CLAIRメールマガジンバックナンバー
vol.367「米国の"決済"事情に変化が?」
__________________________________ ■□■□ □■□ CLAIRメールマガジン vol.367(2025年6月13日) ■□ 「米国の"決済"事情に変化が?」 □  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ T O P I C S ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ≪CLAIRからのお知らせ≫ 【INFO】(経済交流課)琉球泡盛のアジア展開について知りましょう! 【INFO】(交流親善課)オンライン交流セミナー「第19回自治体国際交流表彰 受賞団体による交流事例紹介」を開催します! 【INFO】(ニューヨーク事務所)オンラインセミナー「日米パートナーシップ における地域間交流のあり方について」開催のお知らせ 【INFO】参加者募集中!オンライン海外展開セミナー 入門講座 海外展開の最初の一歩1~なぜ今、海外市場なのか~ 【INFO】(経済交流課)令和7年度 国際協力推進セミナー「地域発の国際協力 ~持続可能な未来を共につくる~」をオンラインで開催します! ≪海外事務所コラム≫ 【ニューヨーク事務所】米国の"決済"事情に変化が? 【シンガポール事務所】シンガポールの興味深い選挙制度について 【パリ事務所】ETIAS続報:ETIASの運用開始は2026年第4四半期に延期 【シドニー事務所】NSW州、Anzac Dayの本来の意味を守るため小売店を終日閉店 【ロンドン事務所】イングランドにおける地方選挙結果と影響について 【ソウル事務所】全羅南道でアジア友好地域交流会議に参加しました! 【北京事務所】桜だけではない?中国における花見事情 □■━━━━━━━━━━...‥‥...━...‥‥...━...‥‥...━━━━━━━━■□ CLAIRからのお知らせ □■━━━━━━━━━━...‥‥...━...‥‥...━...‥‥...━━━━━━━━■□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【INFO】(経済交流課)琉球泡盛のアジア展開について知りましょう! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 琉球の伝統蒸留酒「泡盛」の海外、特にアジアでの認知度を高めるため、ブランディ ングを手掛ける民間のI&CO(グローバル・イノベーション・ファーム)が、海外へ の販路開拓のため沖縄県に打診し、泡盛のリブランディングをプロデュース。 沖縄県と共同で泡盛の海外展開を始めた経緯、苦戦したことや、リブランディン グ後の成果等を掲載。今後海外展開を考えている方に役立つ情報ですので、ぜひご 覧ください。 〈 https://economy.clair.or.jp/casestudy/10500/ 〉 <お問い合わせ先> 一般財団法人自治体国際化協会 経済交流課 「経済活動情報発信事業」担当者 TEL:03-5213-1726 E-Mail:keishin@clair.or.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【INFO】(交流親善課)オンライン交流セミナー「第19回自治体国際交流表彰 受賞団体による交流事例紹介」を開催します! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第19回自治体国際交流表彰(総務大臣賞)を受賞された団体における国際交流 事例を紹介する「オンライン交流セミナー」を2025年7月16日(水)に開催します。 今回は、マレーシアと教育、文化・スポーツ、農業など幅広い分野で交流を展開 する「三芳町」、アメリカ、ドイツと平和をテーマに青少年交流を積み重ねる 「公益財団法人 長岡市国際交流協会」、ベトナムにおける安全な水の普及のため の技術協力を展開する「北九州市」にご登壇いただきます。 セミナーの詳細や参加登録の方法などは、下記ホームページに掲載しています。 多くの自治体及び地域国際化協会等関係者の皆様のご参加をお待ちしております。 ■開催日時:2025年7月16日(水) 14:00~15:00 ■開催方法:オンライン(Zoomウェビナー) ■対 象:全国の自治体及び国際交流団体等の関係者 定員200名程度 ■申込方法:事前申込必要 ※7月9日(水)までに、当協会HPからお申し込みください。 オンライン交流セミナーURL:〈 https://www.clair.or.jp/j/exchange/shien/online_seminar.html 〉 <お問い合わせ先> 一般財団法人自治体国際化協会 交流支援部 交流親善課(担当:林) TEL: 03-5213-1723 FAX: 03-5213-1742 E-mail: koushin@clair.or.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【INFO】(ニューヨーク事務所)オンラインセミナー「日米パートナーシップ における地域間交流のあり方について」開催のお知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 当事務所では、日本の自治体関係者の皆様に参考となる情報をお届けする ウェビナーシリーズを開催しています。 