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海外での訪問・調査にあたって気をつけること

人を訪ねて調査をする場合には、国外であっても国内であってもその基本は同じです。それは、「相手の立場に立つ」ということですが、海外であれば習慣などが異なることも多々あります。以下に述べることは、ごく日常的な礼儀の範ちゅうに入ることですが是非参考にしてください。

1 調査事項

1.調査目的は明確に
調査事項を決定する際は、調査者の勤務する地方公共団体の状況や調査者自身の興味によって決められるので、受入れ側の事情とは何の関連もない場合がほとんどです。
調査事項を示せば、日本国内であれば、ある程度問題の所在や興味のありかたは理解されますが、海外では全く事情が異なります。
したがって、相手方がなぜその調査事項を調査するのにふさわしいのか、それがなぜ日本国内又は調査者の団体で問題となっているのか説明できるよう、調査の趣旨、目的を明確にしておく必要があります。

2.日本及び調査者の団体の現状説明を行う準備が必要
受入れ側も時間を割くのであれば、少しは自分の仕事に参考になることも教えてもらいたいという気持ちを抱くのは当然のことです。
したがって、相手方の状況を聞くだけでなく、事前に日本及び調査者の団体の事情についても十分に研究し、日本の現状についての説明ができるよう準備しておく必要があるでしょう。

2 調査箇所の選定とアポイントメントの取付け

1.選定先の十分な検討
調査箇所の選定に当たっては、全体の旅行日程の関連もあり、選択の幅は限られますが、相手方からすると、なぜ自分の所が訪問先に選ばれたのかということが、非常に重要なことになります。「なぜ、この調査でここにいらっしゃるのですか」という質問に対して説明することができるよう、訪問先を選定する際は十分な検討が必要です。

2.調査事項と訪問先の所管事項との整合性
多くの国々の担当者の所管事項は、日本に比べると非常に狭いうえ、自分の所管する事項以外のことについてはあまり知らないことが多いといえます。
したがって、もし、非常に広範囲な内容について一つの役所で調査をしようとすると、担当部局の非常に多くの職員が対応しなければならなくなったり、そこでは回答を得られないような事項を質問するといったことになります。
調査事項と訪問先の所管事項との整合性については十分注意してください。

3.アポイントメントの重複した取付けはしない
アポイントメントが取れないことを想定し、同日同時刻のアポイントメントの取付けを2か所に行うケースがあります。
これは、2か所ともOKが取れた場合には、一方のアポイントメントをキャンセルすることになり、受入れ側の心証を害することになります。
訪問の重複アポイントメントは絶対に避けましょう。

4.アポイントメントの取付けは最低1か月以上前に行う
多くの国々では、十分な余裕を持ってアポイントメントを取ってから訪問することが常識です。アポイントメントの取付けは遅くとも1か月以上前に行うように心がけてください。欧州地域の場合は2か月前までを目安としてください。
2週間を切った申込みは、ショート・ノーティス(short notice)だという理由で断られることが非常に多いようです。
また、一部の国では、夏と冬に長期の休暇を取る人が多いため、アポイントメントを取り付ける際には、このことを十分に考慮して、休暇の時期を避けられるよう早めに準備する必要があります。

3 訪問先での留意点

1.訪問時間は1時間から2時間
訪問調査は、相手方の執務時間を拘束することになるため、訪問時間は1時間から2時間で終了することを心がけ、長時間の訪問は原則として避けるべきです。
通訳の時間を含めての2時間はあっという間に過ぎてしまいますので、あらかじめ、質問に優先順位をつけるとともに、通訳者との十分な打合せを行っておくことが必要でしょう。
また、できる限り早朝、昼食時、夕方遅く等は避けた方がよいでしょう。

2.訪問時間帯の指定は幅広く
訪問時間を一つだけに特定して訪問を申し込むことは、失礼になる場合があります。訪問時間帯は、ある程度相手方に選択の幅を与えるように幅広く設定しましょう。 (例えば、希望日時は午前又は午後)
また、「その時刻にいる人であればだれでも構わない」というような考えは、調査の趣旨に疑問を持たれることにもなりますので、厳に慎むべきでしょう。

3.訪問の目的、趣旨の説明
相手方を訪問した際にも、調査をスムーズに進めるためには、まず、訪問、調査の目的を受入れ側にも理解できるように、具体的かつ明確に示すことが必要です。

