ぜひ、ご応募ください!

■開催日時:2024年11月25日(月)~2024年11月30日(土)
■場  所:オーストラリア メルボルン都市圏
■対  象:(1)地方公共団体(都道府県及び市区町村)の職員
      (2)地域国際化協会の職員
      (3)地方公共団体や地域国際化協会の推薦を受けたNPO等民間
         団体・国際機関の職員等、又は市区町村国際交流協会の職員
■主  催:一般財団法人自治体国際化協会
■申込期限:2024年8月30日(金)まで
■研 修 費:無料。ただし、旅費・宿泊費等の必要経費は各自負担。

※内容や申込方法などの詳細情報は下記URLをご覧ください。
 URL: https://www.clair.or.jp/j/multiculture/jiam/page.html

<お問い合わせ先>
プログラム内容について:シドニー事務所 (担当:辻脇、西村)
TEL:+ 61-2-9241-5033 /E- Mail:mailbox@ jlgc.org.au
お申込み・助成について:多文化共生課 (担当:田淵)
TEL:03-5213-1725 / E-Mail:tabunka@clair.or.jp

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【INFO】(経済交流課)
ニセコ町と倶知安町の事例に学ぶ:住民のための観光施策
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 近年、メディアで頻繁に取り上げられるニセコ。オーバーツーリズムやインバウンド価格など、
キャッチーなフレーズばかりが注目を集めていますが、自治体の取り組みや職員の想いにまで焦
点が当てられることは少ないのではないでしょうか。本記事では、自治体職員へのインタビュー
を通じ、より良い町民の暮らしを目指して、さまざまな施策を展開してきたニセコ町と倶知安町
(くっちゃんちょう)の事例を紹介します。

URL:  https://economy.clair.or.jp/casestudy/inbound/10140/ 

<お問い合わせ先>
一般財団法人自治体国際化協会 経済交流課
TEL: 03-5213-1726   FAX:03-5213-1742
E-Mail: keishin@clair.or.jp

□■━━━━━━━━━━...‥‥...━...‥‥...━...‥‥...━━━━━━━━■□
              海外事務所コラム
□■━━━━━━━━━━...‥‥...━...‥‥...━...‥‥...━━━━━━━━■□
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【シンガポール事務所】柔軟な働き方に係るガイドラインについて
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 シンガポール政府は2024年4月16日、3者作業部会(※1Tripartite Workgroup )
による柔軟な働き方に関するガイドライン(Tripartite Guidelines on Flexible 
Work Arrangement (※2FWA) Requests)に係る10の勧告を承認しました。従業員が
会社でも自宅でも最善を尽くし、能力を最大限生かせる包括的かつ生産的な職場を
作ることを3者のビジョンとしています。そのためには、柔軟な働き方が重要ですが、
これには雇用主と従業員の信頼とコミュニケーションが必須であることから、ガイ
ドラインは従業員が雇用主に柔軟な働き方を要求するための方法や、雇用主がどの
ように要求に対応するかを示しています。
 例えば、従業員がFWAを要求すると雇用主は適切に考慮し2ヵ月以内に従業員と話
し合ったうえで、要求を却下する場合は代替案を示すことが推奨されています。ガ
イドラインには、却下理由として不合理となる例の記載等もあるほか、添付資料と
して従業員が正式な FWA リクエストを提出するためのテンプレートや、雇用主が回
答するテンプレートの掲載もあります。
 なお、本ガイドラインの対象となるのは中小企業を含む全ての雇用主と従業員で
あり、2024年12月1日から有効となることから、引き続きシンガポールにおける柔軟
な働き方に関する状況を注視していきたいです。

