多文化共生関係資料
東日本大震災支援活動記録
在住外国人による支援活動
■サギップ・ミグランテ・ジャパン
<インタビューイー紹介> ネストール・L・プノさん フィリピン出身。1998年に来日。 |
「サギップ・ミグランテ・ジャパン」はどんな団体ですか?
サギップ・ミグランテ(SAGIP MIGRANTE)は、世界中のフィリピン人労働者の国際的な組織である「ミグランテ・インターナショナル(MIGRANTE INTERNATIONAL)」によって災害などの困難に直面したフィリピン人を支援する為に作られた団体です。日本では、2011年3月11日に起きた震災の直後に、フィリピン人コミュニティのリーダーやその支援者を中心にサギップ・ミグランテ・ジャパン(SAGIP MIGRANTE JAPAN;以下、SMJ)を立ち上げました。東北地方のフィリピン人が被災していることを受け、名古屋と東京にセンターを設けて、東北地方を中心に全国のフィリピン人コミュニティと日本人支援者のサポートを行っています。SMJは、地震発生直後にFacebookで情報発信を始めました。被災地の情報を収集し、東北地方に親族をもつ人たちに向けてその情報を発信しました。行方不明者のリストを作成し、行方不明者の捜索と救助を手伝いました。私たちは、支援物資と寄付金を集め、被災したフィリピン人に対して、直接的な支援、間接的な支援の両方を提供しました。また、必要に応じて、避難所でのボランティア活動を行っています。
東日本大震災ではどんな活動をしましたか?
1.東日本大震災で被災したフィリピン人に関する実態調査岩手県大船渡市での支援活動 |
気仙沼フィリピン人コミュニティ会議 |
2. 被災地のフィリピン人に対する震災関連の情報提供
SMJでは『SAGIP NEWS FLUSH』を作成し、週に2,3回、携帯メールやFacebookなどを通じて情報提供を行っています。また、コミュニティラジオやウェブサイト、被災地で配布する情報紙などからも『サギップ速報』をお届けしています。
3.被災地のフィリピン人の個別支援
被災したフィリピン人とその家族に対して、個別相談等を行っています。
4.被災地のフィリピン人への救援物資提供
SMJでは被災地のフィリピン人のために救援物資の提供や募金活動を行っています。4月から10月までに、福島県いわき市、福島市、岩手県盛岡市、大船渡市、宮城県仙台市、気仙沼市、石巻市、南三陸町、岩手県陸前高田市を複数回訪れました。
9月24日には、気仙沼で「フィリピンコミュニティ会議」を実施しました。当日は、大船渡市、陸前高田市、気仙沼市、南三陸町に住むフィリピン人、名古屋と東京の支援団体、日本のNGOが参加しました。
どんな思いで活動をしましたか? また、活動の際に難しいと感じた点、助けになったことは?
3月11日の災害によってもたらされた被害の範囲は非常に広く、完全に復興するまでに、多くの年月と努力が必要となるでしょう。SMJは、これらすべてのニーズにこたえる資源を持っているわけではありませんが、支援活動を行い、被災者のニーズを伝え、仲間であるフィリピン人被災者の復興への道を助けたいと思います。東北地方に住んでいる多くのフィリピン人は日本の家族がいることから、日本に残ることを選びました。日本語での日常会話が出来ても、新聞や雑誌を読める人は少なく、情報弱者になりがちです。必要な情報が得られないので、毎日のように私たちが問合せを受けています。特にこうした緊急時には、外国人であるということで、フィリピン人が日本社会から疎外感を抱くことを懸念しています。
名古屋と東北地方が離れていることが活動を進める上で難しい点の一つです。15時間の車移動は問題ではないのですが、被災者のおかれている状況を把握し定期的に連絡を取ることが困難でした。その後、被災したフィリピン人と連絡を取るための電話とオンラインシステムの拡充を図り、この問題を解決しました。
支援活動を通じて感じたこと、気づいたことを教えてください。
震災の直後から、多くの個人、団体、組織が被災者への支援を行っていたことに感動しました。復興への道のりは、現実には程遠く、仲間のフィリピン人を復興に導くためには多くの努力が必要です。SMJの活動は小さなものではありますが、私たちの小さな努力の積み重ねで、東北地方だけでなく、日本全国のフィリピン人の結束を強めることができればと思います。被災したフィリピン人を支援できるよう、フィリピン政府を含む関係機関の復興に関する政策に敏感であり続けたいと思います。
今後はどんな活動を予定されていますか?
宮城県石巻市での支援活動 |
最後にこのサイトを見ている人にメッセージをお願いします。
<団体情報> 団体名: サギップ・ミグランテ・ジャパン(SAGIP MIGRANTE JAPAN) |