姉妹交流活動の参考事例
姉妹自治体優良事例紹介
リモージュ市との産業交流を軸とした交流
- 愛知県 瀬戸市
瀬戸市 - フランス リムーザン州オートヴィエンヌ県
リモージュ市
交流事業の特色
- 本市はやきもののまちとして1300年の歴史をもつことから、海外の諸都市との国際交流においてもやきものの町同士の交流に軸を置いている。
- リモージュ市は、瀬戸市と同じくフランスにおける陶磁器産業のまちとして有名であることから、平成10年以降、主にセラミックス分野における技術交流や人材交流が産・官を中心に活発化。
- 平成15年11月姉妹都市提携が実現。
- 従って、特色としては、産業交流が軸。
http://www.setocic.jp/jp/cities.html
リモージュ市エステールテクノポールにて開催した投資環境セミナー 2004年11月19日(リモージュ市内にて)
リモージュ市庁舎ロビーにて開催された「こども絵画展」 2004年11月18日から12月5日
交流事業の内容
- リモージュ市は、瀬戸市と同じくフランスにおける陶磁器産業のまちとして有名であり、そのことから、平成10年以降主にセラミックス分野における技術交流や人材交流を実施。
- さらに経済産業省のローカルトゥーローカル(LL)事業を4ヵ年にわたり採択を受けたことから、産、官を中心に交流が活発化。平成15年11月姉妹都市提携が実現した。
- 締結後、平成16年44月に現地に瀬戸事務所を設置。職員1名を駐在。
- 平成16年11月に対日投資環境セミナー(中部経済産業局GNI事業)を実施。
- 対日投資環境セミナーを受けて、本年2月にフランスリモージュ地方より現地企業2社が瀬戸市を訪問。瀬戸を含め名古屋地域への進出の調査を実施。
- 平成17年度は2005年日本国際博覧会が本市を含む地域で開催されることから、市としてもやきものをキーワードに独自のイベントを開催。その中で7月をリモージュ月間と位置づけ、リモージュ市の産業、文化、物産、フードなどの紹介とともに、スポーツ交流などの様々なイベントを実施予定。両市の市民による幅広い交流を期待。
- さらに8月にはリモージュの中学生のホームステイ、11月にはリモージュ市において姉妹都市コンサートを実施する予定。
瀬戸市の概要 | リモージュ市の概要 | |
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人口 | 133,000人 | 13.5万人 |
面積 | 111.52km2 | 77,000km2 |
概況 | 瀬戸市は愛知県に尾張東部地域の北端に位置している面積111.52平方キロメートルの中都市で、愛・地球博(2005年日本国際博覧会)の瀬戸会場のホストシティです。1300年にわたり築いてきたせとものの町であり、「モノづくり」の文化や歴史は、博覧会の開催とともに未来への大いなる財産です。その豊かさを次の世代へ引きついていけるよう、産業や観光、市民生活、国際化を融合させた創造的な文化施策を展開中です。 | フランス共和国リモージュ市。人口の約半分が窯業関係の仕事に従事。そのほか医科学、電子、電気、機械などの工業や農業が発展しており海外との交流も盛ん。主要産業は陶磁器製造業、製靴、金属、機会、電気機器、家具、自動車部品、印刷など。エステルテクノポール(科学技術研究交換スペース)や大学では、セラミックスの分野の先端的な技術研究開発が行われている。 |
姉妹都市交流に係る周辺情報
提携年月日 | 2003年11月18日 |
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姉妹都市提携の経緯 | 経済産業省(LL事業)、日本貿易振興会(JETRO)、愛知県陶磁器工業協同組合、名古屋工業技術研究所、(財)ファインセラミックスセンター、JETROパリセンター、リモージュ市、リモージュ・オートヴィエンヌ商工会議所、リムーザン地方開発局などの関係機関の協力のもとに双方で幅広い交流が行われ、その成果として姉妹都市提携が実現した。 |
交流事業の展望、課題等 | 平成17年度はリモージュ月間におけるイベントや中学生による交流プログラム、姉妹都市提携コンサートなど多彩な交流を予定しているが、博覧会以後の産業交流、市民交流、をどう継続し、行政本位から、産業界本位、市民本位の交流へと転換していくかが課題。 |
世界新城サミット
- 愛知県 新城市
新城市 - アメリカ合衆国 ペンシルヴェニア州
ニューキャッスル
交流事業の特色
- 世界各国の新しい城という意味を持つ都市の市長会議の継続開催
- 都市間ネットワークを活用した文化・経済交流
- 都市間ネットワークを活用した国際協力事業
- 都市間ネットワークを活用した学生交流の推進
http://www.city.shinshiro.aichi.jp/
共同コミュニケ調印式
ニューキャッスル市
(アメリカ・インディアナ州)
第3回世界新城サミット
友好を記念するフレンドシップ
ガーデン開園式 ニューキャッスル市(アメリカ・ペンシルベニア州)
高校生の相互派遣
日本文化体験(和服)
新城市(日本)
ニューキャッスル・アンダーライム市(イギリス)との青年大使相互派遣