(※1)人材開発省(Ministry of Manpower)、全国労働組合会議(National Trades Union Congress)、全国雇用者連盟(Singapore National Employers Federation)の3者で構成される。
(※2)ガイドライン内で、FWAは大きく1FLEXI-PLACE(オフィス以外の場所での勤務等)、2FLEXI-TIME(フレックスタイム制、時差勤務等)、3FLEXI-LOAD(ジョブシェアリング、パートタイム等)の3つのカテゴリーに分かれるとされている。
                 シンガポール事務所 所長補佐 大辻 麻梨乃
<参考文献・引用文献>
・人材開発省ウェブサイト:
https://www.mom.gov.sg/newsroom/press-releases/2024/0416-launch-of-tripartite-guidelines-on-fwa-requests-and-tripartite-workgroup-report  
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【ロンドン事務所】ロンドンの公共交通機関では当たり前?「オープンループ」とは
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 筆者は普段、地下鉄を利用して通勤していますが、切符を買うことも交通系ICカ
ードをチャージして利用することもありません。通常のショッピングのように、携
帯電話のモバイルウォレットに所有するカードを改札のリーダーにかざすのみです。
筆者に限らず、ロンドンの地下鉄やバスを利用する人々の多くがコンタクトレス対
応のクレジットカードもしくはデビットカードを利用しており、2022年10月のロン
ドン交通局(Transport for London)の統計によれば、全体の約71%がコンタクト
レス決済を利用しています。また、店舗でのコンタクトレス決済による£100以下の
決済件数の割合が、2023年に過去最大の93.4%に達するなど、ロンドンでは公共交
通機関以外でもキャッシュレス化が進んでいます。
 このように、コンタクトレス対応のカードで公共交通機関を利用できるシステム
は「オープンループ」と呼ばれています。現在では、ロンドンのみならずシンガポ
ールやニューヨークでも導入されていますが、ロンドンの地下鉄やバス、トラムな
どを運営するロンドン交通局が世界の主要都市で初めてオープンループを採用した
といわれています。ロンドン交通局におけるオープンループの導入は、2012年のロ
ンドンオリンピックが契機となりました。同年にバスで導入されたのち、2年後の
2014年には地下鉄を含む他の公共交通機関に対象を広げ、正式に運用されるように
なりました。
 日本においては、2023年11月時点で88の鉄道会社がオープンループの導入を決定
しています。そのほか、西日本では2025年の大阪・関西万博に備え、近畿日本鉄道
など主要鉄道会社3社が2024年内に、全駅にコンタクトレス決済のカードリーダー
を設置することを発表しています。
 一方で、オープンループの導入にはデメリットがないように思われますが、コン
タクトレス対応のカードリーダーは、交通系ICカード用のカードリーダーと比較し
て約1.5倍の時間を処理に要します。筆者の経験からも、日本の改札では立ち止ま
ることなくスムーズに通過できますが、ロンドンの改札では数秒立ち止まる必要が
あるように感じます。このような理由から、今後日本では現在利用されている紙の
切符や交通系ICカードはそのままに、オープンループはあくまでサービスの選択肢
のひとつとして普及するだろうといわれています。
 海外からの旅行者にとっても、日本に住む人々にとっても、より便利に公共交通
機関が利用できる未来を期待しています。
                      ロンドン事務所 所長補佐 佐々木
<参考文献・引用文献>
・ロンドン交通局HP
https://tfl.gov.uk/info-for/media/press-releases/2022/october/new-analysis-shows-that-pay-as-you-go-with-mobile-on-the-tube-now-more-popular-than-before-the-pandemic 
・2023年のコンタクトレス決済件数の割合が最大に
https://www.credit-connect.co.uk/news/record-number-of-contactless-payments-in-2023/ 
・ロンドン・シンガポール・ニューヨークにおけるタッチ決済の導入
https://www.smbctb.co.jp/gp100/article011/  
・オープンループとアーバンモビリティについて
https://www.visa.com.hk/content/dam/VCOM/regional/na/us/sites/documents/veei-reimagining-ridership.pdf 
・オープンループについて
https://www.watch.impress.co.jp/docs/series/suzukij/1430443.html
・西日本における主要鉄道会社でのクレカ決済導入
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF0238E0S3A101C2000000/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【パリ事務所】パリの公園事情
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 パリ市民は公園が大好きです。夏のパリは日が長く、午後4時頃から学校を終え
た子供が公園に集まりはじめ、午後7時まで大勢の人がいるということも珍しくあ
りません。晴天の週末になると、親子連れだけでなく、ひなたぼっこをするご老人