本セミナーでは、経済成長やイノベーションの創出、グローバルな課題への 対応といった観点に加え、変動する米国の現状を踏まえながら、日米両国の地域 がどのようにパートナーシップを深め、互いの強みを活かして持続可能な地域間 交流を構築しているのかを探ります。3名のパネリストを迎え、地域経済の活性 化や人材育成、国際連携の推進などの実践例とともに、当事者の経験を交えて多 角的にご紹介します。 ■開催日時:2025年6月27日(金)午前9時から午前10時まで(日本時間) ■開催方法:オンライン(事前登録制) ■パネリスト:カルロ カピュア 氏、水谷 めぐみ 氏、リーブス 真美子 氏 ■対象者:自治体職員等の日米の交流に関心のある方 ■言 語:日本語 ■申込方法:下記URLからお申込みください。 〈 https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_Z95cEZhJSlSub1zCHOTq0g 〉 ■問合せ先:jlgc@jlgc.org <パネリストプロフィール> ・カルロ カピュア 氏 日米姉妹都市協会 (SCI )理事長。テキサス州フォートワース在住。新潟県長岡市で JET 英語教師(2000年―2004年) を務める。日本文化、日本のロック音楽、日本食に 精通。レインウォーター慈善財団の戦略ディレクター。 ・水谷 めぐみ 氏 SCI 理事。カリフォルニア州セバストポール在住。東京都出身。2008 年以来、セバ ストポールと佐賀県武雄市の間の姉妹都市プログラム運営に携わる。カリフォルニア と日本の間にある 100 以上の姉妹都市/友好都市をサポートすることを目指し、2018 年にカリフォルニア日本姉妹都市ネットワーク(CJSCN)を共同設立。 ・リーブス 真美子 氏 万博USAパビリオンの姉妹都市協会ユースアンバサダーマネージャー。Machi Training and Research 共同創立者。ノースウッド大学の元副学長補佐兼国際学部 長。ミシガン州ミッドランド在住。名古屋出身。ノースイースタン大学院より組織リ ーダーシップ学教育博士号取得 <お問い合わせ先> (一財)自治体国際化協会ニューヨーク事務所 坂倉 Mail:jlgc@jlgc.org ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【INFO】参加者募集中! オンライン海外展開セミナー 入門講座 海外展開の最初の一歩1~なぜ今、海外市場なのか~ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 人口減少・市場縮小が進む日本において、成長機会を海外に見出す企業が増えています。 本セミナーでは、北米を中心に年間50社以上の海外展開を支援する講師が、 「なぜ今、海外市場なのか?・海外進出のメリットなど」を事例も交えながら、 わかりやすく解説します。 ※7月23日(水)開催「海外展開の最初の一歩2~スモールスタートで小さく始める 海外ビジネス~」も是非ご視聴ください。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ●開催概要 ・日 時:2025年6月20日(金) 14:00~15:30 ・開催方法:Zoomによるオンライン配信 ・定 員:200名(開催日当日直前まで募集中) ・参加料金:無料(参加申込が必要です) ・主 催:グローバルコネクト福岡 (福岡県商工部スタートアップ推進課海外展開支援係) ※参加申込の受付は先着順で行います。 ※定員に達した場合は、期日よりも前に申込を締め切る場合があります。 〈 https://gcfukuoka.com/supportprogram?target=desire_to_overseas 〉 ・講 師 株式会社グロスペリティ 代表取締役 岩崎 正隆 氏 ●参加申込方法 当セミナーに参加をご希望の方は、グローバルコネクト福岡のホームページにて お申し込みください。定員あり・先着順ですので、お申し込みはお早目に! ※参加申込URL↓↓↓ 〈 https://zoom.us/webinar/register/WN_ppLEg9XjRO6dKZc17q982Q 〉 ●お問い合わせ先 グローバルコネクト福岡 (福岡県商工部スタートアップ推進課海外展開支援係) 電話:092-643-3430 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【INFO】参加者募集中! オンライン海外展開セミナー 入門講座 海外展開の最初の一歩2~スモールスタートで小さく始める海外ビジネス~ ★開催日時:2025年7月23日(水) 14:00~15:30 〈 https://gcfukuoka.com/supportprogram?target=desire_to_overseas 〉 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「海外展開=大きな投資」と思っていませんか?