姉妹交流活動の参考事例
姉妹自治体優良事例紹介
撫順市交流事業
- 福島県 いわき市
いわき市 - 中華人民共和国 遼寧省
撫順市
交流事業の特色
- 市立2病院が、それぞれ友好病院を締結し、医療技術研修生の受け入れ、相互訪問や学術交流を行っている。
- 民間友好団体が、周年記念時に広く市民に募金を呼びかけ、これまで友好文庫の贈呈、小学校建設資金の贈呈などを行ってきた。
- 両市市議会が4年に一回、相互に訪問団を派遣し、交流を深めている。
http://www.city.iwaki.fukushima.jp/cgi-bin/odb-get.exe?WIT_template=AC020000&WIT_oid=icityv2::Contents::2873
小中学生書写交流風景
卓球交流風景
交流事業の内容
1982年の友好都市締結以来、行政はもとより経済、農業、文化、教育、スポーツ、医療、青少年の各分野で交流を展開してきたところである。
毎年、相互に公式訪問団(10名)を派遣しているほか、撫順市側から自費訪日団(毎年1~2団、人数各5名)がいわき市を訪問し、様々な分野で交流を深めている。
また、いわき市側からは、平成10年より自費訪中団「小中学生書写交流訪中団」を毎年撫順市に派遣し、書を通した青少年・文化交流を行っている。
近年における公式訪中団は、中華調理師、鍼灸・マッサージ師、卓球選手、バドミントン選手などを派遣し、各種技術の向上に寄与してきた。
そのほか、市立病院や市内企業等においては、撫順市から、これまで延べ232名の研修生を受け入れ、帰国後はいわき市での経験をそれぞれの分野で生かし活躍をしている。
また、平成6年度から民間友好団体が窓口となり、撫順市内の大学に私費留学生を派遣しているが、その数も既に30名に達している。
いわき市の概要 | 撫順市の概要 | |
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人口 | 355,919万人 | 230万人 |
面積 | 1,231.34km2 | 10,816km2 |
概況 | 人口約36万人。面積1,231km2。かつては常磐炭鉱とともに発展。現在は14の工業団地を有し、東北地方第1位の工業製品出荷額を誇る製造業を基幹産業とし、水産業、農業、さらには全長60kmに及ぶ海岸線に点在する9カ所の海水浴場や日本三古泉の一つに数えられる「いわき湯本温泉郷」を中心とした観光サービス業など、多様な産業が活発に展開されている。 | 人口約230万人。面積10,816km2。世界屈指の露天掘炭鉱を有し、古くから「石炭の都」と称されている。また、天然ガス、オイルシェール、銅、鉄、マグネシウムなど豊富な資源を有する。産業では、石油精製をはじめ、電力、冶金、機械、電子、紡績等の工業が盛ん。ヌルハチの生誕地であり、清王朝発祥の地とも言われている。 |
姉妹都市交流に係る周辺情報
提携年月日 | 1982年4月15日 |
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姉妹都市提携の経緯 | 同じ東北の地に位置し、石炭に縁のある工業都市という共通点から友好都市を締結。 |
交流事業の展望、課題等 | 次代の交流の担い手である青少年の育成に努めるとともに、多くのいわき市民が交流事業に参加できるよう配慮したい。また、今までの姉妹都市交流の実績を踏まえて、息の長い交流を目指し、相互理解に努めたい。 |
中学生国際交流事業
- 福島県 白河市
白河市 国際交流協会 - フランス共和国 ピカルディ州、オワーズ県
コンピエーニュ市
交流事業の特色
- 兄弟姉妹や先輩などの派遣を見て積極的に応募する生徒も多く、本事業への参加を目標にするなど中学生が勉学に励む契機となっている。
- コンピエーニュ市在住の日本人を始めとしてコンピエーニュ・白河協会の会員などが民間主導で全面的に協力してくれるため、細やかな気配りをもって交流が行なわれている。
- 白河市、コンピエーニュ市双方で交互に市民訪問団を結成し、訪問・交流を重ねている。
- 白河市がコンピエーニュ市民訪問団を受け入れる際、派遣生の家庭がホームステイを引き受けたり、来日の際の歓迎パーティに派遣生とその家族が参加するなどして、交流の輪が広がっている。
