CLAIR(クレア)一般財団法人自治体国際化協会

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多文化共生

多文化共生関係資料

東日本大震災支援活動記録

在住外国人による支援活動

■CTIC カトリック東京国際センター

 

<インタビューイー紹介>
 奥山マリアルイサ
 フィリピン出身。1987年に来日。
 所属:CTIC カトリック東京国際センター

 

 

「CTIC カトリック東京国際センター」はどんな団体ですか?

 日本に滞在する外国人をサポートするために、東京大司教区創立100周年記念事業として、1990年に設立されました。現在、主に次の3つの活動を行なっています。

 ■ 外国人と共に
  困難を抱える外国人を援助し、日本社会に適応し、お互いに成長できる関係作りをサポートします。
 ■ カトリック教会共同体と共に
  日本カトリック教会が、外国人と共に生き、その役割や課題を分かち合い、同じ信仰を共有する共同体
  となるようサポートします。
 ■ 日本社会と共に
  国籍・文化・宗教・社会的地位の如何に関らず基本的人権が尊重され、多文化共生による豊かな日本社
  会の実現のために社会に働きかけます。

各事業について、詳しくは当センターのウェブサイトをご覧下さい。

 

東日本大震災ではどんな活動をしましたか?

「東日本大震災 外国人被災者支援センター」を立ち上げ、行政の支援が届きにくい外国人被災者の支援、および被災地の外国人共同体の活動支援に取り組みました。

1. 外国人被災者の情報収集 
 外国人共同体、支援団体、自治体、教会を通して情報収集し、ニーズに応じて支援活動を行っています。被災地の外国人登録者数は11万1,672人、うちフィリピン国籍は13,823人です。3月12日〜4月8日に日本を出国した外国人は約53万1,370人(再入国許可書保有者30万2490人)、うちフィリピン国籍は21,756人でした(いずれもCTIC調べ)。

2. 外国人被災者、避難者への一時避難シェルターの提供 
 3月11日から、外国人被災者および避難者に一時避難シェルターを提供しました。4月28日までの延べ利用者数は、452人にのぼりました。現在は、利用者はありません。

3. フィリピン人宣教者によるタガログ語ホットラインのコーディネート 
 5月2日から、関東在住のフィリピン人宣教者が、母語で様々な相談に応じています。相談時間は、毎週月曜日〜土曜日の10:00〜18:00、連絡先は下記のとおりです。
 【電 話】 0570-09-9963
 【e-mail】 philmiss999@gmail.com

4. 被災地のフィリピン人共同体への総合的な支援のコーディネート 
 6月から月に1回程度、被災地のフィリピン人共同体の要請により、下記のような支援を行っています。
  ■霊的支援 : 関東のフィリピン人司祭、フィリピン人共同体によるタガログ語のミサ
  ■メンタルケア : 関東のフィリピン人ケースワーカーによるカウンセリングの実施
  ■ケースワーク : 関東のフィリピン人ケースワーカーによる様々な相談受付
  ■物資支援 : 関東のフィリピン人共同体による物資の提供
  ■領事業務 : フィリピン大使館領事部との連携によるパスポート等の再発行

5. 緊急物資支援 
 外国人、外国人共同体が行う活動への支援として、これまでに約150箱の物資を送付しました。

6. 外国人ボランティアのマッチング 
 被災地の外国人共同体と関東の外国人共同体をつないで支援活動にあたっています。

7. 外国人被災者、避難者への緊急募金 
 外国人被災者・避難者のための募金活動を行なっています。振込先は、下記の通りです。ご協力をお願いいたします。
  【郵便振替】 00150-5-120640  カトリック東京国際センター賛助会
  *通信欄に、「外国人被災者のため」とご記入下さい。

 

どんな思いで活動をしましたか? また、活動の際に難しいと感じた点、助けになったことは?

 私たちは被災した在日フィリピン人支援の活動を行いました。東日本大震災の発生を受けて、とにかく彼らを助けたいと思いました。大使館からの依頼を受けて、シェルターの提供をしたのですが、その中で、泊まるところがないということだけでなく、他にもたくさんの問題があるということが分かりました。食べ物、服、お金がない、日本語がわからないため各種必要な手続きができないなど、多くの問題が見えてきました。
 被災地に行くとき、はじめは交通や物の不足など不便な点もありましたが、すぐに改善されました。

 

支援活動を通じて感じたこと、気づいたことを教えてください。

 最初は、被災地にそれほど多くのフィリピン人がいると思っていませんでした。東京とは何もかもちがい、いろんな意味でショックを受けました。そもそも、東京で暮らしている外国人とは生活環境や暮らし方が少し違っているということに気づきました。
 東京は教会がしっかりしていますが、被災地周辺にはタガログ語のミサをしている教会もありません。そのため、東北地方のフィリピン人は教会に通う習慣もありませんでした。地域によっては英語のミサが週に1回あるところもありましたが、言葉がわからないので、教会に行きたくても行けないという現実を知りました。日本に長くいても、日本に来てから初めてタガログ語のミサに参加したという人もいて、私たちが被災地でミサを行うことで、感動して泣いてくださる方もいらっしゃいました。

 

今後はどんな活動を予定されていますか?

 今後も被災地でタガログ語のミサを行うなど、引き続き支援活動を継続する予定です。特に、被災者の心のケアをしたいと考えています。今までも話を聞いたりはしていましたが、被災地に行って活動できる時間が限られているので、じっくりできていません。タガログ語での心のケア、カウンセリングをもっときちんとやりたいと思っています。

 

最後にこのサイトを見ている人にメッセージをお願いします。

 本当にみんながひとつになることがとても大切だと思います。これからもみんなが一つになれるように、それぞれの活動を続けてほしいと思います。

 


 
 <団体情報>

  団体名: カトリック東京国際センターCTIC
  所在地:〒141-0021 東京都品川区上大崎4-6-22
  ホームページ: http://www.ctic.jp/

 

 

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このページに関するお問い合せ先
多文化共生部多文化共生課
Tel :  03-5213-1725
Fax :  03-5213-1742
Email : tabunka@clair.or.jp
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