多文化共生関係資料
東日本大震災支援活動記録
各地域の事例
■市民活動グループ ええじゃん(ASIAN)- 避難所体験会
- FM多言語放送等
<団体概要> 市民活動グループ ええじゃん(ASIAN) 設 立:2004年 所在地:〒738-0001 広島県廿日市市駅前4-27オレンジショップ内 T E L:0829-31-2224 F A X:0829-31-2224 U R L: http://asian525.blog46.fc2.com/
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この事業の実施に至った背景を教えてください
当団体は、国際交流・協力と町づくりを目指して2004年に設立した市民グループで、当初は外国語会話・料理・手作り教室や海外の植林・教育支援等をしてきました。ところが、外国人の先生、家族、友人等から問われたトラブルの数々に対応しているうち、在住外国人を取り巻く環境の厳しさに気づき、2008年以来外国人無料相談を続け、2年後にはアンケート調査、2011年は市民フォーラム(2月)、避難所体験会(10月)、FM多言語放送開始(10月)と事業拡大してきました。日本一の“移民県”広島。その中核の廿日市市は今逆にアジアの人々が牡蠣打ち場等に増え、農村の外国人妻も増え、中国帰国者や在日の方々の老後も心配されています。散在する在住外国人が抱える様々な問題に対応するシステムがない中で、事件・事故も発生し地域で異文化摩擦が生じています。この現状を憂い、相談窓口を紹介し、付き添い、同じ市民として出来る限りのお手伝いを心がけています。
具体的に、どのように実施したのかを教えてください
(1)「JIAM出前研修&外援隊発足会」開催(8/15)JIAMから時光(とき・ひかる)さんを講師にお招きした講演会と、法テラス弁護士等地元関係者も加わったディスカッションを行いました。廿日市市内と広島市の日本人・外国人住民を中心に島根等県外からの出席もあり、長時間にもかかわらず終始熱心な意見交換がなされました。特に時講師には、災害時における外国人住民の目線から充分な資料と映像を交えてわかりやすくお話していただきました。当日はまた、災害時の外国人支援を志す廿日市市及び広島市内の住民による「外援隊(がいえんたい)」の発足会も兼ねており、規約を承認するとともに皆様へのお披露目の場ともなりました。外援隊は、その後福山市内からの参加もあり計21名となりました。今後は県内外に広く募集したいと思います。
※「外援隊」については、団体ブログをご覧ください。
http://asian525.blog46.fc2.com/blog-entry-31.html
(2)「避難所体験会inはつかいち」開催(10/2)
避難所体験会の様子 |
独自に行ったアンケート調査等の結果から、在住外国人が最も心配しているのが「災害時の対処の仕方がわからないこと」だということが明らかになりました。そこで、避難所体験会の開催を決定し8月開催を予定していたのですが、3月11日の大震災という現実を突きつけられ、より本気で取り組むべく(1)のプレイベントを8月に実施し、本番の避難所体験会は10月としました。
廿日市や広島の国際関係機関やマスコミを通じて参加者を募りました。当日、意外にも中国帰国者とその家族の参加者が大勢マイクロバスで来場されました。それ以外の外国人参加者を含め参加者の半数近くが外国籍または外国語話者となり、急遽、中国語通訳者を募集し、翻訳文を用意しました。
「やさしい日本語」ワークショップ |
寄贈いただいたダンボールで間仕切りし、日本人と外国人の6人毎のチームに分かれ災害時の対応、持参品、避難所でのコミュニケーション等について語り合いました。市役所、社会福祉協議会、国際交流協会、中国帰国者支援センター等の職員もボランティアスタッフと共に参加者をリードし、個々の住所の危険度を測ったり、避難指示の理解度をテストしたり、避難所へのルートを確認したりしました。
昼食は非常食を全員で試食しながらのフリートーキングで連帯感を感じていただきました。
午後も大学教員や、弁護士、災害ボランティア団体等各分野の専門家から震災に関するお話を聞いた後、実際に災害時に防災無線から流れる避難指示文言を、みんなで「やさしい日本語」に置き換えるというワークショップを行いました。
参加者アンケートには、今回の企画を高く評価し、今後も参加したいとする意見が多くありました。取材されたマスコミは新聞4社とNHKテレビで、いずれも外国人目線に立った企画を高く評価してくださいました。中華人民共和国の新聞も廿日市市における中国人参加の避難所体験会を報道しており、世界が狭いことを感じさせられました。
(3)FMはつかいち「多言語放送」開始(10/7〜)
FMでの多言語放送 |
(1)の参加者に商工会議所の役員の方がいらっしゃり、災害時の外国人支援や平時の外国人への情報提供の意義に共感して下さいました。その後、商工会議所の協力を得て、同所がもっていたFMはつかいちの番組内で、多言語による生活情報の発信をさせていただけることになりました。毎週金曜日午後5時から25分間の放送です。言語は週毎に変わり、韓国語・英語・中国語・タガログ語の順で毎週ネイティブスピーカーと日本人スタッフがペアになって、廿日市市広報や社会福祉協議会等からの情報を母国語でわかりやすくお知らせしています。
実施してみていかがでしたか?
「避難所体験会inはつかいち」では、参加者の大半から「参加してよかった!」という反応をいただけて嬉しい限りです。しかし、今回は避難時の対処法に限定しており、長引く避難所生活の中で外国人が遭遇するさまざまな“バリア”にどう対処するかという大きな課題を取り上げていない点については物足りなさも感じています。一足飛びにはいきませんが、2012年はもう少し腰を入れてきめ細かい取組みがしたいと思っています。FMはつかいちでの「多言語放送」については、無償でさせていただいているものです。永住資格のある外国人が毎回日本人と率先して打合せをし、翻訳し、スタジオに足を運んでいる様をみると、同国人の苦境を救いたいという使命感の強さを感じます。ただ、その時間帯にどれだけの外国人リスナーが放送を聞いてくれているだろうかはわかりません。少しでも多くの人に聞いていただけるよう、再放送等の機会を増やしていきたいですが、たちまちは無理なので、当団体のブログ等を通じて、過去の放送分の内容をお伝えしていきたいと考えています。
「さらに、これらの活動の成果をfacebook等にも掲載し、「ニッポン生活情報サイト」(仮)として、常時外国人が生活情報を入手できるようにしたいと思います。
・避難所体験会inはつかいちの記録集「あなたはこの時をどう生きぬくか?」(50頁)
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