交流事業の内容
本事業は、市内の中学2年生を対象に20名程度を募集し、春休みの7日間コンピエーニュ市を訪問するものである。費用は自己負担であるが、協会が一部助成する。協会役員が団長を務め、事務局として市職員が随行する。
派遣を希望する中学生は、コンピエーニュ派遣に対する想い等をテーマとした作文と保護者の同意書を添付して、在学学校長経由で協会に申し込む。協会は教育委員会と協議のうえ、派遣生を決定する。
派遣前に研修を3回程度行なう。事前研修では海外旅行の心構えや語学研修のほか、派遣経験のある高校生を招いて体験談などを披露してもらっている。コンピエーニュ市は「芸術のまち」と称されるにふさわしい文化遺産が多く、異文化の歴史と芸術を堪能できる都市であることから、派遣生が滞在中、多くの感動を得ることができるよう、事前研修を通して派遣生の学習意欲を刺激するようにしている。
また、コンピエーニュ滞在中は、体験をより濃密なものとするため、派遣生は主にホームステイする。
パリではオルセー美術館やノートルダム寺院、ヴェルサイユ宮殿などを見学し、重厚かつ華やかなフランスの文化を体感し、移動に地下鉄を利用するなどして、パリ市民の日常に触れる。
帰国後は、報告会を開催する。派遣生が感想を発表するほか、保護者が派遣生の成長等について感想を述べ、国際交流で得たものを確認しあう。
また、白河市、コンピエーニュ市双方で交互に市民訪問団を結成しているが、派遣生の保護者が、子どもの成長に触発されて、コンピエーニュ市を訪問するなど、交流は広がっている。
白河市の概要 | コンピエーニュ市の概要 | |
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人口 | 65,398人 | 約45,000人 |
面積 | 305.30km2 | 53.1km2 |
概況 | 白河市は福島県中通りの南端、東北地方の入り口に位置する。東京から185㎞、東北新幹線や東北自動車道など首都圏と直結した高速交通体系が整備されており、地理的優位性を有する。 西に那須甲子の連邦を望む美しい環境と、さわやかな気候と風情など豊かな自然に恵まれている。 多くの歌人の旅心を誘った白河の関やだるま市、武家社会の格式を導入した提灯まつりなど、日常に歴史が息づく。 |
ピカルディ州オワーズ県副県庁所在地の中規模都市。パリから80㎞にあるなど、重要な交通基点に近い利点から陸路・水路・鉄道・空路が欧州各国と世界へのコミュニケーションを容易にしている。 ゴシック様式の市庁舎やコンピエーニュ城など多くの文化遺産があり「芸術のまち」と称されるにふさわしい。 郊外には工業団地があり、コンピエーニュ工科大学の産学連携した学習システムなどがあり、企業誘致が盛んである。 |
姉妹都市交流に係る周辺情報
提携年月日 | 1988年10月20日 |
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姉妹都市提携の経緯 | 1987年に市内白坂にある日本ルセル白河工場(現在は味の素ファルマ)の落成式が行われた際、日本ルセルの親会社ルセル・ユクラフ社(コンピエーニュ市の工場)のジョリー副社長があいさつの中で姉妹都市についての提案がされたことが契機となり、1987年に姉妹都市提携に係る覚書を取り交わした。1988年7月に本協会を設立。同年10月に白河市長ほか31名がコンピエーニュ市を訪問し、姉妹都市提携調印式に臨んだ。 |
今後の展望、課題等 | 今後もコンピエーニュ市との良好な協力体制を維持しつつ、事業を継続していく。派遣生を20人から増やすことは、コンピエーニュ市側の負担も大きくなるため、現段階では考えていない。帰国後、ホストファミリーとの交流を続けるのにフランス語が障害となっているため、サポートするような手段を講じたい。また、フランスに限らず国際交流へ関心を持った派遣生の活動をサポートするようなシステムの構築を検討したい。 |
草の根日中友好都市交流活動事業
- 福島県 須賀川市
須賀川市日中友好協会 - 中華人民共和国 河南省
洛陽市
交流事業の特色