本セミナーでは、B2B・B2Cいずれの 事例も交えながら、自社ブランディングやセールスポイント強化なども取り上げ、 資源を抑えて成果を出す"スモールスタート型"海外進出の考え方を解説します。 小さく始めて大きく育てる――現実的な第一歩の設計方法を学べるセミナーです。 ※6月20日(金)開催「海外展開の最初の一歩1~なぜ今、海外市場なのか?~」 も是非ご視聴ください。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ●開催概要 ・日 時:2025年7月23日(水) 14:00~15:30 ・開催方法:Zoomによるオンライン配信 ・定 員:200名(開催日当日直前まで募集中) ・参加料金:無料(参加申込が必要です) ・主 催:グローバルコネクト福岡 (福岡県商工部スタートアップ推進課海外展開支援係) ※参加申込の受付は先着順で行います。 ※定員に達した場合は、期日よりも前に申込を締め切る場合があります。 ・講 師 株式会社グロスペリティ 代表取締役 岩崎 正隆 氏 ●参加申込方法 当セミナーに参加をご希望の方は、グローバルコネクト福岡のホームページにて お申し込みください。定員あり・先着順ですので、お申し込みはお早目に! ※参加申込URL↓↓↓ 〈 https://zoom.us/webinar/register/WN_MSy-IsGIQROTAqtQsLXf5w 〉 ●お問い合わせ先 グローバルコネクト福岡 (福岡県商工部スタートアップ推進課海外展開支援係) 電話:092-643-3430 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【INFO】(経済交流課)令和7年度 国際協力推進セミナー「地域発の国際協力 ~持続可能な未来を共につくる~」をオンラインで開催します! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ CLAIRでは、自治体が行う国際協力事業の中でも先駆的な役割を果たし、自治体 が国際協力事業を行う上で参考になり得る事業を「モデル事業」として認定し、 経費の助成を行っています。 本セミナーでは、話題提供や過去のモデル事業の事例紹介等を通して、地方自 治体とNPO/NGO等との協働による国際協力の意義についての理解を深めていただ くと共に、モデル事業の概要や申請方法についてオンラインでご紹介します。 モデル事業は、海外向け事業を取り扱う部署に限らず、どの分野にも活用可能 です。ぜひお気軽に本セミナーにご参加いただき、活用をご検討ください! ◆日 時:令和7年7月25日(金) 13:30~15:30 ◆主 催:(一財)自治体国際化協会 市民国際プラザ ◆後 援:(申請中)総務省、JICA東京、鳥取県、駒ケ根市 ◆内 容:話題提供「地域発の国際協力の意義」 認定NPO法人地球市民の会 大野 博之氏 事例紹介1「フィンランド共和国トゥルク市との学生等互派遣による 気候変動対策に資する人材育成事業」 鳥取県生活環境部 脱炭素社会推進課 土肥 瑞穂氏 事例紹介2「愛媛スリランカ技術交流事業」 公益財団法人愛媛県国際交流協会 森山 圭美氏 事例紹介3「母子保健研修センターにおける指導者養成事業」 駒ケ根市役所総務部企画振興課 吉澤 啓太郎氏 ネパール交流市民の会 北原 照美氏 ※詳細・お申込みは下記のURLをご覧ください。 〈 https://zoom.us/webinar/register/WN_4twAT43iRyOVEhtYC44eKQ#/registration 〉 申込締切:7月22日(火) ≪お問い合わせ先≫ (一財)自治体国際化協会 経済交流課(担当:岩田、サラ) Tel:03-5213-1726 / Mail:kokukyo@clair.or.jp □■━━━━━━━━━━...‥‥...━...‥‥...━...‥‥...━━━━━━━━■□ 海外事務所コラム □■━━━━━━━━━━...‥‥...━...‥‥...━...‥‥...━━━━━━━━■□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【ニューヨーク事務所】 米国の"決済"事情に変化が? ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日本の省庁や各自治体にて電子"決裁"が推進されている中、米国では電子"決済" に舵を切ろうとしています。 日本ではあまり使用することのない小切手は、米国では使用頻度は減少傾向にあり つつも、一般的な決済手段の1つです。そのような中、大統領令により、例外を除き、 政府から支払う給付金等について9月30日から小切手の利用を停止することが決定さ れました(※1)。 米国において小切手は、第二次世界大戦後に一般的になったのち、各種カードなど の普及で2000年から急激に使用率が下がりました(※2)。とはいえ現在も、社会 保障についていえば毎月486,000枚と、数にすると相当の小切手が発行されており、 紙を取り扱うコストの高さや詐欺などが問題と指摘されています(※3)。