姉妹交流活動の参考事例
姉妹自治体優良事例紹介
徳島県 鳴門市
ドイツ人俘虜と地元住民との交流から始まった友好関係
- 徳島県
鳴門市 - ドイツ連邦共和国 ニーダーザクセン州
リューネブルク市
交流事業の特色
- 第一次世界大戦時、市内に『板東俘虜収容所』があり、収容されていたドイツ兵と地元住民が温かい交流を始めたことがきっかけになった
- 友好の歴史を後世に伝えるため、当時の資料などを展示する『鳴門市ドイツ館』が建設された
- 俘虜による「第九」の日本初演に鑑み、毎年6月第一日曜日に「第九」演奏会を実施
- 30年以上に渡る親善使節団の相互派遣
第16回リューネブルク市姉妹都市親善使節団
リューネブルク聖ヨハンニス教会合唱団と地元小学校の交流
交流事業の内容
本市とリューネブルク市は、1974年より毎年交互に親善使節団を派遣し、延べ1,000人以上の市民が相互訪問するなど、活発な国際交流を行っている。2001年2月にはリューネブルク市の市立劇場で『第1回<第九>里帰り公演』を実施し、平和と友情のシンボルであり、本市とドイツとの交流においても大きな意味を持つ「第九」を、ベートーヴェンの故郷であるドイツで演奏した。この公演の成功がドイツで大きな反響を呼んだことから、ニーダーザクセン州政府ブラウンシュバイク行政区より次回公演開催の招聘を受けた。これにより、2003年6月にブラウンシュバイク市ドーム教会において『第2回<第九>里帰り公演』が開催された。両公演には板東俘虜収容所の元俘虜たちの子孫を招待し、交流の輪を広げた。
また近年、青少年の交流も活発に行われるようになり、リューネブルク市にあるラーベ高校からは延べ3名の留学生が鳴門高校に留学し、友人たちとの学校生活を通して日本語はもちろん、日本文化を学んで帰国した。また、2007年5月15日に本市が市制60周年を迎えた際には、そのお祝いとしてリューネブルク市からザルツ・ザウ(塩猪)像が寄贈され、その除幕式が盛大に行われた。このように、90年以上前に始まった友好関係は、両市民の手によってますますその幅を広げ、意義深いものとなっている。
鳴門市の概要 | リューネブルク市の概要 | |
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人口 | 64,922人 (2005年1月末) | 70,614人 (2003年12月末) |
面積 | 135.45km² | 70.34km² |
概況 | 鳴門市は、四国の東部、徳島県の東北部に位置しており鳴門海峡を隔てて淡路島に対峙し、本州と結ぶ四国の東玄関となっています。特に本市の北部は瀬戸内海国立公園に指定され、北に播磨灘、東に紀伊水道を臨み、鳴門海峡の急流と逆巻く渦潮でその名を知られた景勝地です。 | ドイツ連邦共和国の北部にある二ーダーザクセン州の都市で、エルベ河の分流イルメナウ川流域に位置し、ハンブルグより約50kmの距離にあります。鳴門市とほぼ同じ規模であり、緯度はサハリンの北端と同じ位ですが、北大西洋海流(暖流)の影響で比較的温和な気候となっています。 |
姉妹都市交流に係る周辺情報
提携年月日 | 1974年4月18日 |
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姉妹都市提携の経緯 | 本市には、第一次世界大戦時にドイツ兵俘虜が収容された「板東俘虜収容所」がありました。所長の人道的な対応による開放的な俘虜生活の中で兵士たちは、酪農・乳製品の製造・印刷・出版など、ドイツの優れた技術や文化を地元住民に伝え、交流を広げました。これをきっかけに、製塩の街であることや規模がほぼ等しいなど鳴門市と類似点の多いドイツ・リューネブルク市と姉妹都市盟約を締結しました。 |
今後の展望、課題等 | ドイツ俘虜が板東に収容される以前は中国・青島に駐留していたという歴史から、鳴門市・リューネブルク市・青島市の3都市交流に発展させようと、2008年3月には3都市の市民による『第九』の演奏会や交流会が計画されている。 |