- 洛陽市の辺境地区に希望小学校を建設すべく、募金運動を展開して、市民等から浄財を募り、その資金を洛陽市に提供して建設した。 同小学校を「石人窪須賀川友好小学校」と命名し、辺境地区の教育施設の整備と初等教育の充実に貢献した。
- 友好都市締結5周年を記念し、市民書画芸術交流展洛陽市フェアを開催して、交流を深めた。
- 全国砂漠緑化実践協会の活動に参加し、中国内蒙古グブチ砂漠に、ポプラ三千本を植樹して「須賀川市民の森」を造成した。
- 中国から梅の苗木が30本寄贈されたのを契機として、市民の協賛を募り、本市を代表する都市公園「翠ヶ丘公園」内に梅の苗木を植樹して、「日中友好の梅林」を造成した。
交流事業の内容
須賀川市日中友好協会は、1979年から洛陽市と、牡丹を架け橋に市民各界各層にわたり交流を深めてきた。洛陽市から寄贈を受けた、希少価値の豆緑等16本、銘柄品種の大金粉等10品種1本の苗木は、本市の国指定名勝「須賀川の牡丹園」に贈呈、植樹し、牡丹園の施設整備充実に貢献した。苗木は、園内の「中国牡丹コーナー」において管理され、現在牡丹園の貴重な展覧用資源として活用されている。
1989年、須賀川市日中友好協会訪中団が中国から梅の苗木30本の寄贈を受けたのを契機として、市民の協賛を募り、本市を代表する都市公園「翠ヶ丘公園」内に155本の梅の苗木を植樹して、「日中友好の梅林」を造成した。このことなどにより翠ヶ丘公園が、広く市民に憩いの場として親しまれるようになり、日本の都市公園百選に選定される要因の一つとなった。以後毎年、市民イベントとして「梅林の集い」が定着し、開催されている。
1994年、市民各界各層の協賛を得て、全国砂漠緑化実践協会の活動に参加し、中国内蒙古グブチ砂漠に、ポプラ三千本を植樹して「須賀川市民の森」を造成した。現在「福島県民の森」への造成に発展する足がかりとなり、市民の環境問題に対する大きな啓発となった。
1999年、洛陽市の辺境地区に、希望小学校を建設すべく、市民等から浄財を募り、建設落成、石人窪須賀川友好小学校と命名し、辺境地区の教育施設の整備と初等教育の充実に貢献した。2003年度、須賀川市友好都市10周年記念式典参加訪中団が訪中し、牡丹1000株を10年間で相互交換することを確認した。
須賀川市の概要 | 洛陽市の概要 | |
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人口 | 79,981人 | 約615万人 |
面積 | 279.55km2 | 約15,000km2 |
概況 | 多様化する市民ニーズに対応した質の高い行政サービス、行財政基盤の確立などを積極的に推進するため、2005年に、長沼町及び岩瀬村と合併し、人口8万人余りの新しい須賀川市が誕生した。 豊かな自然環境に恵まれた新市は、東北縦貫自動車道や国道4号、JR東北本線や東北新幹線などにより首都圏や仙台圏へのアクセスが容易であり、さらには福島県の空の玄関口「福島空港」を有し、これら高速交通網の整備により全国はもとより海外とも結ばれている。 |
黄河中流の河南省西部に位置する。中国7大古都のひとつであり、遠く三千年の昔、西周の周公が都を建ててから以後9の王朝が都を置いた歴史ある都市で、邪馬台国の女王卑弥呼が使者を派遣した魏の国も洛陽にあった。 近年は、工業の発達がめざましく、重点重工業基地となっている。 一方、郊外の農村地帯では、耕作面積約2万3千ヘクタールを有し、土壌は肥沃で、用水路がはりめぐらされ、主な農産物は、小麦、とうもろこし、米、綿花等があり、大型トラクターや農産物加工機械等の導入により、機械化が進められている。洛陽市は、歴史的に名高いばかりでなく、近代化が進む工業都市として、発展の息吹に満ちた都市となっている。 |
姉妹都市交流に係る周辺情報
提携年月日 | 1993年8月1日 |
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姉妹都市提携の経緯 | 1979年に須賀川市日中友好協会の結成を機に、中国最大級の規模を誇る牡丹園のある洛陽市と、牡丹を架け橋に交流を深め、日中国交正常化20周年及び福島空港開港等を記念し、1993年、市長外訪中団が洛陽市を訪問し友好都市締結議定書に調印した。 |