新城市内中学(日本)
交流事業の内容
新城市は世界中に新しい城「Newcastle」という意味を持つ都市が存在することから、独自に調査を進めてきた。そのうちのいくつかの都市に職員を派遣し、その都市の状況を調査するとともに、交流についての意向を確認した。交流に前向きな都市へ市民を派遣するなどの地道な交流からはじめ、平成10年度には、世界の新城が集まり「世界新城サミット」を開催した。ここでは、同規模の同じ意味を持つ都市同士が共通した問題の解決や、互いの発展のための交流のあり方について話し合うことができた。その協議のなかで、市長が集まり協議するサミットを、2年に一度各都市持ち回りで開催することを確認しあった。この合意に基づきサミットは第2回をスイスのヌシャテル市で、第3回をアメリカのニューキャッスル市で、第4回を南アフリカのニューキャッスル市で開催した。本年度は第5回サミットをイギリスのニューキャッスル・アンダーライム市で開催することとなっている。サミットでは毎回テーマを決めてシンポジウムを開催し、教育や環境、観光やまちづくりなどにおける各国の取り組みを発表し合うことで、政策に役立てている。市長会議の他にも、各都市間でさまざまな交流が生まれている。ネットワーク全体の事業としては、各都市の子どもが描いた絵画の展示会を各都市持ち回りで開催したり、がん患者のチャリティバザーに各国の特色ある品物を提供し合うなどの事業を行った。新城市の交流を取ってみると、アメリカ、スイス、ドイツの新城と高校生の相互派遣を、イギリスの新城とは青年大使の相互派遣を続け、若い世代の異文化理解や自国文化の再認識を図ってきた。
また、南アフリカへは、救急車の寄贈やエイズ患者支援の取り組みを、地元NPOやロータリークラブとともに実施し、その他の都市からも南アフリカへパソコンの寄贈やエイズ撲滅の活動など、国際協力の意味からもネットワークを活用しており、この交流はさらに広がる方向にある。
新城市の概要 | ニューキャッスルの概要 | |
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人口 | 52,454人 | 28,000人 |
面積 | 499km2 | |
概況 | 愛知県の東端に位置し、古くは伊那街道の宿場町として栄えた。歴史的にも有名な、長篠の戦い(1575年)の決戦地を初めとする史跡も多く、伝統芸能が盛んである。産業はゴム、金属、機械、電気など多種にわたり、特産品としては、煎茶、柿、ぶどうなどがある。 | ピッツバーグの北約80kmにあり、なだらかな丘陵地に開けた町で、大学や病院などが整った、典型的なアメリカの地方都市である。主要産業はスチール、ガラス製品で、近年は古い映画館をショッピングセンターにするなど、商業集成にも力を入れている。 有名なワーナーブラザーズ発祥の地 |
姉妹都市交流に係る周辺情報
提携年月日 | 1998年11月12日 |
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姉妹都市提携の経緯 | 新城市は「新しい城」という意味を持つ海外の都市を調査し、それらの都市と交流を続けてきた。そうしたなか、1998年11月に世界の新城が一堂に集まり、互いの発展について話し合う「世界新城サミット」の開催。これを機に、これまで最も活発に交流を続けてきたペンシルベニア州ニューキャッスル市と先方の強い要望もあり友好都市提携を結んだ。 |
今後の展望、課題等 | 新城市が世界の同名の都市に呼びかけて始められた「世界新城サミット」は、交流を本格的に開始してから既に8年が経過し、都市同士の繋がりも強固なものとなった。愛知万博の開催を契機として、新城を訪れる友好都市の関係者も格段に増えた。こうした中、第5回のサミットが、イギリスのニューキャッスル・アンダーライム市で開催されることが決まっていることから、市民交流として、インターネットなどの情報技術を活用した交流や、まちづくりに関するワークショップの開催など、さらに幅広い交流へと発展することが期待される。 |
職員の相互派遣を通じた市民参加プロジェクトの実施
- 愛知県 大府市
大府市 - オーストラリア ビクトリア州
ポート・フィリップ市
交流事業の特色
- 大府市では、平成10年から姉妹都市であるポートフィリップ市との間で、職員の相互派遣を実施している。
- 派遣期間は3ヵ月であり、交換職員はそれぞれの都市の行政手法を学ぶとともに、行政経験により培ったノウハウを活用し、市民参加のプロジェクトを実施する。
- 平成19年までに10名の職員がそれぞれの都市から派遣されており、取り組んだプロジェクトの分野は、文化芸術、スポーツ、環境など多岐にわたる。
- それぞれの職員が派遣期間中に実施したプロジェクトは、職員が帰国した後も。相手の都市で引き続き実施されている。
- 例えば、平成10年に始まった図書の交換事業は、その年に受け入れたポートフィリップ市の職員の発案により開始されたものであり、大府市においては「外国語図書コーナー」、ポートフィリップ市においては「大府コレクション」がそれぞれ設置され、絵本や観光ガイドから現代小説にいたるまで、交換したさまざまな図書が市民に公開されている。