実際、 郵便ポストに投函した小切手がポストから盗難されて書き換えられるというような 事例が米国では頻発しており、筆者のオフィスでも小切手が不達になるというような 事例がしばしば発生しているため、屋外のポストではなく郵便局内のポストへの投函 を行っています。もちろん不正防止のための銀行の有料サービスなども存在しますが、 小切手を取り扱うケースを極力少なくしていくように取り組んでいます。 筆者も当地での生活立ち上げにあたって、小切手で支払う機会がありました。普段、 現金での支払いやカード払いに慣れた立場としては、とても新鮮かつ想像していたより も手軽に感じた一方で、郵送などの場合は投函の手間がかかり、ログが残りづらく、 相手の換金のタイミングがわからない中で残高に気を付けなければならないといった ことが不便にも感じました。周りを見ていると日常生活ではカードや決済アプリを利用 することが多いようです。ただ、現金払いのみ可能な店もありますし、現金払いに対し ての割引がある店も存在しています。日本と同様に、米国でも複数の決済手段に対応で きるようにしておくとよいように感じますが、小切手はいよいよ縁遠くなるかもしれません。 (※1) 〈 https://www.whitehouse.gov/presidential-actions/2025/03/modernizing-payments-to-and-from-americas-bank-account/ 〉 (※2) 〈 https://www.cnbc.com/2024/07/19/the-death-of-the-personal-check-retailers-move-toward-check-zero.html 〉 (※3) 〈 https://www.nytimes.com/2025/04/04/your-money/paper-checks-tax-refunds-social-security.html 〉 (ニューヨーク事務所 所長補佐 阿部) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【シンガポール事務所】シンガポールの興味深い選挙制度について ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 5月3日、シンガポールで5年に1度の国会議員総選挙が行われ、与党・ 人民行動党が全体の約9割にあたる87議席を獲得し大勝しました。与党が議席 の9割を獲得したと聞くと、「日本と比べて非常に多い」と感じる方もいらっ しゃるのではないでしょうか。その背景には、シンガポール特有の選挙制度が 存在しています。 シンガポールの選挙区は「小選挙区」と「集団選挙区」に分かれ、定数97議 席のうち15議席が小選挙区、82議席が集団選挙区に割り当てられています。小 選挙区は日本と同様に1選挙区から1名を選出しますが、集団選挙区では有権 者は政党に投票し、その選挙区で最多得票を得た政党が、当該選挙区の全議席 を獲得します。 たとえば、5人が選出される集団選挙区でA党が100票、B党が95票、C党が90票 を得た場合、僅差で最多得票となったA党が、5議席すべてを獲得します。その ため、今回の総選挙では与党の得票率は65.6%でしたが、与党がほとんどの集団 選挙区で勝利したため、議席数は87議席と全体の9割近くに達しました。 しかしながら、野党の意見がまったく反映されないわけではありません。シン ガポール議会の特徴の一つとして、「非選挙区選出議員」制度があり、野党の 当選者数が所定の最低確保議席数(現在は12議席)に満たない場合、落選した 野党候補者のうち得票率の高い者が議員に選出されます。つまり、野党の議席 数を最低限確保する仕組みが設けられています。 加えて「指名議員」と呼ばれる議員もいます。これは、国会に設けられた特別 選考委員会の推薦に基づき、大統領が最大9名まで任命する議員で、実業界や 産業界などから選出されます。これにより、政党に属さない民間人の視点を国 政に取り入れる工夫がなされています。ただし、非選挙区選出議員および指名 議員は、憲法改正、予算案、内閣不信任案などの議案について、表決に参加す ることができません。 このように日本とは大きく異なるシンガポールの選挙制度には、多民族国家 としての特性を反映した独自の仕組みもあります。たとえば、集団選挙区では 候補者グループにマレー系やインド系など少数民族出身者を最低1名含めるこ とが義務づけられており、立候補資格には、英語、マレー語、中国語(マンダ リン)、タミル語のいずれかを読み書きし、議会で積極的に発言できる言語能 力も求められています。 また、シンガポールは世界でもトップクラスの投票率を誇り、そこにも政府 の工夫が凝らされています。詳細は過去のメルマガ【Vol.146 シンガポールの 投票率はなぜ高い?】をご参照ください。 このような選挙制度の違いや、それが生まれた背景に目を向けることは、その 国がどのような社会を目指しているのかを理解する手がかりになるかもしれま せん。今後とも、担当国の選挙制度について関心を持ち、継続的に注視してい きたいと思います。 (シンガポール事務所所長補佐 福山) (参考資料) ・クレアシンガポール事務所 「シンガポールの政策」 〈 https://clair.or.jp/j/forum/pub/docs/singapore_2024.pdf 〉 ・Elections Department Singapore 「THE REPORT OF THE ELECTORAL BOUNDARIES REVIEW COMMITTEE, 2025」 〈 https://www.eld.gov.sg/pdf/White_Paper_on_the_Report_of_the_Electoral_Boundaries_Review_Committee_2025.pdf 〉 ・Singapore's open data portal 「GE2025: Singapore General Election Map」 〈 https://elections.data.gov.sg/en 〉 ・CNA 「GE2025: Stunning victory for PAP, winning 87 of 97 seats with higher national vote share in PM Wong's first electoral test」 〈 https://www.channelnewsasia.com/singapore/ge2025-pap-secures-victory-seats-opposition-challenge-5107201 〉 ・Parliament of Singapore 「Members of Parliament」 〈 https://www.parliament.gov.sg/about-us/structure/members-of-parliament 〉 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【パリ事務所】ETIAS続報:ETIASの運用開始は2026年第4四半期に延期 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2025年3月5日、欧州連合は司法・内務理事会で、2025年中を予定していた欧 州渡航認証(ETIAS)の施行を2026年の第4四半期まで延期する改訂スケジュール を承認しました。これにより、日本国籍者が欧州へ渡航する際に事前に電子渡航 認証を申請する必要は、少なくとも来年9月末まではなくなりました。 今回承認された改訂スケジュールでは、ETIASの導入に先立って運用が始まる欧 州共通の新しい出入国システム(ESS)は、「2025年10月から段階的に」開始する ことが定められました。これまでETIASの開始時期はESSの運用開始から6か月後と されていましたが、今回その準備期間も1年近くに伸びた形になります。また、 ETIASの公式ページによると、より具体的な開始日は施行の数か月前に公表すると しています。 延期の背景としては、欧州の30か国にもまたがる統一的なシステムの導入が難航し ているためだと報じられており、今後もスケジュールが変更になる可能性は否定で きません。 ETIASは、アメリカやイギリスの電子渡航認証と同様に申請費用がかかることから、 2026年度後半に欧州への出張を予定している自治体においては、各地の日本大使館 などが発表する最新の情報に十分注意してください。 (パリ事務所 所長補佐 柳澤) EU公式サイト 〈 https://travel-europe.europa.eu/revised-timeline-ees-and-etias-2025-04-14_en 〉 ETTIAS公式サイト 〈 https://travel-europe.europa.eu/etias_en 〉 欧州連合理事会会議録(2025年3月5日司法・内務理事会) 〈 https://www.consilium.europa.eu/en/meetings/jha/2025/03/05/ 〉 過去の延期の可能性を報じる記事;euronews 〈 https://fr.euronews.com/voyages/2024/06/16/mauvais-pour-le-tourisme-le-nouveau-systeme-dentreesortie-de-lue-risque-t-il-detre-a-nouve 〉 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【シドニー事務所】NSW州、Anzac Dayの本来の意味を守るため小売店を終日閉店 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今年、オーストラリア史上初の動きとして、4月25日のAnzac DayにNSW州のデパートや スーパーをはじめとした主な小売店が、州の法律により終日閉店となりました。(※1) これまでは、早朝から行われるDawn serviceやアンザックデーマーチおよび追悼式典に 多くの方が参加できるように、午前のみを休業とし午後1時からは営業していましたが、 退役軍人、退役軍人団体および一般大衆からの強い支持を得た公聴会期間を経て昨年可 決されたNSW州の法律により、今年から営業が終日制限されることとなりました。(※2) Anzac Dayとは、第一次世界大戦中に豪州とニュージーランド(NZ)の軍隊が初めて大規 模な軍事行動を行った1915年のガリポリ上陸の記念日ですが、実際には豪州人のアイデン ティティである「Anzac 精神」が生まれた日として掲げられており、多くの豪州人にとっ て文化的および歴史的な深い意義を持ちます。