や犬と遊ぶ家族、誕生日パーティーをしたり、出身国ごとで母国の料理を楽しむグ
ループがいたり、多くの住民が思い思いに公園を楽しんでいます。筆者が驚いたの
は、中高生が散歩やピクニック、卓球や読書を楽しんでおり、若者にとっても公園
が身近であることです。
 パリ市が管理する公園は531箇所あり、筆者が現在住むアパートの徒歩10分圏内
にも、少なくとも3つの公園があります。筆者の2歳の子供も公園が大好きで、晴
天の日には、午前、午後の2回遊びに行くのが日課になっています。フランスでは、
子供を一人で遊ばせ、親は少し離れた場所から見守るのが一般的なようで、遊ばせ
方も日本との違いを感じます。
 また、公園を管理するために約3,000人が従事しており、樹木の剪定などが行き
届いています。自宅近くの公園は毎日夜間には施錠され、定期的にベンチのペンキ
が塗りかえられたり、子供が遊ぶスペースや遊具下の地面はゴム材が敷き詰められ
たりするなど、親としても安心できます。
 海外で現地のコミュニティに飛び込んでいくには少し勇気が必要ですが、公園の
使い方や管理方法の違いが分かり、興味深い経験になりました。今後とも生活にお
ける日仏の差異をさまざまな点で感じ取っていきたいと思います。
                        パリ事務所 所長補佐 灰屋
<参考文献・引用文献>
・パリ市HP:
https://www.paris.fr/pages/espaces-verts-139#:~:text=Ils%20attirent%20des%20millions%20de,jardinets%20ou%20ronds%2Dpoints). 
https://www.paris.fr/pages/10-choses-que-vous-ne-saviez-peut-etre-pas-sur-les-parcs-et-jardins-de-paris-9065 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【北京事務所】中国の夜間経済
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 近年、中国の各地方では、夜間経済(ナイトタイムエコノミー)が推進されてい
ますが、筆者が出張や旅行で中国国内の地方に行く度にいつも、地方ごとに特色あ
る夜景や夜市で賑わう人々の様子から中国の活気を感じます。今回は最近訪れた中
で最も印象に残っている西安の夜間経済の例を紹介します。
 そもそも夜間経済とは、日没から翌朝までに展開される飲食・観光などの経済活
動のことを指します。西安は歴史と現代が融合した独特の魅力を持っており、多様
なナイトスポットやイベントが市民や観光客を惹きつけています。西安・大唐不夜
城は唐代の文化を背景にした歩行者天国で、夜のライトアップと舞台芸術や音楽の
パフォーマンスが人気となっており、観光の目玉スポットです。また、イスラム教
徒である回族と漢族などの文化が入り交じる回民街の夜市は地元グルメを楽しむ人
々で賑わい、多文化共生の象徴とも言える場所で、活気に満ちた光景を目の当たり
にすることができます。
 西安日報によると、西安市政府は2023年、「10の夜間消費集積区の創設」を掲げ、
鐘楼や大雁塔などの中心観光・商業圏を基点に、多様な都市級・地域級商業圏や夜
間観光スポットを網羅する夜間経済空間の形成をめざす計画を発表しました。また、
10の夜間消費集積区、26の夜間消費地標、100の人気スポットを公開し、夜間消費
ガイドや地図を制作するなど、情報提供にも力を入れています。
 中国全体では、2023年の夜間観光の市場規模が約32兆円にのぼると言われており、
今後も拡大を続けることが期待されています。
                        北京事務所 所長補佐 松本
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【シドニー事務所】人も鳥も住みやすい世の中に
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 多様でユニークな自然で有名なオーストラリアは世界的にみても固有種が多く、
これまでに確認されているだけでも、植物の86%、魚類の24%、両生類の94%、爬
虫類の93%、鳥類の45%、哺乳類の87%が豪州にのみ棲息する生き物だと言われて
います。(※1)活動支援業務の一環で、湿地提携を元にした人的交流事業に同行
支援を行う中で、サテンニワシドリについて知る機会があったので、今回ご紹介し
たいと思います。
 サテンニワシドリは豪州の東部の海岸および隣接する熱帯雨林や乾燥した森林の
端に棲息しています。繁殖期になるとオスは求愛のためにメスを呼ぶ東屋を作りま
すが、オスは東屋の周りにメスにとって魅力的なものを置いてメスを引き寄せよう
とします。中でも青色のものを好み、かつては花、葉、羽、貝殻、ヘビ皮などが使
われていたようですが、現在では彼らの棲息地が人間の住む場所と近くなったこと
もあり、人工的なものが多いようです。実際に私がメルボルン博物館内にある野生
を模した展示のなかでサテンニワシドリを見かけたのも、多くの青いペットボトル
の蓋がある場所でした。
 一方、求愛のためにプラスチックごみを集めてしまうことで、例えば牛乳のボト
ルに付属するリングが嘴や首にひっかかり取れなくなってしまい、口に絡まったま
ま死んでいる状態で見つかることもあり、プラスチックごみを減らすことや、廃棄
の際にはリングを半分に切ることが呼びかけられています。また、サテンニワシド
リにとって魅力的でないように蓋の色を変える取り組みが、一部の企業では行われ
ています。(※2)
 環境問題について考えるとき、もちろんごみの総量を減らすことも重要ですが、
どのように身近な生き物の生態に影響を及ぼしているのか知っておくのも大切なこ
とだと改めて感じました。
                        シドニー事務所 次長 小泉
<参考文献・引用文献>
(※1)WWF(世界自然保護基金)ジャパンウェブサイトより
