CLAIR(クレア)一般財団法人自治体国際化協会

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東日本大震災支援活動記録

在住外国人による支援活動

■中西-スタニス慧理果

 

<インタビューイー紹介>
 中西-スタニス慧理果さん
 米国シカゴ出身。2009年8月に来日。神奈川県在住。
 千葉市の国際交流員(CIR)として来日後、2012年8月より(財)自治体国際化協会
 のプログラム・コーディネーター(PC)として活躍中。

 

 

東日本大震災ではどんな活動をしましたか?

  • 震災直後は国際交流員として千葉県に住むJETプログラム参加者を始めとし、外国人の安否確認を行いました。その後、窓口・電話・メールでの相談対応及びカウンセリングをしたほか、震災に関する情報を翻訳してSNSや千葉市国際交流協会のHPで発信しました。
  • ボランティア53陣集合写真
    (写真:オクダ・マキ)
    ピースボートのインターナショナルボランティアチームの一員として3回被災地に赴き、宮城県石巻市を中心に瓦礫の撤去、ホヤの養殖産業の復興支援や畑作りを手伝いました。
  • 全国にいるJET参加者を代表する役員会(AJET)のボランティア活動コーディネーターとして、20以上の支援プロジェクトに係わりました。例えば、国内外からの支援物資や義援金を被災者に送る企画や、被災地にある児童養護施設を支援する企画、被災地の避難所管理者と遠方にいるサプライヤーの間で支援物資配達の調整等です。
  • より多くのJET参加者にボランティアとして活動してもらうため、NGOと連携し、JET参加者に東北でボランティアをしてもらう計画を立ち上げ、ボランティア企画の情報をAJETのHPで広報しました。

 

どんな思いで活動しましたか? また、活動の際に難しいと感じた点、助けになったことは何ですか?

  • 震災時は日本人と外国人を区別している場合ではない。自分に出来ることがあれば国籍等を問わず被災している人達を支援したいという気持ちでいっぱいでした。今回の震災では、カウンセリングや翻訳など外国人の役に立つスキルをいくつか持っていたため、小さいことでも出来ることから取りかかろうと思いました。
  • 国内外の情報が錯綜し、原発問題がエスカレートし続ける中、海外のニュースを見て不安を抱いて相談にきた人のカウンセリングを行いました。正確な情報の確保や迅速な翻訳が最も重要なポイントでしたが、専門的な知識がなかったのでとても難しいと感じました。

 

支援活動を通じて感じたこと、気づいたことを教えてください。

〜石巻市でボランティアをしていた時に気づいたこと〜
  • 農業支援 (写真:ジョルダン・ライト)
    (被災中)行政で役割分担を決める必要性 - 被災者の方の話によると、津波に覆われた後、街中はゴミだらけでした。市民がそれを片付けても、可燃ごみ、非可燃ごみ、粗大ゴミや危ないものがすべて混ざっているため、どこにも引き取ってもらうことができず、結局何週間も放置されたままだったと聞きました。被災中は混乱することが予想されているので、このような問題に対応するための対策作りが大切だと思います。
  • 大規模な災害があったときに外から来る支援物資やボランティアをどこで受け入れ、どこに配置するかを考える必要があると感じました。特にボランティアについては、災害ボランティアセンターの設置・運営をする委員会と自治体、国際交流協会等の連携が重要です。ここの連携が取れていなければ、ボランティア団体・NGOなどは被災地のニーズに応えられません。社会福祉協議会や国際交流協会などと市の協力体制を作り、災害の際、行政が100%機能できない状況に備えてボランティアセンターがある程度独断で動けるよう準備を進めておく必要があると思います。

 

今後はどんな活動を予定されていますか?

  • 様々な機関(自治体、国際交流協会など)と協力し、今後の震災に備え外国人市民の支援体制の構築・被災者に提供できるツールの充実に努めたいと思っています。
  • PCになって、外国人住民を直接支援する機会は少なくなりましたが、クレアは自治体の共同組織ですので、外国人を支えている全国の自治体や地域国際化協会の方達のために何かできればと思っています。
  • 今後、もし、別の地域で災害が起こってしまったら、自分の持っている国内外のつながりを最大限に活用し支援活動を行うつもりです。

 

このサイトを見ている人にメッセージをお願いします。

  • 災害に遭い、被災したときは誰もが不安と恐怖でいっぱいですが、そのようなとき、特に混乱しがちな外国人を支えている地域国際化協会や自治体の方々に感謝の意を表したいです。災害時でなくても、平時から外国人を孤立させず、社会の一員でいられるように頑張り続ける皆さんのおかげで助かっている人はたくさんいます。
  • 外国人イコール要援護者ではありません。使えるスキルを持っている外国人、市民の力になりたい外国人は大勢います。「外国人のために」ではどうしても資源・人材に限りがあるので、どうすれば彼らの持つスキルを引き出し、活用できるかをみんなで考えていって欲しいと思います。そのことは、災害時だけでなく、共生社会の構築にも大きく寄与すると思います。

石巻市の小学生がインターナショナルボランティアに書いたメッセージ
(写真:ミウラ・アキ)

 

 

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このページに関するお問い合せ先
多文化共生部多文化共生課
Tel :  03-5213-1725
Fax :  03-5213-1742
Email : tabunka@clair.or.jp
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