今後の展望、課題等 | 今後も民間交流を通じ日中友好の底辺を広めていくよう努力する。地方の時代を迎えた今日、積極的に環境、社会保障、教育、文化、スポーツ、人材育成等の面からの交流が拡大するよう共に開拓していきたい。 |
喜多方市とウィルソンビル市との姉妹都市交流事業
- 福島県 喜多方市
会津喜多方国際交流協会 - アメリカ合衆国 オレゴン州
ウィルソンビル市
交流事業の特色
- 本協会は、ウィルソンビル市との姉妹都市締結を契機として1988年に会津喜多方商工会議所が中心となって立ち上げた組織で、民間主体の自主的活動として約20年間継続して姉妹都市交流事業を実践している。
- 毎年度、両都市の中高生の相互交流として研修使節団(年平均約16名/団)を編成し、ホームステイを通じた市民レベルの訪問・受入による姉妹都市交流を実施している。
- 両都市の高校生を相互に長期(1年間)留学事業を実施し、姉妹都市交流のリーダー養成に努めている。
交流事業の内容
会津喜多方国際交流協会は、ウィルソンビル市と本市の姉妹都市締結に尽力した会津喜多方商工会議所の関係者が中心となって発足され、以来、約20年に渡り姉妹都市交流に関する事業は当協会の独自の事業として企画・運営するなど、自主的・主体的な活動を展開している。
主な交流内容は、毎年度、中高生の相互交流として研修使節団の派遣を行い、市民レベルの姉妹都市交流のほか学校訪問などを実施している。また、両都市の高校生を相互に長期(1年間)留学事業も実施しており、姉妹都市交流のリーダー養成に努めている。
この他、喜多方市民向けの事業として、ウィルソンビル市出身の英語指導助手や留学生らの指導でアメリカの伝統行事である「ハロウィン」体験事業を実施している。
喜多方市の概要 | ウィルソンビル市の概要 | |
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人口 | 56,396人 | 16,510人 |
面積 | 554.67km2 | 1,171,272.96km2 |
概況 | 平成18年に5市町村が合併し、現在の喜多方市が誕生した。市の基幹産業は農業であるが、年間100万人以上が訪れている観光都市でもあり、蔵と喜多方ラーメン、山都町の宮古そばは全国的にも有名である。世界自然遺産の国内候補の対象となった飯豊連邦や阿賀川を有し、豊かな自然に恵まれ、さらなる観光都市の発展を目指している。 | オレゴン州をまっすぐ通る国道5号線が主な交通手段となっている今、オレゴン州の中心都市であるポートランドに近く、5号線上にあるウィルソンビルはその便利さから大企業が次々と進出してきており産業都市に発展している。それに伴い大規模な住宅団地造成も進んでおり、人口も増加している。 |
姉妹都市交流に係る周辺情報
提携年月日 | 1988年10月17日 |
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姉妹都市提携の経緯 | 1985年(S60年)日本キリスト教団喜多方支部の牧師である友川栄氏がWilsonville市を訪問した際、当時の市長A.G.Meyer氏から、友川牧師の任地である喜多方市との交流を希望する旨の申し入れあり。市内の英語塾、メリー・斎藤女史から、当時の会津喜多方商工会議所企画運営委員長 唐橋賢児氏にこの情報が伝えられたのが交流の始まり。Wilsonville工会議所会員のMr.Stanley A Ash が全権を委任され、会津喜多方商工会議所を訪問、その後1年間話し合いがもたれ実現。 1986年(S61年)Wilsonville と会津喜多方商工会議所姉妹商工会議所締結。1988年(S63年) Wilsonvilleと喜多方両市、姉妹都市宣言、調印。会津喜多方国際交流協会設立。 |
今後の展望、課題等 | 今後も、行政の側面的な支援のもと市民との協働性を重視した当協会の自主的で主体性をもった姉妹都市交流事業の推進を図ることができる。また、効果として、この事業を契機として、姉妹都市交流事業に参加してきた市民個人による独自の交流(ファミリー単位の交流)の活性化の促進とともに、全市民的な広がりの中で地域活性化につながることが期待できる。 さらに、民間の非営利組織が行う姉妹都市交流事業がゆえ、人的・経済的交流が促進され地域振興の活性化等が期待できる。 |