4.質問事項は限定し、優先順位をつける
訪問したときに調査したい事項を何もかも聞くのではなく、基本的な制度などは事前にホームページ等で基礎的知識を得ておき、訪問調査はこれを補完するものとして、必要最小限の質問をするようにしましょう。
また、調査事項について、訪問の場で全体的にすべてを聞いて理解することは不可能であることを踏まえておきましょう。細かいことを聞くよりも、重要な点の質問に限定する方が得策です。

5.日本及び調査者の団体の現状説明と意見交換
相手方は、自分が説明するだけでなく、日本の状況を聞いたり、互いに意見交換をすることを望んでいることが多いものです。
先方の事情を聞く以上、なぜそのテーマに関心を持っているのか、日本ではどのようになっているのか、話を聞いてどのような印象を持ったのか、といったようなことについてのコメントを受入れ側は期待しています。
事前に日本の事情についても十分に研究し、通訳ともよく打ち合わせをして、受入れ側も何らかの情報を得ることができるような、意見交換・情報交換に心がければ、受入れ側の持つ印象は格段によくなり、一方的な質問の場合よりも、もっと踏み込んだ有益な情報を提供してもらえることでしょう。

6.通訳者との事前打合せの必要性
訪問調査に当たっては、多少経費がかかっても、それなりのレベルの通訳者を手配した方がよいでしょう。その方が調査が効率的になり、調査自体の効果を高めることとなります。正確・迅速に意見交換をするためには、当然必要な経費だと考えてください。
また、日本人同士で話すことに比べれば、単純に考えても2倍の時間がかかります。2時間程度は、あっという間に過ぎてしまいます。優先順位をつけるなど、質問事項をあらかじめきちんと整理しておかなければなりません。
そのためには、通訳者との事前の打ち合わせは絶対に必要です。

7.突然の予定変更
相手方を訪問する場合には、アポイントメントの時間に絶対に遅れないように余裕をもってスケジュールを組むように心がけてください。特に移動時間に余裕を持たせた計画にすることが望ましいものです。
突然の予定変更により、アポイントメントの時間に遅れたり、訪問時間を勝手に短縮したり、キャンセルしたりといったことは、事前に対応者や説明資料の準備を十分に行い、訪問を待っている受入れ側に対して、非常に迷惑をかけることになるとともに、今後受け入れてもらえない可能性が非常に高くなります。このような突然の予定変更は絶対にしないようにしましょう。

4 お土産及びお礼状

1.手ごろなお土産を多めに準備
海外では、公務員が職務上でプレゼントをもらったときは、一定金額以上のものは公開しなければならないといったルールがあることに注意をしなければなりませんが、訪問先には手頃なお土産を持参する方がいいでしょう。
予定外で思わぬ方に会わせてもらえることもまれにありますので、訪問先の団体向けや応対者個人向けに、手頃な物をできれば数に余裕を持って準備しておく方が望ましいでしょう。

2.帰国後はお礼状を必ず忘れずに
帰国後のお礼状は必ず出すように心がけてください。
長文で書く必要はなく、訪問して楽しかったこと、記憶に残ったことなど絵葉書でも構わないので是非出すようにしてください。
このことが、次にその地を訪問する日本の地方公務員が温かく歓迎してもらえる基礎を作ることにつながります。

5 名刺(英文)

1.作成する時の注意点
名刺の形、大きさについては特別な決まりはありません。わが国で通常使われているものと同じでよいでしょう。色は、白、またはうすいクリーム色の紙に、氏名、職名、勤務先の住所、電話番号などを黒字で印刷するのが一般的です。また、名刺の右上、あるいは職名・氏名の左隣にロゴを入れるとよいでしょう。

2.交換する時の注意点
次に、実際に海外において名刺を使用する際に注意すべき点ですが、まず、当然のことながら汚れや折れのないきれいな名刺を用意しておかなければなりません。
また、差出し、交換するタイミングについても心を配る必要があります。わが国では面会してすぐに名刺を渡す場合が多く、また、現在では、海外においても日本式の方法が定着しつつあるようですが、一方、最初に互いに握手し、会話がある程度進んでから名刺を交換するという場合もあります。その場にあわせ臨機応変に対応しましょう。また、食事中の名刺交換はマナー違反です。

(作成例)

Council of Local Authorities for
International Relations

○○○○○
Assistant Managar
△△△△ Division
×××× Department
Sogo Hanzomon Building, 7F
1-7 Kojimachi Chiyoda-ku,
Tokyo 102-0083, Japan

TEL: +81-3-5213-1722
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