- 近年では、交換の対象をCDまで広げ、音楽分野でも広く相互の文化紹介に役立っている。
ポートフィリップ市の保育施設で日本文化を紹介する大府市職員
大府市内の朝市を取材するポートフィリップ市職員
交流事業の内容
愛知県とビクトリア州とが姉妹関係にあることから、市内の愛知県立大府東高等学校が姉妹校提携先を探した結果、昭和60年11月に「セント・キルダ市(現在の「ポート・フィリップ市」)にあるエルウッド・カレッジと、姉妹校提携の調印を行った。この提携は、成功のもとに長く続き、この関係が発展するかたちで、大府市は平成5年11月20日にオーストラリア連邦「セント・キルダ市」(現在の「ポート・フィリップ市」)と姉妹都市提携を結んだ。平成6年にセント・キルダ市は、サウス・メルボルン市及びポート・メルボルン市と合併し、ポート・フィリップ市となったことから、両市は平成8年11月13日にポート・フィリップ市と姉妹都市提携の再調印をしている。
姉妹都市提携以来、毎年実施している中学生の派遣やセント・キルダ防波堤に生息するペンギンや海鳥などの保護を目的とする募金活動であるペンギン募金など、さまざまな交流を行っている。
中でも、平成10年から実施している姉妹都市職員交換事業は、大府市とポート・フィリップ市の姉妹都市交流の中でも、とりわけ独特なもので、大府市とポート・フィリップ市の行政のしくみやコミュニティの役割を相互によく理解することを目的として始まったものである。
初年度である平成10年には大府市からポート・フリップ市へ最初の職員が派遣され、行政制度や施設の調査を行った。その後は、お互いの市が職員を3カ月間、相手都市に派遣し、両市の図書館間の資料交換事業、日本のスポーツの紹介、「姉妹都市の歌」の制作と姉妹都市合唱団の編成、ポート・フィリップ市の動植物を紹介するホームページの作成、保育施設における遊びを通した日本文化の紹介など市民参加によるさまざまなプロジェクトが交換職員により実施されている。
平成16年の職員交換事業では大府市の職員が、ポート・フィリップ市の2つの保育所で活動するとともに、市内の小学校や図書館での読み聞かせ活動を行い、日本の歌や手遊び、折り紙などをオーストラリアの子どもたちに体験してもらった。この年の大府市職員の活動を含め長年の職員交換事業による市民参加プロジェクトが評価され、大府市とポート・フィリップ市とは、平成16年にASCA(Australian Sister Cities Association・オーストラリア姉妹都市協会)より、文化交流の部門で表彰されている。
平成18年には、大府市から環境部門の職員を派遣し、子どもを対象としたリサイクル講座の開催、牛乳パックを使った紙すき、ペットボトルロケットの作り方の紹介などを行った。
平成19年には、ポートフィリップ市から職員を受け入れているが、合唱団や朝市、市内で合宿中の相撲部屋などの取材を通じて、録音した音源を用いて、帰国後、ラジオを通じて、ポートフィリップ市民に大府市の魅力をPRすることとしている。
大府市の概要 | ポート・フィリップ市の概要 | |
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人口 | 83,308人 | 82,000人 |
面積 | 33.68km2 | 20.62km2 |
概況 | 海抜0~74mの丘陵地で、知多半島の根幹部に位置し、名古屋市南部に隣接する。その他に隣接する市町は、西に東海市、南に東浦町、東に刈谷市、北に豊明市がある。明治39年に7つの村が合併し、現在の市域となる。大正4年に町制施行。昭和45年9月1日、県下24番目の市として誕生する。 | オーストラリア連邦ビクトリア州メルボルンの商業街の中心の南、ポート・フィリップ湾の北海岸に位置している。歴史的な建物が数多く残る町並みと豊かな自然の美しい市である。 |
姉妹都市交流に係る周辺情報
提携年月日 | 1993年11月20日 |
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姉妹都市提携の経緯 | 昭和60年11月に両市内の高校同士が姉妹校提携を結び、それが縁で、平成5年11月20日に前身であるセント・キルダ市のティム・コステロ市長と大府市の福島務市長が姉妹都市提携の調印を行った。セント・キルダ市は平成6年に、サウス・メルボルン市及びポート・メルボルン市と合併し、ポート・フィリップ市と名前を変えたので、平成8年11月13日に姉妹都市提携の再調印を行った。 |
今後の展望、課題等 | 平成20年に大府市とポート・フィリップ市との姉妹都市提携は、15周年を迎え、また、職員交換事業は10周年を迎える。職員交換事業は、相互の職員が視野を広げ、互いの行政手法を学ぶ機会を与えるもので、職員の資質向上に意義がある上に、交換職員が相手の都市で実施するプロジェクトは、相手都市の市民と直接触れ合うものであることから、相方の市民が日本とオーストラリアとの文化の違いに興味を持つきっかけとなり、より多くの市民の姉妹都市交流への参加を促す原動力になることから、姉妹都市交流の中核をなす事業と考えている。 |