https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/5234.html
(※2)ABCニュースより
https://www.abc.net.au/news/2018-10-06/satin-bowerbirds-falling-victim-to-plastic-waste/10215078 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【ソウル事務所】ソウル野外図書館でリフレッシュ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 クレアソウル事務所の近くを歩いていると、ソウルのオフィス街の中心にもかか
わらず、川沿いや広場にビーズクッションが並べられた光景を目にします。よく見
るとクッションのそばに本が並べられており、誰でも自由に本を手に取り利用する
ことができます。
これはソウル市が2022年から実施している「ソウル野外図書館」という取り組みで、
新型コロナウイルス感染症のパンデミック以後、開放された空間を通じた図書館利
用者の増加を図るために開始されました。訪問者数は1日1万人を超え、今年も開
始2か月で100万人が訪問しています。
 ソウル野外図書館は3つあり、クレアソウル事務所正面の光化門(カンファムン)
広場、事務所後方の清渓川(チョンゲチョン)沿い、ソウル市庁舎前の3か所に
約2,700席が設けられています。筆者も時折利用しており、昼休憩時に清渓川沿いの
ベンチに座り、川のせせらぎを聞きながらビルの影で佇むと気分がリフレッシュさ
れます。
 今年から夏場は夜まで開放され、ライトアップされた素敵な雰囲気の中、合唱団
による公演や映画の上映会など様々なイベントが行われています。
 野外図書館は韓国全土に広がりを見せており、休息と文化を同時に享受できる文
化プラットフォームとして今後も拡大していくことが期待されます。
                       ソウル事務所 所長補佐 中村 
<参考文献・引用文献>
・ソウル市:
https://www.seoul.go.kr/news/news_report.do#view/413793?tr_code=short
https://news.seoul.go.kr/culture/archives/524071
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【ニューヨーク事務所】公選職へのハラスメント防止について(カナダ)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 近年、カナダでは地方自治体の公選職に対する嫌がらせ、脅迫、暴力行為の増加
が問題となっています。6月6日から9日まで、カナダのカルガリーで開催された
カナダ自治体連合(The Federation of Canadian Municipalities)の年次総会に
おいて当該団体の年間の活動方針を定める決議会議(Resolutions plenary)でこ
の問題が取り上げられていたのでご紹介します。 
 例えば、次のような公選職へのハラスメントが紹介されています。
・ケベック州では、市長と市議会議員の74%が嫌がらせや脅迫を経験しています。
  これにより、2021年の地方選挙以降これまでに、10%の選出役員が辞任しました。
・ブリティッシュコロンビア州では、シルバートン市の市長が嫌がらせを理由に辞
  任しました。また、ランフォード市の議員は自宅での嫌がらせを受け、許可なく
  窓越しから写真を撮られました。
特に、女性、性的マイノリティ、黒人、その他人種的マイノリティがハラスメント
のターゲットにされているようです。このような嫌がらせは、現職やこれから公選
職になろうとする方々に対する心理的及び物理的な影響だけでなく、民主主義その
ものに対する脅威となっており、連邦政府、州政府、地方自治体が協力してこの問
題に取り組むべきであるとの指摘がなされました。
 そのため、連邦政府が取り得る具体的な取り組みとして、次のようなことが例示
されました。
・ハラスメントに対処するための全国的なガイドラインを策定するための専門家パ
  ネルを招集する。
・ハラスメントの防止、対処を目指した公共教育及び意識向上キャンペーンを実施
  する。
・新しい法律を策定してハラスメントをより抑止し、公選職の保護を検討する。
日本においては、公選職がハラスメントの加害者となるケースでニュースになるこ
とが多いように思われますが、カナダにおいては、公選職がハラスメントの被害者
となるケースが大きな社会問題となっています。
 このようなハラスメントによって、社会的弱者やマイノリティの代弁者となる方
が公選職を諦めざるを得ない状況が広がることは非常に憂慮すべき事態です。この
総会は、多様性が尊重されることの重要性を改めて認識する機会となりました。
                    ニューヨーク事務所 所長補佐 光永
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集・発行】一般財団法人自治体国際化協会(企画調査課)
〒102-0083 東京都千代田区麹町1-7 相互半蔵門ビル7F
HP < https://www.clair.or.jp/ > TEL:03-5213-1722 FAX:03-5213-1741

Copyright(C) 2024 Council of Local Authorities for International Relations.
All Rights Reserved.  許可なく転載することを禁じます。

配信解除は、下記の登録解除フォームにより手続きをお願いします。
 https://www.clair.or.jp/j/mailmagazine/index.html#unsubscribe
このページに関するお問い合せ先

総務部企画調査課
電話:03-5213-1722 Fax:03-5213-1741
Email:kikaku@clair.or.jp

ページの先頭へ