多文化共生関係資料
東日本大震災支援活動記録
在住外国人による支援活動
■マシュー・ダグラス
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東日本大震災ではどんな活動をしましたか?
平成23年4月18日〜21日まで、仙台国際交流協会が立ち上げた仙台多言語支援センターで外国人相談窓口やラジオの多言語放送などのお手伝いしました。また、その期間以外には、名取市で瓦礫撤去作業などに参加しました。仙台FMにて多言語放送を収録 | 名取市でボランティア活動している様子 |
どんな思いで活動をしましたか? また、活動の際に難しいと感じた点、助けになったことは?
多言語支援センターでの活動を通して感じたことは、原発の情報を巡り日本国内と海外のメディアで違いがあり、そのことが在住外国人や海外にいる彼ら/彼女達の家族・友人達の間で大きな不安となっていました。日本のメディアしか観ていない日本人は両方を観ている在住外国人の気持ちが分からないことによって軋轢が生じることを私は恐れていました。クレアの海外事務所と協力して現地のテレビや新聞などを確認してもらう必要があると思いました。多言語による支援をしていて感じたことは、家庭生活に関するものが一番重要であるにもかかわらず、ほとんど多言語化されていませんでした。例えば、最も遅く復旧したガスの復旧に関することです。その上、復旧時の注意事項などは日本語のみで記載されているため、日本語がわからない人には理解できないという状況でした。
また、外国人に限らず、震災の直後の支援は水・食料・衣料などであり、時間が経ったときには、住居・仕事・学校などの生活再建です。仕事、学校などの問題については共通する部分があるはずですので、情報を共有化することがとても重要だと思いました。
支援活動を通じて感じたこと、気づいたことを教えてください。
外国人の支援については、震災直後は他の被災者同様、水、食料などでしたが、時間が経つにつれ支援の内容が変わっていきます。今後は、外国人花嫁の離婚問題や外国人労働者の解雇問題など複雑な問題が多くなると考えられます。法律問題のため、弁護士会と協力体制を強化していかなくてはなりません。また、中国人、韓国人、フィリピン人の花嫁が散在しており、今回の震災や原発問題で、一時帰国をした花嫁たちが戻ってきやすいようにしなければいけなりません。岩手県、宮城県、福島県の3県に共通する問題であるため、3県が連携しやすくなるような支援を検討していく必要があると思います。
今後はどんな活動を予定されていますか?
今後、ピースボートのボランティア通訳として、世界を一周してきますが、放射能問題に対する間違った考え方を払拭し、日本の復活状況などについて広く宣伝したいと思っています。また、原発問題は日本だけの問題ではなく、人類全体に影響を与える問題であるため、原発の安全性、核燃料サイクルなどについて、寄港地の皆様の意見を聞きたいと思います。ピースボートにはさまざまな有識者やコミュニティのリーダーが船上講演を行うので、その人たちと相談し、今後日本のエネルギー供給源をどうすればいいのかじっくり考えたいと思います。ピースボートのボランティア通訳から戻ってきたら、時間が許す限り、被災地でのボランティア活動をもう一度したいと思います。特に仮設住宅の生活が長引いているところに明るい風を吹き込ませることができたらいいなと思っています。
最後にこのサイトを見ている人にメッセージをお願いします。
私の活動は恥ずかしいぐらい役に立っていなくて、私以上に大活躍した人が大勢います。しかし、大事なことは、被災地のことを忘れないで、できることから支援活動をすることです。小さなことの積み重ねが、きっと東北地方、そして日本をより強くすると確信しています。