ガリポリで戦った豪州・NZ兵士「ANZAC」は、 国のために戦うと志願した人たちであり、豪州人の特徴とされるmateship(仲間意識)、 平等主義、忍耐、勇敢さの象徴とされています。(※3) 現在、「ANZAC」とは豪州のために戦ったすべての兵士を指し、Anzac Dayは過去の戦争や 平和維持活動で豪州のために戦った150万人以上の軍人について振り返る日です。また、 国のために命を捧げた10万人以上の豪州人を追悼する日でもあります。 退役軍人連盟 NSWの会長はAnzac Dayの意義について次のように述べています。「私たちは、 ANZACの精神を守り、過去と現在の軍人たちの犠牲と彼らが豪州の暮らしに貢献したことを 決して忘れないようにするために、できる限りのことをしなければなりません。」(※2) Anzac Dayは豪州人にとって最も重要な祝日の一方、国民の多様化が進みAnzac Dayへの関 心が薄れていく可能性がある中、今後連邦政府はどのようにしてAnzac Day を継承させて いくかが注目されます。 (シドニー事務所 調査員 Hana Gleeson) (※1)〈 https://www.fairtrading.nsw.gov.au/trades-and-businesses/business-essentials/information-for-specific-industries/retail-trading 〉 (※2)〈 https://www.nsw.gov.au/ministerial-releases/honouring-our-anzacs-trading-restrictions-come-into-effect-to-better-represent-deep-significance-of-anzac-day 〉 (※3)〈 https://anzacportal.dva.gov.au/wars-and-missions/ww1/personnel/anzac-legend 〉 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【ロンドン事務所】イングランドにおける地方選挙結果と影響について ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 去る2025年5月1日、イングランドにおいて地方選挙が実施されました。 英国の地方選挙は、1972 年地方自治法に基づき、原則5月の第1木曜日が投票日とされ ています(※1)。 また、イングランド地方自治体における改選時期や改選数は、地方自治体の区分ごとに 異なり、例えば、カウンティ・カウンシル(県に相当する広域自治体)では「4年に1回 ・全議員改選」となっていますが、ディストリクト・カウンシル(市町村に該当)の一部 では「4年に3回・3分の1ずつの改選」が採用されています(※1)。 今回の地方選挙では、23の地方自治体で、1,600議席を超える議席数が争われ、右派のリ フォームUK(Reform UK)が677議席(皆増)、自由民主党(Liberal Democrat)が370議席 (163増)を獲得し、それぞれ大幅に議席を伸ばした一方で、英国の二大政党である保守党 (Conservative)は370議席(674減)、労働党(Labour)は98議席(187減)の獲得にとど まるなど、大幅に議席数が減少することとなりました(※2)。 現在、労働党政権は、2024年12月16日付けで「英国権限移譲白書(English Devolution White Paper)」を公表し、地方への権限移譲を進めているところです。(※3)。 そのような動きの中、リフォームUKや自由民主党が台頭してきたため、労働党政権が推進 する地方への権限移譲に今後どのように影響するか注目していきたいと思います(※4)。 (ロンドン事務所 所長補佐 今川) <参考文献・引用文献> ※1 英国の地方自治(令和5年度(2023年度)改訂版) 〈 https://www.jlgc.org.uk/jp/wp-content/uploads/2024/04/028a4d20560ea2270dfb3e7ea5c63531.pdf 〉 ※2 BBC(England local election results 2025) 〈 https://www.bbc.co.uk/news/election/2025/england/results 〉 ※3 English Devolution White Paper 〈 https://www.gov.uk/government/publications/english-devolution-white-paper-power-and-partnership-foundations-for-growth/english-devolution-white-paper 〉 ※4 Mayoral and local elections 2025: The government should hold its course on devolution despite the rise of Reform 〈 https://www.instituteforgovernment.org.uk/comment/mayoral-and-local-elections-2025-government-hold-course-devolution?utm_source=chatgpt.com 〉 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【ソウル事務所】全羅南道でアジア友好地域交流会議に参加しました! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 4月15日~18日にかけて、全羅南道(チョルラナムド)で行われた「2025全羅南道ア ジア友好地域交流会議」に参加しました。 全羅南道は韓国の南西部で海に面しており多くの島々があるリアス式海岸のあたり、 ソウルからは韓国高速鉄道KTXに乗って約2時間30分で行くことができる位置にあります。 今回参加した会議は全羅南道庁が主催して、アジア各国の地方自治体との間でコミュニ ケーションと協力を行い、持続可能なパートナーシップを構築することを目的に開催さ れました。日本のほか、中国、ベトナム、モンゴル、ウズベキスタンから合計20以上の 地域44名の国際交流や産業支援の担当者が参加し、セミナーや視察などが行われました。 セミナーでは、全羅南道から道の概要や2026年に麗水(ヨス)市で開催される世界初の ワールドアイランドエキスポについて紹介があり、参加各国からは国際友好都市協力の 取り組み状況や国を代表する産業についての説明がありました。 視察では、全羅南道内にある企業や文化施設を訪問しました。韓国電力公社(KEPCO)では、 公社のこれまでの歴史や、韓国内の送電設備の説明を受けました。また、全羅南道アグリ カルチャーセンターでは農業開発推進事業拡大についての説明を受けました。 韓国に赴任し、このような地方自治体が主催する国際交流会議への参加は初めてでしたたが、 どの施設でも全羅南道の魅力を知ることでき、さらにはアジア各国の参加者と交流すること もできてとても貴重な経験になりました。 今回の会議の報告のほか、クレアソウル事務所の活動はFacebookとInstagramでも発信して います。フォロー、いいねよろしくお願いします! Facebook 〈 https://www.facebook.com/clairseoul 〉 Instagram 〈 https://www.instagram.com/clair.seoul/ 〉 またこのクレアソウル事務所SNSアカウントは、日本の自治体の事業PRの場(自治体の海 外活動支援)としてもご活用いただけますのでぜひご利用ください! 自治体の活動支援について 〈 https://www.clair.or.jp/j/operation/index.html 〉 (ソウル事務所 所長補佐 阿部) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【北京事務所】桜だけではない?中国における花見事情 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日本で「花見」と言えば、桜の花見ですが、クレア北京事務所のある北京市 内でも例年3月から4月にかけて桜の鑑賞を楽しむことができます。 一方、中国では「花見」に相当する言葉は「賞花」であり、桜に限らず色々 な花の鑑賞を楽しむ際に用いられます。実際に、花見に関する観光需要について 「賞花経済」と呼ぶこともあり、2025年の4月の連休である清明節においても昨 年度より「賞花」に関する検索が増えたなどの報道がされているところです。 地方政府では花見のニーズをとらえた観光需要の創出に取り組んでおり、 例えば、北京市文化観光局は、2025年3月20日、「春の北京花見名所トップ10」 を初めて発表しました。その中では、北京市内の名所である天壇公園で鑑賞で きる主な花として、ライラック、オオアラセイトウなどが紹介されています。 また、国レベルでも、文化観光部は「開花期の故郷との出会い」をテーマに 32の観光ルートを選定しました。そこでは、天津市内のナノハナ畑やチューリップ 園、桃園を巡るルートや、貴州省のサクラやウメの名所と併せて、田園風景を巡る ルートなど数日間かけて花の名所や観光名所を周遊するルートが紹介されています。 今後も中国の経済を彩る「花見」の動向が注目されます。 (北京事務所 調査役 八木橋) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【編集・発行】一般財団法人自治体国際化協会(企画調査課) 〒102-0083 東京都千代田区麹町1-7 相互半蔵門ビル7F HP < https://www.clair.or.jp/ > TEL:03-5213-1722 FAX:03-5213-1741 Copyright(C) 2024 Council of Local Authorities for International Relations. 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